先輩日和 15話 前編



とある日、あどは仕事から帰って家にいた


あどは自分の姉、美穂と連絡をとっていた


あど「えぇ?娘さんを?」


美穂「そうそう。あんた明日から2連休なんでしょ?なら亜美の事任せられるかなって」


あど「まぁ姉さんも忙しいのはわかるけどさ、、、」


美穂「お願い!いつかなんかお礼するからさ!」


あど「、、まぁ、いいけどさ」


美穂「ありがとうあどー!そう言ってくれると思った!」


あど「姉さんなら俺がいいって言うまで駄々こねるだろ?」


美穂「さ、さぁね?」


美穂「とりあえず亜美は明日の朝預けに行くから!」


あど「はいはい、、じゃあまたあしたね」


美穂「うん!頼むね!」


連絡が終わると、あどはソファに腰掛ける


あど「って言っても、、どうすりゃいいんだよ、、」


あど(ちっちゃい子なんかと触れ合ったことなんてぜんっぜんないんだけど、、)


そう悩んでいるとコネがあどの膝に乗ってくる


コネ「んみゃ!」


あど「コネ〜明日知らない人が来るけど、大丈夫だからな〜」


コネ「みぃ?」


そして翌日。美穂があどの家に来る


美穂「久しぶりー!」


あど「久しぶり。んで、、」


あどが美穂の足元を見る


そこには美穂の後ろに隠れた小さな女の子がいた


あど「だ、大丈夫か?怖がってない?」


美穂が後ろに隠れている亜美に声をかけた


美穂「大丈夫だよ亜美。この人はいいおじさんだからね〜」


あど「お、おい!まだおじさんじゃないって!」


亜美が恐る恐る美穂の後ろから出てくる


美穂「大丈夫よ亜美、1日泊まるだけだからね」


亜美「、、、うん」


美穂「じゃあ、頼んだよあど!」


あど「はいよ」


美穂がそう言うとマンションから出ていった


あどが亜美を家の中に入れた


あど「ま、まぁ、何もすることないけど、、、ゆっくりして行ってよ」


亜美「お、お邪魔します、、、」


リビングに行くとコネが2人の元によってくる


亜美「わっ、、、」


亜美が少し怖がっているようだった


あど「大丈夫大丈夫。この子はコネ。傷つけたりしないからね」


コネ「みゃあ!」


亜美「こ、コネちゃん、、」


それから数十分経って


あど「、、、、、」


亜美「、、、、、」


コネ「、、、ふみゃ〜、、」


あど(気まずい、、、!)


あど(コネと遊んでくれるかな〜って思ったけど、亜美ちゃん床にちょこんと座ってるだけだし、、コネは日向ぼっこしてるし、、)


あど(参った、、どうしよう、、)


あどがそんなことを思いながら亜美を見つめる


あど(、、、やっぱ小さいよな、、身長。そりゃそうか、、)


あど(ん、、待てよ。背が小さい、、?)


あど(そうだ!花乃音さん!!)


あど(花乃音さんなら、何とかしてくれるかもしれない!)


あどはそう思い立つと花乃音に連絡をし始めた


その頃花乃音は


花乃音「はぁ〜あ、、早起きしたけど、、暇だなぁ〜」


花乃音(なんか楽しいことないかな、、)


花乃音がそう思っているとスマホから連絡が来る


花乃音「ん?あどくんから?」


花乃音が電話に出る


花乃音「もしもし?」


あど「あ、花乃音さん?今暇ですか?」


花乃音「うん。すっごい暇」


あど「良かった、、なら!今日うちに来ません?」


花乃音「へ?」


予想外の言葉に少し固まる花乃音


あど「そ、その訳あって呼ぶんですけどね、、、」


花乃音「わ、私があどくんのお家に?」


あど「はい!」


花乃音「ま、まぁ、、いいよ?」


あど「ほんとですか?!よかったー、、」


あど「そうそう!泊まりになると思うんで、着替えとか持ってきてください!」


花乃音「ふぇ?!お、お泊まり、、?」


あど「はい、、お泊まりです、、」


花乃音(あ、あどくんの家で、、お泊まり、、)


花乃音「わ、分かった!すぐ行くよ!」


あど「あ、はい、、お願いします」


連絡が終わると、花乃音はすぐに準備して、あどの家に向かった


花乃音「ふんふふーん♪」


花乃音(楽しみだなー、、お泊まりかぁ、、し、しかも、、)


花乃音(あどくんの家、、)


花乃音(べ、別にあどくんだからとかないから、、!)


花乃音(な、何言ってんの私、、まぁいいや、早く行こう!)


数十分してあどの済むマンションにつき、あどの部屋のインターホンを鳴らす


亜美「?」


あど「お、きたきた、、」


あどが玄関を開けると


花乃音「お、おはよ、、!」


あど「良かった、、さ!入ってください!」


花乃音「お、おじゃまします、、」


花乃音が部屋に入ると、あどがドアを閉める


2人がリビングに入る


花乃音「、、、あれ?この子は?」


亜美「、、、、?」


あど「えっとこの子は、、」


あどが事の経緯を説明する


花乃音「な、なるほど、、だから私を呼んだと」


あど「花乃音さんちっちゃい子扱い慣れてるかな〜って思って」


花乃音「ま、まぁ、、昔はよく触れ合ってたけど、、」


あど「お!なら頼みましたよ!」


花乃音「ぜ、全部任せないでよね!」


花乃音はとりあえず亜美と話すことにした


花乃音「えと、、亜美ちゃんだよね?」


亜美「うん、、お姉さんは?」


花乃音「私は花乃音。気軽におねーちゃんって呼んでいいよ」


亜美「分かった、、、おねーちゃん、、」


花乃音「えっと、、なにかしたいこととかある?」


亜美「、、、抱っこ」


花乃音「ん?抱っこ、、?」


亜美「うん」


花乃音「亜美ちゃんは抱っこが好きなの?」


亜美「うん。いつもお母さんにしてもらってる」


あど(へ〜、、たしかに姉さん抱擁力あるもんな、、)


花乃音「よ、よし分かった!抱っこしてあげるよ!」


花乃音が亜美を抱く


亜美「、、、、」


花乃音「ど、どうかな?」


亜美「おねーちゃんちっちゃいね、、」


花乃音「っ、、、、」


あど「そ、そうだ!なにか他のことしない?!例えば、、えとその、、」


花乃音があどの方を見て言う


花乃音「どうしてそんなに焦ってるの、、、?」


花乃音の額には血管が浮きでていた


あど「えっと、、あははは、、」


亜美「、、、でもおねーちゃんも落ち着くね、、」


亜美は花乃音に身を委ねた


花乃音「そ、そう?」


花乃音の顔が晴れやかになる


あど「、、、ほっ、、」


それから少したって


コネ「みゃ〜、、」


コネは亜美の足元にいた


3人はトランプをしていた


あど「んー、、、こっち?」


どうやらババ抜き中のようだ


あどが亜美の持っているカードを引く


あど「なっ!ジョーカー、、」


亜美「んふふ、、、わたしは、、これ!」


亜美があどのカードを引くと


亜美「わぁい!上がり!!!」


あど「強いなぁ〜これで三連勝じゃん、、」


花乃音「亜美ちゃんほんとにババ抜き強いね!」


亜美「えへへ、、ババ抜きなら誰にも負けたことないもん!」


亜美は先程と比べてとても楽しそうだった


花乃音「よし!次は私が上がらせてもらうよ、、」


あど「花乃音さんには負けませんよ?」


花乃音が1枚、あどの持つカードを引く


花乃音「うわぁ!ジョーカー、、!」


あど「じゃあ僕はこっちを、、、それ!」


花乃音「ぬわ!」


あど「上がり!」


亜美が拍手を送る


花乃音「むぅー!これで3連敗だよー、、」


あど「まだまだですね〜花乃音さん」


花乃音「ぐっ、、、このこの!!」


花乃音があどをポコポコする


あど「あははっ!くすぐったい!」


花乃音「バカにするなぁ!」


亜美「、、、たのしそー、、」


コネ「みゃ?」


それからまた時は経って


誰かのお腹が鳴った


あど「ん?花乃音さんですか?」


花乃音「違うよ!!!」


亜美「ご、ごめんなさい、、あたしです」


あど「大丈夫大丈夫。お腹減ってきたよね」


花乃音「よし!お昼ご飯にしよう!」


亜美「おねーちゃんって料理作れるの?!」


花乃音「あ、、えーっと、、、」


花乃音「そ、そうだね!あどくんに作ってもらおう!」


あど「え?」


亜美「おー!」


あど「、、、まあ、そうなると思いましたけどね」


あどがソファから立ち上がり台所へ向かった


あど(さて何を作ろうか、、、亜美ちゃんでも食べられるもの、、)


あど(、、、姉さんの娘さんなら、アレもう食べてるよな、、よし。それにしよう)


あどが料理している中、花乃音たちはコネと遊んでいた


亜美「コネ〜、、」


コネ「みゃあ!」


花乃音「可愛いよね〜コネ」


亜美「うん!よしよし、、」


コネ「ふみゃ、、」


そしてあどが出来上がった料理をテーブルの上に置いた


あど「はいお待ちどうさま」


花乃音「おー」


亜美「チャーハン!!」


花乃音「亜美ちゃんチャーハン好きなの?」


亜美「うん!お母さんがいつも作ってくれるの!」


あど「やっぱりなぁ、、」


花乃音「え?どういうこと?あどくん」


あど「ん?あぁ、僕昔姉さんにチャーハンの作り方教えてってしつこく聞かれてたんですよ。んで教えてからずっとチャーハンしか作らなくなって」


あど「だから亜美ちゃんチャーハン好きかなーって思って」


亜美「え?!あどくんがお母さんに教えたの?!」


あど(あ、あどくん、、まぁいっか)


あど「うん」


亜美「へぇー、、ならお母さんよりも美味しいのかも、、」


あど「自信はあるね」


3人はとりあえず食べ始めた


亜美「はむ、、モグモグ、、、んーーっ!!!」


花乃音「すごっ!美味しいよこれ!」


あど「えへへ、、」


亜美「おいひぃ、、さすがお母さんに教えた人だよ〜、、」


亜美はあっという間に平らげてしまった


花乃音「は、早いね、、」


亜美「うん!美味しいんだもん!」


あど「ははっ、ちょっと恥ずかしいな、、」


それからあどと花乃音も食べ終わった


亜美はコタツに入って横になってコネを撫でていた


亜美「ふわぁ〜、、あ」


コネ「みゃ〜、、、」


花乃音が亜美の隣に来る


花乃音「眠そうだね〜亜美ちゃん」


亜美「うん、、、」


コネ「ふみゃ〜あ、、、」


花乃音「こ、コネも眠いか、、」


花乃音「よーし。おねーちゃんがなでなでしてあげよう」


花乃音が亜美の頭を撫でる


花乃音「よーしよし、、」


亜美「、、、、」


亜美はあっという間に眠ってしまった


亜美「くぅ、、くぅ、、」


花乃音「は、早いな、、まぁ、無理もないか」


すると食器を洗い終わったあどが戻ってきた


あど「あれ?亜美ちゃん寝ちゃいました?」


花乃音「うん。ぐっすりだよ」


花乃音「ふわぁ〜あ、、私のちょっと眠いかなぁ、、」


あど「お昼寝したらどうです?」


花乃音「うん、、そうさせてもらうよ」


花乃音がコタツに入り亜美の隣で横になった


花乃音「ふぅ〜、、、あったかぁ、、」


花乃音も気づいたら眠ってしまった


あど「、、、ははっ。どっちも子供に見える、、」


亜美「すぅ、、すぅ、、」


花乃音「くかぁ〜、、、」


コネ「んみぃ、、」


そして2人は眠った


後編に続く

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