先輩日和 6話



時期は7月中旬。だんだん暑くなってきていた


その頃会社にて


千尋「もうすぐお祭りだね」


花乃音「お祭りかぁ、、、」


たつや「千尋は行くのか?」


千尋「当たり前でしょー?」


千尋「ってか2人も来てもらうよ」


花乃音「え?な、なんで私も、、」


千尋「あたし一人で行ったって面白くないじゃない」


たつや「まぁ俺はどっちでもいいけどよ、、」


千尋「とか言って本当は行きたかったんでしょ?」


たつや「う、うるさい!」


花乃音「あはは、、」


千尋「ま、とりあえず花乃音も来な」


花乃音「えぇ、、私はいいよ。暑いだろうし」


千尋「ふ〜ん、、、なら、3人で行くか」


花乃音「へ?3人?」


千尋「うん。私とたつやと、、」


千尋「あどくん」


花乃音「?!」


花乃音「そ、そのお祭り、、あどくんも、、行くの?」


千尋「うん。行くって言ってたよ」


千尋「まぁ花乃音は来れないっぽいし3人で行くか〜」


花乃音「ちょ、ちょっとまった!」


千尋「ん〜?」


花乃音が恥ずかしそうにこう言う


花乃音「さ、3人で行くなら、、わ、私も行こうかな〜、、なんて」


千尋がニヤニヤしながら聞く


千尋「え〜?どうして〜?暑いの嫌じゃないの〜?」


花乃音「うぐっ、、そ、それはぁ!」


千尋「誰かさんの名前言った途端態度変わった気がするぞ〜?」


花乃音「そ、そそ、そんなことないよ?!」


花乃音「き、気が変わったって言うか〜?そんな感じかな〜?」


千尋「はぁ、、」


たつや「やれやれ、、」


花乃音「な、なんだその反応は!!!」


その時あどが3人の元に来る


あど「3人ともなんの話ししてたんすか?」


千尋「今度お祭りやるじゃない?それ一緒に行こうって誘ってたの」


あど「あ〜あの大きな公園でやるやつか、、、」


千尋「あどくんもどうよ?行かない?」


花乃音「へ?なんでそれ聞くの?」


千尋「え?だってまだ誘ってなかったもん」


花乃音「は、はぁ?!」


花乃音「それどういうことよ!!」


あど「、、どうかしたんすか?」


千尋「いや?なにも」


花乃音が千尋の背中をポコポコ叩くが、千尋は無視して話す


千尋「花乃音とたつや、あと私も行くからさ、一緒に行こうよ」


あど「いいですよ。楽しそうですからね」


千尋「おっけ〜」


千尋が叩いている花乃音の両腕を掴んで言う


千尋「良かったね〜花乃音」


花乃音「うっ、、う、うるさい!!!」


あど「、、?」


たつや「気にすんな」


そして翌日。休みの日にて


あどの家にて


あど(明日も休みか〜、、んで明日祭り、、か)


あど(楽しみだなぁ、、)


その時あどに小さい物が寄ってくる


あど「おっ」


その正体は


あど「コネ〜」


コネ「みゃあ!」


猫だった。名前はコネ


あど「明日お祭りに行ってくるからな〜」


あどがコネを撫でる


コネ「みゃ!」


その頃千尋と花乃音は


千尋の家にいた


花乃音「ゆ、浴衣ぁ?」


千尋「うん!絶対花乃音に似合うやつ持ってるの」


花乃音「わ、私に似合うやつ?」


千尋が袋の中から浴衣を取り出す


千尋「ほらこれ!」


千尋が浴衣を床に広げる


花乃音「おおっ、、か、可愛い、、」


千尋「でしょ?絶対花乃音に似合うと思ってさ」


花乃音「で、でも私こういうの来たことないし、、」


千尋「まぁまぁそんなこと言わずに!」


千尋「1回着てみよ!」


花乃音「えぇ、、わ、分かったよ」


千尋がサポートしながら花乃音は浴衣を試着する


花乃音が鏡の前に立って写った自分を見る


花乃音「おおぉ、、これが、、浴衣、、」


千尋「それと、、ほれ」


千尋が花乃音の頭に何かを付けた


花乃音「ん?」


花乃音が鏡でそれを確認すると


花乃音「か、髪飾り、、?」


千尋「ふふん!このお花の髪飾り私が作ったんだぞ〜」


花乃音「ええっ?!嘘っ!」


花乃音がつけていた髪飾りは青い花をモチーフにしたものだった。パッと見高級店で売られているレベル


花乃音「ど、どうしてこんなの作れるの?」


千尋「私のおばあちゃんがこういうの好きでね。小さい頃に嫌ってほど教えられたんだ」


花乃音「へぇ、、、にしてもすごいな、、」


千尋「ふふっ、、」


千尋が小さく笑って花乃音に言う


千尋「あどくんに見せたらなんて言われるだろうね?」


花乃音「ふぇっ?!な、なんであどくんの名前が出てくるのよ!」


千尋「あははっ!わかりやすいなぁ」


千尋「本当は見せたくてうずうずしてるじゃ?」


花乃音が顔を赤らめて言い返す


花乃音「そ、そんなことないもん!べ、別に見せたいとかそういうの、、ないし、、」


千尋「、、、、」


千尋が無言で花乃音を見つめる。ニヤニヤして


花乃音「うっ、、、」


花乃音「ばかにするなぁぁぁ!!」


千尋「何も言ってないわよ、、、」


そして、待ちに待った翌日


あどとたつやは祭りの会場、大きな公園にいた


公園は都市の中心部分に位置していた


たつや「賑わってるな〜」


あど「だなぁ、、こんなの久々だ、、」


すると後ろからあどを呼ぶ声が聞こえる


あど「ん?」


あどが振り返ると


花乃音「あどく〜ん」


あど「か、花乃音さん?」


花乃音が来た。この前着た浴衣を着て


千尋も花乃音の後を追って来ていた。千尋も浴衣を着ていた


あど「その浴衣、、凄いっすね、、てか髪飾り、、どこのですか?」


花乃音「ふふん!これはね」


花乃音「千尋が作ったんだぞ!」


千尋「なんであんたが自慢げなのよ」


あど「千尋さんが?!」


あど「こ、これ、、そっちの道に進んだ方が?」


千尋「いやいや。私はこれが趣味みたいなもんだから」


たつやは千尋の浴衣を見ていた


それに千尋が気づく


千尋「お?私の浴衣そんなにいいのかぁ?」


たつや「い、いや、、別に」


千尋「とか言ってじっと見つめてたじゃないの!」


たつや「き、気になってただけだ!」


千尋「で?私どうよ!浴衣姿!」


たつや「は、はぁ?」


たつやが目を泳がせて言った


たつや「か、可愛いんじゃないか?」


千尋「へ?」


たつや「いや、、うん。普通に、、可愛い」


千尋「はっ、か、かわいっ、、え?」


どうやら千尋には予想外の答えだったらしい


たつや「どうした?そんなに動揺して」


千尋「は、はぁ?!馬鹿じゃないの?!そ、そんなことしてないし!」


花乃音が千尋の動揺を見てからかう


花乃音「あれ〜?千尋って結構可愛い1面もあるんだな〜」


千尋「こ、このっ、、」


花乃音「にひひ」


あど「、、、とりあえず行きましょうか、、」


千尋「そ、そうだね!ほら行こ!」


たつや「あいよ」


4人がお祭りの中に入っていく


周りには屋台が沢山あった


あど「お腹すきましたね」


花乃音「今ちょうど夕飯頃だもんね」


花乃音「何か食べよっか」


千尋「たこ焼きなんてどう?」


あど「いいっすね〜」


あど「あれ、、たつやがいない」


あどが周りを見渡すと


あど「あいつ、、もうなんか食ってますよ」


千尋「なに?!」


たつやが3人の元に戻ってくる


たつや「モグモグ」


千尋「あんた何先に食べてるのよ!」


たつや「へ?腹減ってたから」


花乃音「あはは、、無理もないね」


千尋「まったく、、こういうのはみんなで決めて、、」


たつや「千尋も食べるか?たこ焼き」


千尋「えっ、、」


千尋「で、でもそれたつやのじゃないの?」


たつや「いや俺他にも食いたいのとかあるし、少しやるよ」


千尋「、、、、」


千尋の顔がどこか嬉しそうな顔になる


千尋「し、仕方ないなぁ!食べてあげますよ!」


千尋がたこ焼きを1つ食べる


千尋「ムグムグ、、、んっ!」


千尋「おいひいってあっつ!」


たつや「そりゃお前焼きたてだからな」


千尋「な、なんであんた普通に食べられるのよ!」


たつや「熱いもの得意だから、、」


花乃音「千尋って熱いの苦手なんだね」


千尋「しょ、しょんなことなひっ!」


あど「ははは、、」


たつや「そんじゃ、どんどん回るか」


4人がまた足を動かす


あど「あ、焼きそばだ」


花乃音「焼きそば?」


あどが焼きそばの屋台を見つける


あど「買っていきましょ」


花乃音「おっけ!」


花乃音「千尋たちは?」


千尋「私たちはたこ焼き食べてるからいいよ」


たつや「俺も〜」


あどと花乃音が焼きそばを買う


花乃音「んん、、いい香り、、」


花乃音「これは点が高いね!」


あど「て、点?」


2人が焼きそばを食べる


花乃音「モグモグ、、ん!」


花乃音「んまぁっ!!」


あど「こりゃ美味しいな、、ムグムグ」


花乃音があどの焼きそばを見ると


花乃音「あれ?あどくんその目玉焼きなに?」


あど「これすか?トッピングっすよ」


花乃音「え、なにそれ!」


あど「花乃音さんトッピングしなかったんすか?」


花乃音「うん、、」


花乃音が物欲しそうな目で目玉焼きを見つめる


あど「、、、食います?」


花乃音「へっ?い、いや別にいいよ!」


あど「、、、」


あどが目玉焼きを半分に割って、その片方を花乃音の焼きそばの中に入れた


あど「はい」


花乃音「い、いい、、の?」


あど「そりゃだって、、そんな物欲しそうな目してたんで、、」


花乃音「そ、そんな目してないよ!」


千尋「してたぞー」


たつや「してましたよー」


後ろから2人の声が聞こえた


花乃音「うっさい!!」


そして数分して4人とも食べ終わり、また徘徊する


途中花乃音はりんご飴を買った


花乃音「憧れの、、りんご飴!」


花乃音「ペロペロ、、」


あど「花乃音さん。こっち向いて〜」


花乃音「ん?」


花乃音がりんご飴を舐めた状態であどの方を見る


写真のシャッター音が鳴り、花乃音を撮る


花乃音「あっ!こら!」


あど「久しぶりに撮れましたね〜」


千尋「あどくんそれ見せて見せて〜」


あど「いいっすよ」


あどが千尋にスマホを見せる


花乃音「み、見るなぁ!」


千尋「あははっ!可愛いなぁ〜!」


あど「花乃音さん舌出しっぱなしですよ」


花乃音「け、消せ消せ!」


その後4人は色々な屋台を回った


そして、最後の大イベント、花火


花乃音「もうすぐ打ち上がるらしいね」


4人が花火が見える所に行く


あど「花火なんて久々にみますね」


そして、ついに花火が打ち上がる


爆発音を轟かせ、綺麗な花が咲く


あど「おお、、」


千尋「綺麗だね〜、、」


たつや「たまや〜」


花乃音「、、、、、」


花乃音は花火に見とれていた


花乃音「綺麗だね、、」


あど「こういうのも、たまには悪くないっすね」


花乃音「うん、、」


花乃音「また来ようよ。みんなで」


千尋「、、、花乃音がそんなこと言うなんて」


あど「珍しいっすね」


花乃音「へ?こ、これは咄嗟に出た言葉で、、」


あど「分かってますよ。今度も行きたいっていうの、俺も同じっすから」


たつや「だな。またここで見れたらいいな」


千尋「今度来る時はみんなと行動するのよ?たつや」


たつや「わ、分かってるよ!」


あど「、、、花乃音さん」


花乃音「ん?」


花乃音があどの方をむくと、あどはカメラを構えていた


花乃音「うわっ!また撮る気か!」


あど「ほらピース」


花乃音「へ?」


千尋「へ?じゃないよ!私も映る!」


千尋「ほらたつやも!」


たつや「お、俺も?!」


千尋が強引にたつやを持ってくる


あど「なら、僕も映りますかね、、」


あどがカメラを内カメラにして自分も映らせる


あど「撮りますよ〜」


花乃音「よ、よし、、」


あど「はい、チーズ」


花火の爆発音と同時にシャッター音が鳴る


4人の姿の後ろには、特大の花火が映っていた


あど「よし、、やることもやったし、、」


花乃音「帰ろっか」


千尋「だねー」


たつや「今日は疲れたよ、、ふぅ」


千尋「あんた食ってばっかだもんね、、」


あど「食いすぎて眠いだけだな」


花乃音「はははっ」


花乃音「それじゃ、また来ようね!」


花乃音の提案に、3人は頷いた


今度の夏も楽しくなると思った花乃音であった


次回に続く

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