先輩日和 11話
とある年越しの朝
あど「ぐぅ〜〜、、、」
時刻は7時、あどはぐっすり眠っていた
その時コネが枕元に来ると
コネ「みゃ、みゃ!」
あど「ん、、、んん?」
あど(あぁ、朝か、、)
あどがコネの鳴き声で起きる
あど「ふわぁ〜あ、、、おはよう、コネ」
片手でコネ撫でるあど
コネ「みぃ!」
あど「、、、あ、そういえば年越しか」
あどがそんなことを呟きながらベッドから起き上がる
ふと、外の景色を見ると
あど「おお〜、、積もってるなぁ、、」
外は雪が積もっており、1面銀世界となっていた。あどの住む部屋は8階のため、外の景色がかなり見える
あどが外の景色を見ていると、スマホの通知がなった
あど「ん?」
あどがメールを確認すると、送り主は千尋だった
メール「あけましておめでとう!今年もよろしくね!唐突なんだけどさ!みんなで初詣に行かない?アテナちゃんたちも呼んだからさ!6人で行こうよ!」
あど「初詣かぁ、、、」
コネ「みゃ?」
あどはとりあえず行くことにした
あど(待ち合わせ場所は5駅先の神社があるところか、、)
あどは準備を進めた
その頃花乃音は
花乃音「くかぁ〜、、むにゃむにゃ、、」
花乃音「子供扱い、、するなぁ、、」
花乃音が気持ちよさそうに眠っていると、スマホから着信音が鳴った
花乃音「んむっ、、、んん?」
花乃音が着信音で目を覚まし、電話に出る
花乃音「ふぁい、、もひもひ、、」
千尋「あ!やっと起きた!」
花乃音「あれ、、千尋?」
千尋「もう今まで寝てたでしょ!」
花乃音「うん、、寝てた、、ふわぁ〜あ、、」
千尋「はぁ、、とりあえず、あけましておめでとう!」
花乃音「へ、、?あけましておめでとう、、?」
千尋「うん。年開けたからね?」
花乃音「、、あぁ、、そっか」
千尋「あんた寝ぼけすぎ、、」
千尋「とりあえず!今日、初詣に行くよ!」
花乃音「え?初詣?」
千尋「うん!みんな来るから花乃音も準備してきてね!詳しくはメールに書いといたから!」
花乃音「いや、、行くと決まったわけじゃ」
千尋「え〜?、、、あどくんも来るのに?」
花乃音「なっ!な、なんであどくんが出てくるのよ!」
その言葉で花乃音が目を覚ます
千尋「さぁね?とりあえず早く来てね〜!」
花乃音「あ!こら待て!!」
無情にも通話は切れる
花乃音「むぅ、、新年からバカにされた!」
花乃音(はぁ、、とりあえず準備しないと、、)
花乃音も渋々準備をした
それから30分ぐらいしてあどは駅に着く
あど(結構余裕もてたな〜、、ん?)
あどは駅に向かうある小さな人影を見つける。そう、それはいつも見ている花乃音だった
あどが声をかける
あど「花乃音さーん!」
花乃音があどに気づくとこちらによってきた
花乃音「おはようあどくん。あ、ここにいるってことは、、」
あど「はい。千尋さんに誘われて」
花乃音「やっぱりかぁ、、もう、お正月ぐらい休みたいよ!」
あど「あはは、それもありますけど、お正月ですからねぇ」
花乃音「まぁ、約束しちゃったし、行こっか」
あど「ですね」
2人は駅に入り電車に乗る
花乃音は子供のように目を輝かせて電車の窓の外を見ていた
花乃音「、、、、」
あど(そういえば花乃音さん雪好きって言ってたな、、)
数分電車に揺られて、目的の駅に着き、2人は降りる
駅を出て千尋の指定する神社がに向かった
花乃音「久しぶりだな〜この街に来るの」
あど「前にも来たことがあるんですか?」
花乃音「うん、結構前にね」
神社に向かって歩き始めるふたり
あど「それにしても結構積もりましたよね」
花乃音「うん!雪が積もってるっていいよね〜」
花乃音「私今日の朝ベランダにある雪で雪だるま作ったんだよ!」
あど「ゆ、雪だるまですか、、」
花乃音「うん!」
子供みたいに自慢する花乃音。本人は誇らしく思っているようだ
あど「花乃音さんって雪に関係することになると、急に心も子供になりますよね」
花乃音「は、はぁ?!そんな事ないから!ってか、、」
花乃音「心もってなによ!!体は大人だから!!」
あど「ほんとですか〜?」
花乃音「むぅ、、、」
花乃音が足を止めて地面の雪をすくう
あど「?」
花乃音が雪を丸めると
花乃音「ほりゃ!!!」
あどに向かって雪玉を投げる
あど「うわっと!」
あどが間一髪避ける
花乃音「あー!避けるなぁ!!」
あど「まぁまぁ、落ち着いてください、後でいっぱい避けてあげますから」
花乃音「なっ、、、ふんっ!!後で覚えといてね!」
あど「はいはい」
2人はまた足を進め、神社に到着した
2人が境内に入ると、千尋とたつやがいた
花乃音「お〜い!千尋ー!」
千尋「ん、やっときたか」
たつや「あけおめ〜あど」
あど「おう、あけおめ〜」
花乃音「そういえば、アテナちゃんたちは?」
千尋「あ〜、、それなら、あそこ」
千尋が境内の奥を指さす
花乃音「ん、、なにあれ?」
奥ではアテナと蒼司、それと巫女が雪だるまを作っていた
あど「2人だけなら分かりますけど、、なんで巫女さんまで?」
千尋「さぁ?一緒に作りたかったんじゃない?あの巫女さん、2人の事見てる時目を輝かせてたしね」
あど「は、はぁ、、」
そのアテナ達はというと
アテナ「まだまだ大きくしますよ!」
蒼司「ま、まだするんですか、、?」
巫女「もっと大きなの作りましょう!!」
蒼司「なんで巫女さんはそんなにやる気があるんですか、、」
アテナ「もっとおっきくするデス!!」
そしてあどたち4人がアテナ達の元に行った
あど「で、でっか、、」
花乃音「ひぇ、、、」
完成した雪だるまは3mはあった
千尋「うひょー!花乃音が霞んで見えそう!」
花乃音「あぁ?!」
蒼司「ぜぇ、、ぜぇ、、」
蒼司は疲れて地面に腰を着いていた
たつや「おいおい大丈夫か?」
蒼司「なんとか、、」
巫女「うはー!凄いですね!!」
アテナ「はい!頑張ったかいがあったデス!!」
アテナ「あ!そうだ」
アテナが改まって、あど達に挨拶をした
アテナ「あけましておめでとうございますデス!」
千尋「おお、これはご丁寧に」
花乃音「あけましておめでとう!」
あど「今年もよろしくお願いしま〜す」
蒼司「あ、あけましておめでとうございます、、」
千尋「お、おう、、あけおめ、、」
6人は切り替えて、祈願をしに祈りに行く
アテナ「私たちから行くデス!」
蒼司「え?僕も?」
アテナ「もちろんデスよ!ほら!」
2人がお賽銭をして、手を胸の前で合わせ、願い事をする
アテナ(蒼司さんとずっと一緒にいられますように、、、)
蒼司(アテナさんの近くに入れますように、、、)
2人は願い事が終わると目を開ける
蒼司「よし、、」
アテナ「蒼司さんは何を願ったんデスか?」
蒼司「え、、ぼ、僕は、、あ、安全祈願、、ですかね?」
アテナ「安全祈願デスかぁ、、うん!蒼司さんには怪我して貰いたくないデスから、ちょうどいいデスね!」
蒼司「そ、そうですか、、へへ」
蒼司「アテナさんはどんな願い事を?」
アテナ「私は、、えーと、、秘密デス!」
蒼司「え〜、気になるなぁ、、」
アテナ「ん〜、、でも!もう願い事は叶ってるかもデスね!」
蒼司「え?それってどういう、、」
アテナ「細かいことはいいんデス!さぁ!次は千尋さん達デスか?」
千尋「うん!今行く〜」
アテナたちが拝殿から降りる
千尋「ほらたつや、行くわよ〜」
たつや「ん、分かった」
次はふたりが拝殿に上り、お賽銭をして手を合わせ、願う
千尋(たつやが健康で居られますように、、)
たつや(千尋が幸運で居られますように、、)
千尋「よし!完璧ね」
たつや「俺もだ」
千尋「あんた何願ったの?って、教えてくれるわけ、、」
たつや「俺か?俺は千尋が幸運で居られるようにって願ったぞ」
千尋「へ、、へっ?!」
たつや「ん?どうかしたか?」
千尋「ば、バカ、、わ、私のために、、願うなんて、勿体ないじゃん!」
たつや「そうか?俺は願いたいことを願っただけだからな」
千尋の頬が赤く染る
たつや「ん?どうした?暑いのか?」
千尋「ち、違う!!は、はい次!花乃音!!」
花乃音がニヤニヤしながら千尋を見つめていた
千尋「っ、、!」
花乃音「は〜い。次は私ね〜、、ふふ、、」
千尋「むぅぅ、、!」
あど「やれやれ、、」
そして最後は花乃音とあどが拝殿にあがり、お賽銭をして、手を合わせ願い事をした
花乃音「、、、、、」
花乃音(身長が伸びますように身長が伸びますように身長が伸びますように身長が伸びますように)
あど(、、、花乃音さんの身長が伸びますように、、)
2人が祈り終わると、目を開ける
あど(まぁ、これでいっか)
あど「花乃音さん何願いました?」
花乃音「ふぇっ!?わ、私、、はぁ、、えと、、」
あど「、、当てましょうか?」
花乃音「む、無理無理!当てられないよ!」
あど「、、、身長を伸ばしたい、、ですよね?」
花乃音「っっっ!!!!」
花乃音がバレたか、という顔になる
あど「だと思いました、、」
花乃音「う、うるさぁい!!私の願い事なんだからケチつけるなぁ!!」
あど「つけてないですから、、」
千尋がニヤつきながら言った
千尋「伸びるといいね〜身長」
花乃音「う、うるさい!!」
千尋「まぁ、神様でも難しそうだけどね〜、、にひひ」
花乃音「むぅぅ、、!!」
たつや「やれやれ、、」
そして一行はおみくじを引きに行った
千尋と花乃音はアテナたちを呼びに行く
千尋「アテナちゃーん、、って」
花乃音「雪合戦、、だよね」
蒼司「そりゃ!とりゃ!!」
巫女「それぇ!」
アテナ「よっ!ほっ!はぁ!」
アテナは巫女と蒼司の投げる雪玉を軽々しく避けていた
千尋「う、うっそぉ、、」
アテナが両手に雪玉を握る
アテナ「それ!!!」
同時に雪玉を投げると
蒼司「ぼふっ!」
巫女「ふぎゃっ!」
2人の顔にヒットする
アテナ「やったぁ!勝ちデス!」
蒼司「つ、強すぎますって、、」
巫女「何者なんですかぁ〜、、」
千尋たちがアテナたちに声をかける
千尋「す、すっごいねアテナちゃん、、」
アテナ「あ!千尋さん!千尋さんたちもやります?雪合戦!」
花乃音「遠慮します、、」
千尋「私も、、って、そうだ、おみくじ引こうよ!」
アテナ「おみくじ、、おみくじ!引いてみたいデス!!」
アテナ「2人も引きましょうよ!」
巫女「わ、私もいいんですか?」
蒼司「アテナさんがそう言うなら、大丈夫ですよ」
巫女「わぁーい!」
花乃音(子供みたいな巫女さん、、)
そして巫女を含めた5人があどとたつやの元に来る
アテナ「皆さんでおみくじ引くデス!」
まずは、アテナと蒼司、そして巫女が引く
巫女「何が出るかな〜♪」
蒼司「ん〜、、これ!」
アテナ「これデス!」
3人が引いたくじを見ると
アテナ「やったぁ!大吉デス!!」
巫女「アテナさんも?!私も大吉!!」
アテナ「奇跡デス!!」
蒼司「、、、」
蒼司「僕は、、小吉、、」
アテナ「、、、え、えと、、」
巫女「うん、、、」
アテナ「しょ、小吉でも!全然大丈夫デスよ!蒼司さんはくじで全てが決まるような人じゃありませんから!」
巫女「そ、そうですよ!いいこと言いました!アテナさん!」
蒼司「う、うぅ、、優しぃ、、」
蒼司は涙目になりながら幸せを噛み締めていた
千尋「た、楽しそうね、、」
たつや「大吉2枚引きか〜、、すげー」
千尋「まっ!私もサクッと大吉引いちゃうからね!」
たつや「、、、」
そして千尋たちがくじを引く
たつや「俺は、、お!中吉、なかなかだな」
千尋「、、、中吉」
たつや「なんだお前もか、てかなんでそんなに残念そうなんだ?」
千尋「だって中途半端じゃない!中吉来るなら大吉が欲しかった!!」
たつや「そんな子供みたいに駄々こねても、、」
千尋「はぁ、、まっ、いっか。べつに悪いってわけじゃないからね」
たつや「相変わらずの切りかえっぷりだな、、」
千尋が花乃音たちの方を見て言う
千尋「おーい!次は花乃音たちよ!」
花乃音「分かってるよ〜」
花乃音とあどがくじを一斉に引く
あど「さてさて、、、お!やったぁ!大吉!」
花乃音「お!凄いじゃん!なら、私も大吉かな〜」
花乃音がくじをウキウキで見ると
花乃音「、、、、は?」
あど「ん?どうしました?」
花乃音が涙目であどを見つめる
あど「、、、まさか」
あどが花乃音のくじを見ると
あど「き、、、凶?!」
花乃音「なんでよぉぉ!!!」
あど「あれま、、」
花乃音「うぅ、、今年はいい事ないのかなぁ、、」
花乃音がそんなことを思いながらくじの内容を見る
花乃音「今年のあなたの運勢は凶、、困難に直面するかもしれませんが、、、」
花乃音はそれ以降の文は口にしなかった
花乃音(その困難を乗り越えるためには、あなたの想う大切な人と一緒にいることです、、?!)
あど「?どうしたんですか?急に顔色変わりましたけど」
花乃音「ふぇっ?!な、なんでもないよ!!」
その時千尋とたつやがやってくる
千尋「おー花乃音、結果どうだった?」
花乃音「んー、、凶!」
千尋「凶?!、、てかなんでそんなに嬉しそうなのよ、、」
花乃音「そ、そんな事ないよ!、、へへ」
あど「、、、へんな花乃音さん」
べつに凶でもいいかなと思う花乃音だった
それからアテナと蒼司も4人の元に来る
アテナ「みなさーん!何か食べませんか?ここら辺美味しいお店があるらしいデスよ!」
花乃音「え?!ほんと?!なら行こ!早速行こう!」
千尋「凶引いたってのに、、元気ね」
花乃音「もう凶も大吉も関係ないよ!全ては自分次第!!」
花乃音があどを見上げて言う
花乃音「ほら!あどくんも一緒に行こ!」
あど「、、もちろん、ご一緒に」
そしてアテナが先陣切ってその店へとかけ出す
アテナ「蒼司さーん!早く!」
蒼司「い、今行きます!!」
千尋「ちょうどお腹も減ったし、行こっか」
たつや「おう!なんの店なんだろうなぁ、、」
4人が神社から離れる
あど「元気っすねー」
花乃音「うん!私もあれくらい元気にならないとね!」
あど「、、やけに元気になりましたね」
花乃音「えっ?そ、そうかなぁ?」
あど「あのくじに何が書いてあったんですか?」
花乃音「べ、別に大したことないよ!!」
あど「そうですか?」
花乃音「うん!そんなくじなんていいから!一緒に行こ!」
あど「了解です、、」
花乃音とあどは意気揚々と4人の元に行った
こうしていつもの6人のお正月が終わった。いい年になることを願おう
次回に続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます