先輩日和 12話



新年初出勤の日


あどがいつも通り部署のドアを開ける


あど「おはようございまーす」


あどの席の隣には花乃音が座っていた


花乃音「おはよう!」


あど「おはようございます、、ってそうだそうだ」


花乃音「?」


あどがカバンの中から小さな封筒を取りだした


花乃音「なにそれ?」


あど「これ、、花乃音さんにお年玉です!」


あどが封筒を花乃音に渡す


花乃音「、、、はぁ?」


あど「この前渡し忘れちゃって、ははっ」


花乃音「私はお年玉を貰う年齢じゃなぁぁぁぁいっっ!!!」


あど「まぁまぁ、、」


花乃音「新年早々バカにして!」


花乃音がむぅっと頬をふくらませた


あど「はいはいぷにぷに〜」


あどがいつも通り頬を摘む


花乃音「んにゅ、、こりゃぁ!!」


あど「へへへ」


それから数分して


千尋「おっすおはよう!」


花乃音「おはよー」


千尋「あー花乃音、これ。ほらたつやも」


たつや「本当に大丈夫か?知らんぞ俺は、、、」


2人が花乃音に小さな封筒を渡した


花乃音「、、、、、」


花乃音の瞼がピクピクと動く


たつや「お、俺はお先に、、」


たつやが逃げるように自分の席に戻った


千尋「花乃音にはまだまだ必要だもんね〜?」


あど「あれま、、」


花乃音「むきぃぃぃぃぃっっ!!」


花乃音が席から立ち上がって千尋を


千尋「いつものね、、」


ポコポコと叩く


花乃音「もうこんなの貰う歳じゃない!!」


千尋「あははっ!冗談よ冗談。まぁ受け取ってよ」


花乃音「ふんっ!」


花乃音がそう言うと席に戻った


千尋「それじゃ!」


千尋も席に戻って行った


あど「花乃音さん良かったですね。お年玉沢山貰えて」


花乃音「皮肉?ねぇ?!」


あど「まぁまぁ、、」


それから数分して次は


アテナ「おはようデス!お二人方!」


花乃音「おはよう!」


蒼司「おはようございます、、」


アテナ「そうそう!花乃音さん!これあげるデス!」


花乃音「へ?」


アテナと蒼司がまた小さな封筒を花乃音に渡す


花乃音「、、、、、」


蒼司「ぼ、僕は千尋さんに指示されてやっただけですからね?!」


アテナ「私は素直に上げてみたかったデス!だって花乃音さんって」


蒼司「わっ、わーっ!わーーーっ!!い、行きますよアテナさん!」


蒼司がアテナを席に連れていった


あど「、、、はははっ、、さ、さすがにこれは、、」


花乃音「、、、、」


あど「そ、そうだ!中身見てみたらどうですか?」


花乃音「はっ、、そうだった」


花乃音が絶望の顔に光がさした


花乃音「あどくんのは、、、おお!7000円!」


あど「奮発したんですよ〜?」


花乃音「千尋は、、、100円、、」


花乃音が付属の手紙を読む


花乃音「これで牛乳買おう、、、」


あど「、、、、、」


花乃音が無言で紙を握りつぶした


花乃音「たつやくんのは、、うん、5000円、、なかなか、、」


花乃音「蒼司くんのは、、、おわっ、8000円、、」


あど「ひょえー、、すごいなぁ」


花乃音「ラストアテナちゃん、、、ふぇ?!」


あど「な、何円でした?!」


花乃音「い、、い、、」


花乃音「2万円、、、」


あど「1万円じゃないんですねって2万円?!」


花乃音「、、、、むふふ」


あど「、、、?」


花乃音「何に使おうかなぁ、、」


あど(早速機嫌治ってる、、、現金だなぁ)


それから数日後


アテナと蒼司が昼休み会社で話していた


アテナ「蒼司さんって初夢何見ました?」


蒼司「初夢?、、初夢かぁ、、うーん、、」


蒼司「だだっ広い学校を歩き回る夢を見たような、、」


アテナ「反応に困る夢デスね、、」


蒼司「バッサリ言ってくれた方が助かりますよ、、、とほほ」


蒼司「そう言うアテナさんは何を見たんですか?」


アテナ「私はぁ、、、たしか」


アテナ「男の人と、色んな所を旅する夢を見ました!」


蒼司「男の人、、、」


アテナ「はい!その人といるとすっごい楽しくて!どこ行っても楽しかったデス!」


蒼司「へ、へー、、、」


蒼司がどこが残念そうな顔をしている


アテナ「確かその人、、蒼司さんに似てました!!」


蒼司「えっ、ぼ、僕に?!」


アテナ「はい!絶対あれは蒼司さんデス!」


アテナ「蒼司さんとなら、どこ行っても楽しいデスからね!」


蒼司「そ、そっそそっそそ、そうですか、、」


アテナ「どうしたんデスか?そんなに慌てて、、」


蒼司「そ、そんなことないですよ!!ほ、ほらほら!お昼食べに行きましょ?!」


アテナ「お、いいデスね!行きましょう!」


アテナが颯爽と歩き出した


蒼司「ほっ、、、」


蒼司(まさかアテナさんの夢に俺が出てくるなんて、、、ラッキー!)


そしてその日の夜


あどは家にいた


あど「今日も降ってるな〜」


コネ「みゃあ!」


あど「ん?コネも雪見たいか?」


コネ「んみぃ!」


あど「でも雪見るだけじゃつまらないしなぁ、、、そうだ雪だるま作ろう」


あどがコネを連れてベランダのドアを開ける


氷点下の冷気が部屋に入り込む


1人と一匹が震える


コネ「んんみいいっ、、」


あどが「さぶっ、、」


コネは寒さになれたのかベランダに出た


コネ「みゃあ!」


あど「お〜やるなぁコネ。なら、俺も行くぞ〜」


あども上着を羽織ってベランダに出た


あど「さんむっ、、」


あどがベランダに積もっている雪を取る


あど「ほら!コネ雪だぞ!」


コネ「、、、んみゃあー!」


コネが口を開けて雪を食べようとする


あどが食べられる前に雪を持っている腕を上げる


あど「あぶないあぶない、、コネ、雪は食べちゃダメだぞ〜」


コネ「んみゃ」


それからあどは小さい雪だるまをつくった


あど「完成!」


高さはコネぐらいだった


コネ「みゃあぁ、、、」


あど「我ながらいい出来栄え、ツルツルに丸められていて、、、」


あどがそう語った時


コネ「んみゃぁ!!!」


コネが猫パンチを雪だるまにお見舞した


あど「あ、、、、」


コネ「んみゃ!」


あど「、、、ははっ、コネはほんとに元気だよなぁ〜」


あどとコネは雪を堪能して、暖かい部屋に戻った


それからある日


アテナが1人で帰っていると


アテナ「あっしたっはっ休み〜」


アテナが道端に置かれているダンボールに気づいた


アテナ「ん、、?」


よくそのダンボールを見てみると


アテナ「あれ?!」


ダンボールの中に猫が入っていた


猫「にゃあ、、」


アテナ「あれま、、これが捨て猫ってやつデスかぁ、、」


猫は灰色の毛だった。かなり汚れていた


アテナ「ひどいなぁ、、誰が捨てたんでしょ、、!」


猫「んにゃ、、」


猫がアテナの目を見つめる


アテナ「ん〜、、このまま放って置けるわけないデスよねぇ、、よし!」


アテナがダンボールを持ち上げる


アテナ「私が責任を持って飼ってあげるデス!」


猫「にゃあ、、!」


それからアテナは自宅に戻る


アテナ「ええっと、、野良猫の育て方、、」


アテナが色々調べると


アテナ「んん、、、めんどくさいデス、、」


アテナ「けど!猫ちゃんのため!」


アテナ「まずは、、体を洗ってあげないとデスね」


アテナは風呂場に猫を持って行った


シャワーのお湯が猫に当たると


猫「にゃ、、、」


アテナ「あれ?猫って水怖がるんじゃ、、」


猫は怖がるどころか穏やかな顔になっていた


アテナ「ふむ、、まぁいいデス。気持ちいいなら良かったデス!!」


アテナが猫の全身を綺麗にして風呂から出る


アテナ「あとは乾かすだけデスね、、」


それから20分ぐらいかけて猫の毛が乾く


アテナ「はぁぁぁ疲れたデスー、、」


猫「にゃぁ、、」


アテナ「、、、あぁっ!!」


アテナ「ご飯!ご飯忘れてたデス!!」


アテナが爆速でキャットフードを買いに行った。ついでに猫用のトイレも


アテナ「ぜぇ、、はぁ、、疲れたデス、、明日休みじゃなかったら死んでました、、」


何とか家に帰ってきたアテナが猫にご飯をやる


猫「、、、、」


アテナ「食べるデスよ!美味しいデス!」


猫が恐る恐る食べ始める


猫「んにゃ、、むぐ、、んぐ、、」


アテナ「美味しそうに食べますね〜、、、」


アテナ「、、、そうだ、名前どうしましょう、、、んー、、」


アテナ「ねこ、、、ねこだから、、んー、、」


アテナが考えている時、猫がご飯を完食する


猫「にゃあ!!」


アテナ「、、にゃあ、、?」


アテナ「にゃあ、、にゃ、、にや、、にや、、、」


アテナ「ニア!!!」


アテナ「決まりデス!!これからあなたはニア!ニアデス!!」


この猫の名前はニアになった


ニア「にゃあ、、?」


アテナ「これからずっと可愛がって上げるデス!」


アテナがニアを優しく撫でる


ニア「にゃあ、、、」


あたらしい家族が加わったアテナであった


またとある日


花乃音とあどがいつも通り帰宅している時


花乃音「んん?」


花乃音が商店街で何かを見る


あど「どうしました?」


花乃音「ほら、、あれ」


あど「んー?」


あどが花乃音の指さす方向を見ると


あど「あれは、、福袋?」


花乃音「福袋、、福袋!」


花乃音「買ってみようよ!!」


あど「え、、えぇ?、、まぁいいですけど、ろくなの入ってないと思いますけど」


花乃音「いいのいいの!何が入ってるのが分からないから楽しいんだから!」


花乃音が横断歩道を渡って商店街に入っていく


あど「あ、待ってくださいよー!」


2人が福袋が売ってある場所に並ぶ


あど「ひと袋1000円、、」


花乃音「この1000円で夢を掴めるなら安いもの!買った!」


店主「まいど!」


2人が福袋を買い、商店街を出て袋を開けてみると


あど「、、、にんじん、、?イヤホン、、じゃがいも、、?、、おお!商店街割引券、5000円分!お得!」


花乃音「わたしは、、、おわっ!」


花乃音が福袋から出したものは、巨大なまん丸とした猫の枕だった


花乃音「うはぁぁ!!!可愛い!」


はしゃぐ花乃音を見つめるあど


花乃音がその目線に気づくと


花乃音「え、えっと、、ま、まぁまぁかな?!こういうのそんな好きじゃないし?!」


花乃音「お、置物程度かな〜?」


あど「、、、ふっ」


花乃音「鼻で笑うなぁ!!!!」


あど「あっはっはっ!」


あど「大切にするんですよ〜その猫ちゃん」


花乃音「むぅ、、わ、わかってるし!!」


あど「ていうか、、それ以外入ってないんですか?」


花乃音「たしかに、、、」


花乃音が中身を確認する


花乃音「、、、こ、これだけ、、」


あど「それはお得なのか、、」


花乃音「ま、まぁいいかな?!うん!」


花乃音「ちょうど枕欲しかったし!」


あど「そうですか、、、」


花乃音「信じてよぉ!!」


そして2人は帰路に着いた


次回に続く

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