先輩日和 14話
2月13日、明日はバレンタインデーだ
花乃音は台所に1人立っていた
花乃音「さて、、始めるか、、」
花乃音は台所に並べてある材料を手に取った
その材料たちはチョコを作るためのものだった
花乃音「よーし、、」
花乃音(チョコ作りなんてしたことないけど、、ちゃんとレシピ見ながらやれば大丈夫!)
花乃音(、、、あどくん美味しいって言って食べてくれるかな、、)
花乃音(って、なんであどくんなのよ!みんなにも渡すし、、)
花乃音(あーもうやめやめ!は、早く作ろう!)
花乃音はレシピを見ながらチョコを作り始めた
その頃千尋は街を歩いていた
千尋(明日バレンタインか、、)
千尋(、、、たつやの為に買おっかな、、)
千尋が近くのコンビニでチョコを買った
千尋(板チョコの方が良かったかな?ま、いっか。あいつにはこれぐらいが1番だしね)
千尋はチョコをポケットに入れて再び歩き出した
その頃アテナはと言うと
アテナ「んー、、明日はバレンタインデー、、蒼司さんの為にチョコを作って見ましたが、、」
アテナがチョコをひとくち食べる
アテナ「、、、不味いデスっっ、、!!」
アテナ「こんなんじゃ蒼司さんに喜んで貰えないデスよー、、」
ニアがアテナの足元に寄ってくる
ニア「にゃあ〜」
アテナ「ニア〜、、私どうしたらいいデスか?」
ニア「にゃ?」
アテナがニアを持ち上げる
アテナ「チョコは何故が不味いデスし、、はぁ」
ニア「、、にゃ!にゃあ!」
ニアがテレビの方向に鳴く
アテナ「どうしました?」
アテナがテレビを見てみると、ちょうどバレンタインの内容だった
テレビ「チョコレートをあげるのではなくクッキーなど、ほかのお菓子を使って渡すというのもあり、、」
アテナ「、、、!!」
アテナ「クッキーデス!!」
ニア「にゃっ、、?」
アテナがニアを床に下ろす
アテナ「なにもチョコにこだわらなくても良かったデス!」
アテナがクッキーを作るための材料を出し始める
アテナ「クッキーなら作ったことありますし、作れますよ〜!」
それからアテナはクッキーを作り始めた
その頃花乃音は
花乃音「あー、、1からチョコ作るのってめんどくさいんだなぁ、、カカオの皮むき皮むき、、」
花乃音「ほんとに美味しくできるのかなぁ、、」
それから2時間後
花乃音「よ、よーし、、後は型にはめるだけ、、」
花乃音「星型にハート型、丸型、、全部試そう!」
花乃音が溶けたチョコを型に流し込む
花乃音「後は冷凍庫に入れてっと、、」
チョコを冷凍庫にしまい、花乃音はソファに座る
花乃音「ふぅ〜、、疲れたぁ〜」
花乃音(にしてもあんな苦い豆から美味しいチョコなんてできるのかなぁ〜、、まぁ、溶けたやつ舐めて甘かったから、、大丈夫かな)
花乃音「ちょっと、、休憩、、」
花乃音がソファに横たわると
花乃音「、、ぐぅ、、ぐぅ、、」
あっという間に寝てしまった
そして翌日会社にて
花乃音「おはようあどくん!」
あど「おはようございまーす」
花乃音「あ、あどくん、、その」
あど「すみません花乃音さん!ちょっと今日朝食べ忘れちゃって、買ってくるんでその後で!」
花乃音「え?あ、う、うん、、」
あどが席を立って外に出ていった
花乃音(ま、まぁ、、後で渡せばいいよね)
その時千尋たちは
千尋「よっ、たつや」
たつや「ん、おはよ」
千尋「、、、、」
たつや「どうしたんだよ、急に黙って」
千尋「い、いや別に、、」
千尋「そ、そのー、、今日ってバレンタインだよね」
たつや「おうそうだな」
千尋「たつやって、、その、チョコ欲しかったりする?」
たつや「ちょっと今甘いの食べたいしなぁ、、欲しいな!」
千尋「そ、そう?ならちょうど今チョコ持ってたからあげる!」
千尋がポケットからチョコを取りだして渡す
たつや「気が利くなぁ」
千尋「ま、まぁね、、」
たつや「いや〜お前からバレンタインチョコ貰えるとはなぁ」
千尋「ば、バカ!そんなんじゃないわよ!」
たつや「え?じゃなんだよ」
千尋「そ、それは、、た、たまたま持ってただけだし、、」
たつや「そうか?いつもならこんなのササって渡してくれるのに」
千尋「うっ、、そ、それは、、」
千尋が観念したのかたつやに言い放つ
千尋「そ、そうよ!バレンタインチョコよ!何が悪い?!」
たつや「なんだよ急に〜」
千尋「ば、バレンタインチョコだけど!変な勘違い起こさないでよね!こ、これは、、ぎ、ぎり、、」
千尋「義理、、、」
たつや「???」
千尋「な、なんでもない!」
千尋「そ、そのチョコ義理なんだから!」
千尋がそう言うと自分の席に戻って言った
たつや「やけに義理にこだわるやつだな〜、、、ま、いっか」
たつやがチョコを食べる
たつや「うまうま^^」
その頃アテナたちは
アテナ「蒼司さん!おはようございます!」
蒼司「おはようございます」
アテナ「蒼司さん蒼司さん!これ!」
アテナが紙袋を蒼司に渡す
蒼司「な、なんですか?これ」
アテナ「ふふん♪見てみてくださいよ!」
蒼司が紙袋の中身を見ると
蒼司「おお、、クッキーじゃないですか」
アテナ「私からのバレンタインクッキーデス!」
蒼司「バレンタインチョコじゃなくて?」
アテナ「は、はい、、その、チョコは作ってみたんデスけど、、不味すぎて、、」
蒼司「あ、、なるほど、、」
アテナ「で、でもでも!クッキーなら自信あるデス!絶対美味しくできたと思うデス!」
蒼司「わ、分かりました、、」
蒼司が紙袋の中からひとつクッキーを取り出す
蒼司「いただきます、、」
蒼司がクッキーを食べる
アテナ「、、、」
アテナは何故が緊張していた
蒼司「、、モグモグ、、んん!」
アテナ「?!」
蒼司「すっごい美味しいですよ!アテナさん!」
アテナ「そ、そうデスか?!」
アテナ「やったぁ!良かったデス!」
蒼司「クッキーの才能あるかもしれませんよ?これ」
アテナ「えへへ、、褒めてもクッキーしかないデスよ!」
蒼司「それで十分、、モグモグ、、ですね〜、、」
それから蒼司がひとつまたひとつ食べていく
それをアテナが物欲しそうな目で見つめる
アテナ「、、、、」
蒼司「、、い、いります?」
アテナ「へ?わ、私は大丈夫デス!蒼司さんのために作ったやつデスから!」
蒼司「そんなこと言わずに、一緒食べましょうよ。アテナさんが食べてくれたら僕も嬉しいんで」
アテナ「そ、蒼司さんが言うなら、、」
蒼司が1枚クッキーを渡す
アテナがクッキーを食べると
アテナ「モグモグ、、、んー!」
アテナ「おいひいデス!」
蒼司「うんうんおいひいおいひい、、」
アテナが蒼司の頬に着いているクッキーの粉に気づく
アテナ「もう、蒼司さん子どもみたいデスよ?」
アテナが粉を指でとる
蒼司「つ、ついてました?!」
アテナ「あははっ、何焦ってるんデスか?」
蒼司「い、いや、ちょっと恥ずかしくて、、へへ、、」
アテナ「もぅ、落ち着いて食べてくださいよ?」
蒼司「りょ、了解です!」
それから時間はたって
あどが帰ってきた
あど「いやぁ、早く食べないと、、」
花乃音「、、、」
あど「そういえば花乃音さん、なにか話すことあったんじゃ?」
花乃音「へ?あ、あぁ!それは、、あとで!」
あど「え?、、まぁ分かりました」
花乃音(ちゃんと渡したいから後ででいいよね。そうだ!お昼に渡そう)
それから昼休みになると
あど「お昼か、、花乃音さんお昼食べに行きましょ」
花乃音「うん!その前にさ、、」
花乃音がそう言いかけた時
あどの携帯がなった
あど「あれ、、姉さんからだ」
花乃音「へ?」
あど「すみません花乃音さん!先行っててください!」
花乃音「あ、、、うん」
あどが連絡を取り始めた
花乃音はあどに言われた通り先にいつもの店に行った
花乃音(どこで渡そう、、、)
それからあどが花乃音の元に来た
花乃音はもううどんを食べていた
あど「今日は忙しいっすね〜」
花乃音「それあどくんだけでしょ」
あど「確かに、、まぁいいや。武志さん!かけうどんひとつお願いします!」
武志「は〜い」
それから2人は昼飯を食べて会社に戻った
あど「ふう、、」
花乃音「あ、あどくん!!」
あど「うわぁっ、、なんですか?」
花乃音「渡したいこれ、、」
花乃音がまたそう言いかけた瞬間
部長があどに話しかけた
部長「あどくん、ちょっといいかね?」
あど「え?あ、はい大丈夫です」
あどと部長がどこかへ行ってしまった
花乃音「、、、はぁ?」
花乃音(タイミング悪いにも程があるでしょ!!!!)
10分ぐらいしてあどが帰ってきた
あど「ただいまでーす」
花乃音「あ、来た。何の話?」
あど「なんか外回りの件ですって」
花乃音「へぇー、、」
そんなことを話しているうちに昼休みが終わった
あど「よしっ。午後も頑張りますか、、、」
あどが仕事に取り掛かった
花乃音(あ、、、、渡すの忘れた、、、)
そして定時
あど「花乃音さん。そろそろ帰りましょうよ」
花乃音「だ、だね!」
花乃音(よーし、、どっかで渡すぞ、、)
2人が会社を出て帰路に着く
あど「やっぱ寒いっすね〜、、」
外は雪が降っていた
花乃音「だ、だねー、、」
花乃音(おかしいな、、わ、渡すだけだってのに、、緊張してくる、、)
あど「花乃音さんどうかしたんですか?そんなモジモジして」
花乃音「え?!そ、そうかなぁ?あはは、、」
あど「変な花乃音さん、、」
それからどんどん駅へと近づいていく
花乃音(い、今、今日渡さないと!)
信号の前で2人は止まる
あど「ここの信号変わるの長いんですよね〜、、」
花乃音が意を決してあどに話しかけた
花乃音「あ、あどくん!!」
あど「うわぁっ!びっくりした、、どうしたんすか?」
花乃音「そ、その、、こ、これ!!」
花乃音が小さな箱をあどに渡す
あど「ん?なんですかこれ」
花乃音「こ、これは、、」
花乃音が俯きながら言う
花乃音「ば、バレンタインの、、チョコ、、」
あど「バレンタイン、、ですか」
あど「そういや、今日バレンタインですもんね」
花乃音「う、うん、、」
あどが箱を開けてチョコをひとつ食べた
あど「ん!美味いですよこれ!」
花乃音「ほ、ほんと?!」
あど「花乃音さんの事だからちょっとあれなのかな〜って思いましたよ、はははっ」
花乃音「なっ、、なによそれ!」
あど「冗談ですよ冗談」
花乃音「むぅ、、、」
あど「んでこれって」
花乃音「?」
あど「本命ですか?義理ですか?」
あどが何も考えずにその言葉を言い放った
花乃音「ふぇ、、、?」
花乃音の顔が徐々に赤くなる
花乃音「なっ、、ま、また、、バカにして、、」
あど「いやいや、普通に気になって」
あどは決してふざけて言ってるようではなかった
花乃音「え、えと、、そ、それは、、」
花乃音が固唾を飲んであどに言った
花乃音「そのチョコは、、、」
あど「、、、」
しかしその時、大型トラックが横切った
花乃音の口が動いて見えるだけで、声はあどには聞こえなかった
あど「、、、え?なんて?」
花乃音「、、、もう言わないよ!!」
あど「ええ!!ちょっと今のなしですよ!」
花乃音「だーめ!1回しか言わないもん!」
あど「そんなぁ、、まいっか」
花乃音「え、、いいの?」
あど「はい。本命義理関係なく貰えたことが嬉しいっすからね」
花乃音「そ、、そう、、」
信号が切り替わる
あど「あ、青になりましたよ」
ふたりが信号を渡った
あど「にしても、ほんとに美味いっすねこれ!」
花乃音「そ、そう?えへへ、、」
花乃音「ホワイトデーはもっといいのお返ししてよね!」
あど「うわ、忘れてた、、」
花乃音「楽しみにしてるよ!」
あど「分かりましたよ、、花乃音さんの2倍、いや3倍美味しいの作りますから!」
花乃音「言ったなー?」
あど「言いましたよー!」
そう言い合って、2人は帰って行った
次回に続く
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