先輩日和 15話 後編



それから数時間が経ち。3時頃


亜美「んむ、、、」


亜美が目を覚ました


亜美「ふわぁ〜あ、、、」


亜美が隣を見ると、スヤスヤと眠っている花乃音が居た


花乃音「すぴ〜、、むにゃむにゃ、、」


花乃音「私は大人だぞ〜、、、」


亜美(どんな夢見てるんだろ、、)


とりあえず亜美は花乃音を起こした


亜美「おねーちゃん!起きて〜」


花乃音「んあ、、、んん?」


花乃音(そっか、寝ちゃったんだった)


花乃音「んーーっ!!!ふぅ、、」


花乃音「おはよー亜美ちゃん、、」


亜美「うん!」


花乃音「あれ、そういやあどくんは?」


花乃音がコタツから出る


花乃音「あ、、」


あどは花乃音達の反対側のコタツに入って眠っていた


あど「、、、、、」


花乃音「あれま、、」


亜美「あどくん寝てるね」


花乃音「チャンス、、!」


花乃音がスマホを取り出すと


あどの寝顔を撮った


花乃音「今までの仕返し!」


亜美「???」


あどは花乃音の声で目が覚めた


あど「ん、、あれ、いつの間に、、」


花乃音「おはよ〜!気持ちよさそうに眠ってたね〜」


あど「、、何ニヤニヤしてるんです?」


花乃音「別にー?」


あどが体を起こす


あど「まぁいいか、、」


あど「まだ3時か、、なんもやることないっすね」


花乃音「だねー。目も覚めちゃったし」


亜美「んー、、ならさ!外で遊ぼうよ!」


あど「え?外?」


亜美「うん!鬼ごっことか!」


花乃音「で、でも外は寒いよ?まだ雪も積もってるし」


亜美「動けば熱くなるよ!ね!あそぼ!」


あど「まぁ、、亜美ちゃんがそこまで言うなら、、」


花乃音「だね。行こっか」


あどと花乃音は上着を着た


亜美「コネ!行ってくるね!」


コネ「みゃぁ〜、、」


コネはコタツに入って気持ちよさそうだった


3人が外に出る


あど「さぶっ、、」


花乃音「亜美ちゃん大丈夫?」


亜美「ヘッチャラだよ!早く行こ!」


亜美が階段を降りていった


あど「元気っすね、、」


花乃音「だ、だね、、私たちも行こっか」


3人がマンションから出て、駅近くにある大きな公園に行った


亜美「よーっし!鬼ごっこしよう!」


あど「じゃあ、じゃんけんで決めようか」


3人「さーいしょーはグー!じゃんけんぽん!」


あど「うわっ、僕か、、」


花乃音「よーし!亜美ちゃん!一緒に逃げるよ!」


亜美「うん!10数えたら来てね!」


そう言うと花乃音たちはその場を離れていった


あど「いーち、にー、さーん、しー、ごー、ろーく、しーち、はーち、きゅーう、じゅう!」


あど「さてさて、、行きますか」


あどが2人を追いかけ始める


亜美「うひゃあ!足速いね!」


花乃音「ここは一旦作戦を考えよう!」


花乃音と亜美は気の後ろに隠れる


あど「どうする気だ?」


あどがゆっくり近づく


すると両サイドからそれぞれが出てきた


花乃音・亜美「それぇ!!」


2人は雪玉をあどに投げつけた


あど「ぼふっ!!」


ひとつがあどの顔に命中する


花乃音「今だよ!」


2人がまた逃げ出した


あど「お、おのれぇ、、なかなかやるじゃないですか、、」


あどががまた2人を追いかける


花乃音「うわぁ!」


花乃音がなにかに躓き、転ぶ


亜美「おねーちゃん?!」


花乃音「い、行って!!私は、、もう!」


亜美「そ、そんなの、、!」


花乃音「逃げて!!」


亜美が花乃音に言われるとおり、その場から逃げた


亜美(あたし、、絶対に逃げるよ!)


花乃音「えへへ、、ちょっとは役に立てたかな、、」


あど「、、、なにしてんすか」


花乃音が振り返るとあどがもう後ろにいた


花乃音「うわぁ!たんまたんま!」


あど「だめです」


あどが花乃音をタッチする


花乃音「むぅぅ!!転ばなければ、、」


あど「花乃音さんなら余裕で捕まえられますけどね」


花乃音「なんだと?!」


あど「まぁ、待っててくださいな」


花乃音「むぅ、、!!」


あどが亜美を追いかけ始めた


亜美「こっちだよ!」


亜美が後ろを見ながら走る


あど「あ、亜美ちゃん!!危ない!!」


亜美「ほえ?」


亜美が前を見ると


亜美「むぎゃ!」


目の前に木がたっていて、その気にぶつかってしまった


あど「ま、まずい、、」


亜美がその場に座り込む


亜美「ううぅぅ、、、」


あどが亜美の肩を持つ


あど「だ、大丈夫?!」


亜美「痛いよぉ、、うわぁぁぁぁん!!」


あど「そ、そうだね、、えと、とりあえず、、えーと、、」


花乃音がその場に駆け寄る


花乃音「どうしたの?!」


あど「亜美ちゃんが木にぶつかってしまって、、」


亜美「おねーちゃん、、痛いよぉ、、!」


亜美が花乃音に抱きつく


花乃音「よしよし、、そうだ!」


花乃音が亜美の額に触れて


花乃音「痛いの痛いのとんでけー!」


亜美「ふぇ、、?」


花乃音「おまじない!亜美ちゃんの痛みが飛んでいくでしょ?」


亜美「、、、たしかに、、痛くなくなってきた!」


亜美「おねーちゃんすごい!!」


花乃音「えへへ、、」


あど(すげー、、、)


素直にすごいと思うあどであった


亜美「あ、、もうタッチされてた、、」


あど「あ、ほんとだ」


亜美「もう1回!もう1回やろ!」


花乃音「え、、大丈夫なの?」


亜美「うん!おねーちゃんのおかげだよ!ほら!また鬼ごっこしよ!」


元気よく立ち上がる亜美


あど「げ、元気だなぁ、、よし。もう1回やりますか」


花乃音「だね!とことん付き合うよ!」


それから3人は6時まで鬼ごっこをした


亜美「たーっち!!」


あど「ぜぇ、、ぜぇ、、もう、無理、、」


花乃音「か、帰らない?もう真っ暗だよ?」


亜美「んー、、そうだね!お腹も減ってきたし!」


亜美も満足したようで、やっとあどの部屋に帰った3人たち


花乃音はクタクタなのかソファに座った


花乃音「はぁ〜、、、つかれたぁ、、」


亜美「おねーちゃん体力ないの?」


花乃音「あ、あんだけ動いたら誰でも疲れちゃうよ、、」


あどが廊下からリビングに入ってきた


あど「花乃音さん。お風呂沸かしたんで亜美ちゃんと一緒に入ってもらっていいですか?」


花乃音「え、、まぁいいけど」


あど「ありがとうございます!ほんとに花乃音さんいて良かったっすよ」


花乃音「ま、まぁ、頼れる先輩として当たり前だよ!」


そして花乃音は亜美を連れて風呂場に行った


あど「さてと、、夕飯どうしよっか、、」


コネ「みゃ〜あ、、」


その頃風呂場では


花乃音「亜美ちゃん髪の毛綺麗だね〜」


亜美「お母さんに手入れしてもらってるんだ!」


花乃音「へー、、たまからこんなに綺麗に、、」


花乃音は亜美の髪の毛を洗っていた


それから2人は体を洗い湯船に浸かっていた


花乃音「亜美ちゃん体力すごいよね〜」


亜美「うん!いつも学校のみんなと遊んでるからね!」


花乃音「へー、、学校は楽しいの?」


亜美「うん!みんな仲良し!」


2人が湯船から上がり、風呂から出た


2人は体を拭いて着替え、その場にあるドライヤーで髪を乾かしリビングに戻った


花乃音「上がったよー」


亜美「さっぱり〜、、」


あど「おかえりなさーい。ご飯できてますから、先に食べててください」


テーブルにはあどが作った野菜炒めが拡がっていた


花乃音「うはぁ!美味しそう、、!」


亜美「もうお腹ぺこぺこ!食べよ!」


あど「じゃ、お風呂入ってきますね」


あどがそう言うと風呂場に向かっていった


花乃音たちはもう夕飯を食べていた


花乃音「んー!おいひいー!」


亜美「あどくんの料理って美味しいね!」


花乃音「だよねー!亜美ちゃん分かってる!」


亜美「そうだ。おねーちゃんとあどくんって」


花乃音「んー?」


亜美が純粋な疑問を花乃音に問う


亜美「付き合ってるの?」


花乃音「、、、へ?」


亜美「2人ってもう結ばれて、、」


花乃音「わっ、わわ!わー!!」


亜美「どうしたの?」


花乃音「そ、そういうのは、、えと、、まだ亜美ちゃんには早いよ!」


亜美「えー、、でも気になる!どうなの?!」


花乃音「そ、それはぁ、、」


花乃音「べ、別にそう言う関係じゃ、、」


亜美「じゃあさ!おねーちゃんはあどくんのこと」


亜美がそう言いかけた瞬間


コネ「みゃあー、、!」


コネが亜美の膝に乗っかってきた


亜美「おわっ!コネ〜!」


花乃音「、、、ほっ、、」


花乃音(一体何聞くつもりだったんだろ、、)


花乃音(知りたいようで知りたくない、、ような。まぁ、知らぬが仏よね)


それから2人はあどの分を残して、食事を終えた


あどが風呂から上がり、リビングに戻る


あど「もう食べ終わりました?」


花乃音「うん!ごちそーさま!」


亜美「美味しかった!」


あど「お、それは良かった」


あどが椅子に座り、夕飯を食べ始める


花乃音はあどとは反対側の席に座って亜美を見ていた


亜美「コネ〜ごろごろー」


コネ「んにゅ〜、、ゴロゴロ、、」


花乃音「亜美ちゃん最初の時とは全然違うよね」


あど「まぁ、心を許してくれたんでしょうね」


あど「ほんと、花乃音さんのおかげですよ」


花乃音「そ、、そう?」


あど「花乃音さんいなかったら、亜美ちゃんずっとひましてたと思いますしね」


あど「花乃音さんには感謝してるんですよ?」


花乃音「ま、まぁ先輩として、、当然よ!」


あど「ま、見た目は先輩なのか危ういですけどね、、」


あどが小声で言った


花乃音「なっ、、今なんか言ったでしょ!!」


あど「別に?なんでもないっすよー」


花乃音「むぅ、、!」


あど「あははっ、今度感謝のお礼になにか奢りますよ」


花乃音「言ったな〜?」


花乃音「遠慮はしないぞ!」


あど(、、、なんかこっちが先輩やってる気分だな、、)


あどが夕飯を食べ終え、3人はコタツに入っていた


あど「亜美ちゃんってお母さんのこと好き?」


亜美「うん!大好きだよ!お父さんも!」


あど「お、それは良かった。姉さんしっかりやってるみたいだね」


花乃音「あどくんのお姉さんってどんな人なの?」


あど「んー、、まぁ、誰よりも元気だったかな、、泣いたとこなんて見たことないぐらい」


花乃音「ひょぇー、、そりゃすごいね」


あど「昔はよくイジられてましたよ」


亜美「え?!あどくんお母さんにイタズラされてたの?!」


あど「まぁ、昔だからね。兄妹なんてそんなもんだよ」


亜美「むぅ、、お母さんに説教してあげないと!」


あど「だ、大丈夫だよ!何気にあの時が結構楽しかったからね」


亜美「そうなんだぁ、、不思議だなぁ」


時刻は8時


花乃音「もう歯を磨いて寝る?亜美ちゃん」


亜美「うん、、ちょっと眠いかも」


あど「そりゃあれだけ動いたら眠くなるよね」


3人が洗面所で歯を磨く


あど「花乃音さんちゃんと持ってきたんですね。歯ブラシ」


花乃音「当たり前でしょ?」


亜美「しゃかしゃか、、」


歯磨きを終えて寝室に入る3人


あど「どーしましょう、、ベッドは一つだけですよ?」


花乃音「た、たしかに、、」


亜美「どうして悩んでるの?みんなで一緒に寝ようよ!」


あど「え?い、一緒に?」


亜美「うん!その方が安心して眠れるよ!」


花乃音「そ、そこまで言うなら、、ね?」


あど「そうしますか、、」


花乃音が壁側、亜美が真ん中、あどが外側、という形でベッドに入った


花乃音「せ、狭いね、、大丈夫?亜美ちゃん」


亜美「うん!2人がそばに居ると安心する」


あど「それは良かった」


花乃音「じゃあ、もう寝よっか」


あどが電気を消す


亜美「、、、2人はさ」


あど「ん?」


亜美「お互いのことどー思ってるの?」


あど「え、、?」


花乃音「きゅ、急にどうしたの?」


亜美「普通に気になっただけなんだけど、、どう思ってるんだろうなって」


花乃音「そ、それは、、仲のいい、、後輩かな?」


あど「僕は、、おっちょこちょいでドジだけど、頼り甲斐のある先輩かな?」


花乃音「なっ、、!」


あど「た、頼り甲斐ってあるからプラマイゼロです!」


花乃音「むぅ、、」


亜美「なんか難しいけど、、仲良いんだね!」


花乃音「ま、まぁ、、」


あど「そうなのかな、、」


亜美が目を閉じる


亜美「おねーちゃん。撫でてくれる?」


花乃音「うん。いいよー」


花乃音が優しく亜美の頭を撫でる


花乃音「よしよし、、」


亜美「ふわぁ、、」


亜美があっという間に眠ってしまった


あど「もうすっかり花乃音さんの虜ですね」


花乃音「えへへ、、やっぱり私ってお姉さんだね」


あど「小さいこの前では、ですけどね」


花乃音「なっ、、、」


あど「冗談ですよ冗談。頼れる人だと思ってますよ。僕は」


花乃音「き、急に何よ、、」


あど「別に、、思ってること言っただけですよ」


あど「じゃあ、おやすみなさい」


花乃音「う、うん、、おやすみ、、」


あどが目を閉じ、眠る


花乃音「、、、」


花乃音(頼り甲斐のある先輩、、あどくんも、頼れる人だよ、、)


花乃音も目を閉じ目眠った


そして翌日の朝。7時


コネが3人の元に来ていつも通り鳴く


コネ「みゃ!んみゃ!んみゃー!」


あど「ん、、コネか、おはよう」


花乃音「んん、、朝ぁ?」


亜美は花乃音の胸の中で眠っていた


亜美「すぅ、、すぅ、、」


花乃音が亜美をゆっくり起こした


花乃音「亜美ちゃーん。朝だよ」


亜美「ふぁ、、?」


亜美「、、、あ、おはよう、、おねーちゃん、、」


花乃音「うん。おはよう!」


亜美「ふやぁーあ、、」


あど「8時に姉さん来るっぽいから、もう準備しよっか」


亜美「うん、、」


亜美と花乃音は帰る支度をした


時刻が8時頃になると、美穂がやってきた


玄関を開けるあど


美穂「おはよー!亜美は?」


あど「今呼ぶよ」


あど「亜美ちゃーん!来たよ!」


リビングから亜美を連れた花乃音が来た


美穂「あら、、その人は?」


あど「会社の先輩。俺一人じゃ無理だったから、手伝ってもらったんだ」


花乃音「こんにちは!」


美穂「はえー、、可愛いわね!」


花乃音「ふぇ?!」


あど「ね、姉さん、、」


美穂「ごめんごめん!ほら亜美〜帰るわよ!」


亜美「うん、、」


美穂「あれ?どうしたの?」


亜美「もう1日いたい、、」


美穂「へ?」


あど「そんなに楽しかったの?」


亜美「うん!おねーちゃんと一緒に遊んだり、食べたりするの楽しかったもん!」


美穂「あれま、、お姉さんそんなに付き合ってくれたんですか?」


花乃音「えへへ、、まぁ一応!」


花乃音が亜美に話しかける


花乃音「そんな悲しまないの。またいつか会えるよ!その時は、もっと遊ぼうね!亜美ちゃん!」


亜美「、、うん!約束だよ!」


花乃音「よし!約束!」


2人は小指と小指を絡ませて、約束をした


指を離して、亜美は美穂の元に行った


美穂「それじゃあ、ほんとありがとねあど、それと、、えっと、お名前、、」


花乃音「花乃音です!」


美穂「花乃音さんね!花乃音さんもありがとうございました!また機会があったら、遊んであげてください」


花乃音「はい!喜んで!」


美穂「それじゃあ!」


亜美「ばいばーい!」


あど「じゃーねー!」


花乃音「またねー!」


美穂と亜美が帰って行った


花乃音「、、、ふぅ」


花乃音「なんか楽しかったね〜」


あど「花乃音さん、1番楽しんでましたからね」


花乃音「そ、そうかな、、?」


あど「そうですよ!花乃音さんのおかげで亜美ちゃん楽しそうでしたから」


花乃音「まぁ、お姉さんとしての責務を全うしただけだよ!」


あど「お姉さん、、ねぇ」


花乃音「な、なによ!!」


あど「やっぱ花乃音さんには似合わないなーって」


花乃音「な、なんだと?!」


あど「ははっ、そう言う反応が子供っぽいんですよ〜」


花乃音「なにぃ?!」


花乃音「むぅ、、怒ったぞ!このこの!」


花乃音がまたあどをポコポコした


あど「あははっ!」


花乃音「笑うなぁ〜!」


こうして、3人のお泊まりは終わったのであった。お姉さんの道を1歩歩んだ花乃音であった


次回に続く

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