先輩日和 10話 前編
時期は12月の下旬、あと少ししたらクリスマスだった
会社帰りの花乃音とあどたちは駅まで歩いていた
あど「この通りの木、すごい装飾ですね〜」
花乃音「だね〜、ライトアップもするらしいよ!」
あど「ほ〜それは綺麗ですね、、ゆきなんか降ったりしたらすごい綺麗ですよ」
花乃音「だね〜、、、」
花乃音は先程からなにか言いたそうにもじもじしている
あど「花乃音さんどうしました?寒いですか?」
花乃音「あっ、えと、、そういう事じゃなくて、、」
花乃音(だ、大丈夫、、誘うだけだから、、別に失敗してもいつも通りのクリスマスだし、、)
花乃音はあどにクリスマス一緒に過ごさないかと誘おうとしていたのだ
花乃音「そ、そのっ、、こ、今度のクリスマス、、さ」
あど「はい」
花乃音「い、一緒に、、えと」
あど「?」
花乃音「い、一緒に、、」
花乃音「何かしない?!」
あど「、、、、?」
花乃音(な、何かしないってなによ!!)
花乃音(あ〜終わったぁ、、)
花乃音が諦めかけたその時
あど「いいですね〜。クリスマスだいたいコネと一緒に過ごしてたから、たまには人と過ごすのもいいですね」
花乃音「え、、てことは」
あど「いいですよ。なにかしましょうか」
花乃音「、、、うん!」
花乃音はその日からクリスマスが来るのを今か今かと待っていた
その頃千尋とたつやは、公園のベンチに座っていた
千尋「クリスマスかぁ、、」
たつや「もうそんな時期か、、早いなぁ」
千尋「たつやはさ、何か用事とかあるの?」
たつや「用事?クリスマスはいつもひとりだしなぁ、特にないよ」
千尋「あははっ、だと思いました〜」
たつや「、、、そういう千尋はどうなんだ?」
千尋「わ、わたしは、、えーと、、」
千尋「あはは、、、わたしもない、、」
たつや「人のこと言えないじゃないか、、はぁ」
千尋「う、うるさい!」
たつや「じゃあさ、お互い暇同士なんだしクリスマス一緒に過ごさないか?」
千尋「えっ、、あ、あんたと、、私、、2人っきり?」
たつや「おう」
千尋「あっ、、えっ、、」
たつや「どうした?顔赤いぞ」
千尋「ばっ、バカじゃないの?!あ、赤くなんかない!!」
たつや「そうか?目も泳いでるし、、」
千尋「う、うっさい!みるなぁ!」
たつや「???」
たつや「とりあえず、クリスマス一緒に過ごすか?嫌ならいいんだけど」
千尋「、、、し、仕方ないなぁ、、」
千尋「ま、まぁ?私も暇だし、、あ、あんたがそこまで私といたいんなら、、い、いいわよ!」
たつや「やり〜。じゃあ今度のクリスマス、俺ん家でな!」
千尋「あ、あんたの家、、で?」
たつや「当たり前だろ?寒い中外にいたら死んじまう」
千尋「わ、わかった、、」
千尋は心の中でめちゃくちゃ喜んでいた
そしてまたその頃アテナと蒼司は会社にいた
アテナ「日本でのクリスマスは初めてデス!」
蒼司「そういえばそうですよね」
アテナ「はい!楽しみデス!あ、そうそう!私のお父さん最近日本にきたじゃないデスか」
蒼司「あ〜、リアムさんか」
アテナ「はい!それでお父さんがケーキ屋さんを開いたんデス!」
蒼司「け、ケーキ屋さん、、?」
アテナ「はい!お父さんはケーキ好きで日本でもケーキ屋をやってみたいってことで営業しているんデス」
蒼司「は、はぁ、、それまた意外な、、いや意外すぎる、、」
アテナ「先月にオープンしてて、数日で大人気になったらしいデス。忙しくて休めないけど、楽しいって言ってましたね」
蒼司「あのリアムさんが、、ケーキ屋さんねぇ、、」
アテナ「そこで私、クリスマスにお手伝いに行くことになったんデス」
蒼司「ケーキ屋さんにお手伝い、、アテナさんもケーキ作るんですか?」
アテナ「いえいえ!わたしは料理苦手デスので、お客さんにケーキを渡す手伝いをしてくれって頼まれたんデス」
蒼司「なるほど、たしかにリアムさん1人じゃ手に負えませんしね」
アテナ「そ!こ!で!蒼司さん!」
蒼司「な、なんですか?」
アテナ「蒼司さんにも手伝ってもらいます!」
蒼司「は、はい?!」
アテナ「私一人じゃやってても忙しいだけデスし、、蒼司さんと一緒なら楽しくなると思います!!」
蒼司「ぼ、僕と一緒なら、、ですか、、」
アテナ「はい!お願いします蒼司さん!」
蒼司(クリスマスは今まで通り暇、、けど今回はリアムさんの手伝いに加わったら、、アテナさんと一緒に居られる、、、願ってもないチャンス?!)
蒼司「も、もちろん!是非手伝わせてください!」
アテナ「ありがとうございますデス!じゃあクリスマスの日にケーキ屋さんに来てくださいね!」
蒼司「分かりました!」
蒼司はまだ知らない。この後、クリスマスに激務が待っていることを
そしてあっと今にひがたって、クリスマスになった
午後5時、花乃音はあどの家に向かっていた
花乃音(う〜んちゃんと作れるかなぁ、、、)
花乃音(ここで恥ずかしいところ見せたらまた舐められちゃうから、先輩としての実力を見せてあげないと!)
花乃音は何かが入った手提げ袋を片手に、あどの住むマンションの部屋に行った
インターホンを押すとコネを抱いたあどが出てきた
あど「こんにちは花乃音さん、それで材料は?」
花乃音「ちゃんとあるよ!」
コネ「みゃ!」
花乃音「おぉ〜コネ〜久しぶりだなぁ」
あど「外も寒いんで、入ってください」
花乃音「うん、お邪魔します」
花乃音があどの部屋に入り、ドアを閉めた
リビングに向かうと、花乃音は手提げ袋の中身をテーブルの上に出した
花乃音「これだけあれば十分だよね!」
あど「生クリームに、いちご、、牛乳、、はい!大丈夫そうですよ」
この材料から見てわかるに、2人はケーキを作ろうとしていた
花乃音「ささ!早く作ろ!」
あど「分かってますよ、じゃあ、台所に持っていきますね」
2人は材料をもって、台所に入った
花乃音「今日のためにちゃんと調べたからね!」
あど「お、準備満タンですね〜」
花乃音「ふふんっ♪お店よりも美味しいの作るぞ!」
そして2人はケーキ作りを始めた
その頃たつやは1人公園のベンチにいた
たつや「寒いなぁ、、今日雪降るとか言ってたけど、、」
たつやは千尋と待ち合わせをしていた
そして千尋の声が聞こえた
千尋「たつやー!」
たつや「ん、やっと来たか」
2人が合流した
千尋「お待たせ〜」
たつや「おう、、、」
千尋「ん?どうかした?」
たつや「あぁ、いや、、いつもと服装違うな〜って思って」
千尋「あ、あぁ!これね、、ま、まぁ、、気分転換?って感じ!」
たつや「気分転換?」
千尋「ふ、深く考えなくていいの!」
たつや「そうか、、まぁ、いいやとりあえず行こうぜ」
千尋「う、うん、、」
その時千尋が小声で
千尋「、、たつやと、、2人きりのクリスマスだから、、この服にしたんだけどね、、」
たつや「ん?なんか言ったか?」
千尋「い、いやいや?!なんも言ってないよ!!」
たつや「?お前なんか変だぞ〜今日」
千尋「ふ、普通です!早く行くよ!」
たつや「わかった、、」
それからアテナたちはというと
リアムのケーキ屋にいた
リアム「蒼司くんまで手伝ってもらえるなんてありがたいデース」
蒼司「そ、そんなそんな、、ははっ、、」
蒼司はリアムの格好を見て驚愕していた
リアムはケーキ屋には合わないラーメン屋のような服装をしていたからだ
蒼司(いやもうちょっと可愛い服装、、いや可愛い服装はおかしいか、、)
リアム「そうだ、アテナと蒼司くんにはスペシャルな衣装があるデース」
アテナ「え?衣装?」
リアム「ちょっと持ってくるデース」
リアムが奥の部屋に行って、しばらくして帰ってきた
リアム「これデース」
リアムが2人にみせた衣装は
蒼司「これって、、」
アテナ「サンタさん!!」
アテナにはスカート姿のサンタ、蒼司にはよく見るサンタの衣装が配られた
リアム「それに着替えてもらいたいデース」
蒼司「こ、これを着て、、?!」
アテナ「サンタさんの衣装着てみたかったデス!!」
蒼司(アテナさん乗り気、、、俺も着るしかないのかぁ、、)
リアム「じゃあ、クリスマスケーキは準備満タンデスので、それを着たから開店デース」
アテナと蒼司が衣装に着替えて、店が開店した
アテナ「よーっし!頑張りますよ!蒼司さん!!」
蒼司「が、頑張ります、、」
蒼司が軽く外の様子を見てみると
蒼司「、、、おいおいおいおい、、雪崩みたいな人の量が、、」
アテナ「?」
それから少し経って
花乃音たちはというと
花乃音「あと少しで焼けるねー」
あど「なんとかここまで来れましたね」
花乃音「まぁ、昨日は頑張って作り方覚えたからね!当然だよ!」
あど「とか言ってますけど、あたふたしてたのはどこの誰ですかね〜」
花乃音「なっ、、そ、それは、、ね?」
あど「どういうことっすか、、」
花乃音「と、とりあえず!ここまで出来たからいいの!!」
コネ「み、みゃあ、、」
花乃音「コネ!私ちゃんとしてたよね?!」
コネ「みぃ、、、」
コネはそんなことない、という目で花乃音を見る
花乃音「こ、コネまでぇ、、」
あど「まぁまぁ、、、」
それから数分して
花乃音「コネ〜クリスマスだね〜」
コネ「んみゃ!」
花乃音はソファに座ってコネと戯れていた
あど「よーし、、」
あどが後ろから花乃音に忍び寄る
あど「それ!」
あどは花乃音にサンタの帽子をかぶせた
花乃音「わっ?!」
あど「お!やっぱり似合うじゃないですか〜」
花乃音「か、勝手につけるなぁ!」
あど「いいじゃないですか、クリスマスですし!」
花乃音「むぅ、、仕方ないなぁ、、」
そしてまた数分して、焼いてたスポンジが完成する
花乃音「んー!いい匂い!」
あど「上手く出来て良かったですね」
花乃音「うん!早くデコレーションしよ!」
あど「まぁまぁ、その前にクリームを塗らないと、、」
2人はケーキをデコレーションし始めていた
そして千尋たちは、クリスマスケーキを買うべくとあるケーキ屋に並んでいた
千尋「寒いわね〜、、」
たつや「だなぁ、、」
千尋が寒そうに体を震わしていると
たつやが首に巻いていたマフラーを取る
たつや「ほら、マフラー使えよ」
千尋「え、、でもそれあんたのじゃ」
たつや「こんな日に風邪ひいたら嫌だろ?」
千尋「それは、、うん」
たつや「ほら、巻いてやるから」
千尋「そ、それぐらい自分で出来る!」
たつや「はぁ?お前昔っから巻くの苦手だったろ?」
千尋「い、今はできる!」
たつや「ほんとか〜?じゃあ巻いてみろよ」
千尋がマフラーを受け取って巻き始める
千尋「えっと、、こうして、、あれ?こ、こう?、、ん〜!!」
たつや「はははっ!!千尋ぐるぐる巻きになってるし、、!」
千尋「わ、笑うなぁ!」
たつや「まったく、ほら巻いてやるよ」
たつやが千尋が巻いたマフラーを解き、また巻き始める
たつや「昔と全く変わってないなぁお前は」
千尋「こ、これくらいどうでもいいでしょ!」
たつや「マフラー巻けない大人もどうかと思うけどな、、」
たつや「ほいっ、出来たぞ」
千尋「、、、、」
たつや「ありがとうもなしか〜?」
千尋が目線をずらして口元をマフラーでかくしながら礼を言う
千尋「あ、、、ありがと、、」
たつや「、、、お、おう、、」
たつやも何故か目線をずして少し焦っていた
千尋「あれ?たつやなに顔赤くしてんのよ」
たつや「な、何言ってんだよ!普通だろ!」
千尋「あれれ〜?もしかて照れてるの?」
たつや「あぁ、お前って隙あればつついてくるよなぁ、、」
千尋「にひ〜」
その頃アテナたちは
蒼司「クリスマスケーキが1点で1000円です」
アテナ「クリスマスケーキ2点デスね」
2人は客の雪崩に揉まれていた
蒼司(捌いても捌いてもまた来る!)
アテナ「2000円お預かりします!」
蒼司(アテナさん元気だなぁ、、)
蒼司は少しの間ぼーっとしてしまっていた
??「くん?、、じ、、くん?!」
蒼司「あっ!す、すみません!」
蒼司が客の方に目をやると
千尋「大丈夫?ってか何その服装、、」
蒼司「あぁ、千尋さんと、たつやですか、、話せば長くなるんで、また今度」
千尋「そ、そう、、」
千尋「えと、クリスマスケーキ1個お願い」
蒼司「かしこまりました、1点で1000円です」
アテナ「いらっしゃっせ〜!!」
たつや「アテナさん死ぬほど元気だな、、」
千尋「ね、なんか輝いて見えるわよ」
蒼司「ははは、こういうのが好きなのかもしれないですね、、」
千尋がお金を渡してケーキを受け取る
千尋「じゃ、頑張れよ〜マイケル」
蒼司「蒼司です!!お買い上げありがとうございましたっ!!」
2人が店を去っていった
それから30分ぐらいして
蒼司「お、お買い上げありがとうございました、、、」
1人の客が店を出て、客の雪崩は止まった
蒼司「あぁ〜つかれたぁあ、、」
アテナ「お疲れ様デス〜蒼司さん!」
蒼司「あ、アテナさん、、お疲れ様です」
アテナ「暑いデスし、外のベンチで涼みましょうよ」
蒼司「ですね、、」
2人が外に出て、ベンチに座る
アテナ「いやー楽しかったデスね!」
蒼司「楽しかったんですか?」
アテナ「もちろん!蒼司さんと一緒にお仕事出来ましたからね!」
蒼司「そ、そう、ですか、、」
アテナ「?蒼司さん顔赤いデスよ?」
蒼司「わっ、わぁぁぁ!気のせいです!!はい!!」
アテナ「どうしたんデス?そんなに焦って」
蒼司「あっ、焦ってなんか!」
その時アテナが蒼司の頬を人差し指でつつく
アテナ「ちょん」
蒼司「うひゃぁぁぁぁぁぁ!」
アテナ「あははっ!蒼司さん反応面白いデスね!」
蒼司「び、びっくりさせないでくださいよ!」
アテナ「これぐらいでびっくりしてちゃダメデスよ!漢なんデスから!」
蒼司「男でもびっくりする時はありますよ、、」
アテナ「ははっ、蒼司さんって可愛いんデスね」
蒼司「か、可愛い?、、」
アテナ「あら、また顔が赤く、、」
蒼司「な、なってないです!!」
2人がそう話していると
アテナ「冷たっ、、、ん?」
アテナが空を見上げる
アテナ「、、わぁ、、、!!」
クリスマスはまだまだ続く
後編へ続く
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