先輩日和 2話




あど「おはようございまーす、、って」


その日あどが会社に来ると


あど「珍しいっすね。花乃音さんがもう仕事してるなんて」


花乃音「そ、そう?」


あど「なにか急ぎのやつでもあるんですか?」


花乃音「そうなんだよねぇ、、明日の10時までに終わらせないとやばいんだよ」


あど「そりゃ大変ですね」


あど「どんぐらい終わったんです?」


花乃音「まだ半分も行ってなくてさ、、量多いのよこれ」


あど「ほぉ〜、、、」


あど「良かったら手伝いましょうか?」


花乃音「え?わ、悪いよ!これくらい自分でやるよ」


あど「そんなこと言わずに、間に合わなかったら大変じゃないですか?」


花乃音「、、、い、いいよ!」


あど「そうすか?大変だったら言ってくださいよ」


花乃音「大丈夫大丈夫!」


花乃音(わたしは先輩なんだから後輩のあどくんに手伝わせる訳には行かないよね、、)


そして花乃音はまた仕事に集中し始めた


あど(花乃音さんの仕事、、かなり大手企業からの仕事っぽいな)


昼になっても花乃音はパソコンとにらめっこしていた


花乃音「う〜ん、、どうするんだ?」


あど「花乃音さんお昼食べないんですか?」


花乃音「う、うん、、忙しいから、、」


あど「、、、そこは」


あどが花乃音のキーボードに触れる


あど「こうして、、こうしたら出来ますよ」


花乃音「え、、は?」


あど「あ、もう1回教えましょうか?」


花乃音「い、いいよ!私一人でやるから!」


花乃音が手であどを払う


あど「おおっ、、だ、大丈夫なんですか?」


花乃音「大丈夫!!」


あど「わ、わかりました、、」


あどが昼食を食べにいつものうどん屋に行く


武志「あら、花乃音ちゃんは?」


あど「なにやら仕事が忙しくてご飯食べる時間もないみたいです」


武志「あら、、それはだめね。ちゃんとお昼は食べないと、、」


あど「手伝おうとしてもあしらわれますし、、」


武志「まぁあの子は気の強い子だからねぇ、、仕方ないのかも」


あど「ですよね、、」


昼食を食べ終え会社に戻った


花乃音は相変わらず仕事をしていた


あど「、、はぁ」


あど「花乃音さん、、おにぎりぐらい食べたらどうです?」


花乃音「大丈夫、、」


あど「、、、」


時刻は午後2時


ギュルルルル〜、、、


あど「ん?」


花乃音「あっ、、」


あど「、、、やっぱりお腹すいてるじゃないですか」


花乃音「い、いいの!」


あど「どうなっても知りませんよ、、」


そして時間がたち定時へ


社員が続々と帰っていくが、花乃音はまだ仕事を続けていた


花乃音(はぁ、、こりゃ残業、、しかもかなりやりそうだなぁ)


あど「、、、、」


あど「花乃音さん」


花乃音「ん?」


あど「手伝いますよ」


花乃音「いいって言ってるでしょ?」


あど「ダメです。この調子じゃ終わらないでしょ?」


花乃音「お、終わるよ」


あど「そうですか。じゃあどのくらい進みました?」


花乃音「そ、、それはぁ、、」


あど「やっと半分、、って所でしょ?」


花乃音「うっ、、、」


あど「この調子じゃ、絶対途中で折れて間に合いませんよ」


花乃音「で、でもぉ、、」


あど「でもじゃないです、手伝いますよ」


花乃音「、、、うん」


花乃音は渋々仕事の資料をあどに送る


あど「なるほど、、、これ人は辛すぎません?」


花乃音「そ、そんなこと、、あったかも、、ははは、、」


あど「まったく、、花乃音さん、たまには周りに頼ったらいいじゃないですか」


花乃音「そ、そうだけど、、ほら」


あど「?」


花乃音「は、、恥ずかしい、、じゃん?」


あど「、、、、、は?」


花乃音「あー!もう!この話やめやめ!早く仕事やろ!」


あど「は、はい」


2人が仕事に入る


あど(ここは、、こうすっか)


花乃音「う〜ん、、こうかなぁ?」


あど「そこはこうしたらいいんじゃないですか?」


花乃音「あっ、、、むぅ」


あど「なんで悔しそうなんですか、、」


花乃音「なんでもない!」


そして2時間後、外はもう暗くなっていた


花乃音「うぐぅ、、、あぅ、、」


あど「どうしました?」


花乃音「お腹が、、、お腹がすいて、、」


あど「ほらやっぱり。お昼もなんも食べてないんですからそりゃお腹も減りますよ」


花乃音「うぐっ、、なんか敗北した気分、、」


あど「何か買ってきますよ」


花乃音「お言葉に甘えて、、」


あど「何買ってきて欲しいですか?」


花乃音「近くのコンビニにあるチャーハン弁当!」


あど「は〜い」


あど「んじゃ、行ってきますよ」


花乃音「あ!お金渡すよ」


あど「いいっすよそんぐらい、花乃音さんは仕事しててください」


花乃音「ほ、ほんとにいいの?」


あど「大丈夫っすよ。そんじゃ」


あどが会社から出てコンビニに向かう


花乃音「あどくん、、、、」


そして数分してあどが戻ってくる


あど「はいこれ、弁当とお茶です」


花乃音「飲み物まで、、ほんとにありがとう!」


あど「借りは今度ご飯奢ってくださいね」


花乃音「当然!!」


花乃音が弁当を開けて一気に食べ始める


花乃音「モグモグモグモグ」


あど「そ、そんなに一気に食ったら詰まりますよ」


花乃音「だいじょふだいじょふ、、モグモグモグモグ」


花乃音「モグモグモグモグんぐっ?!」


あど「言わんこっちゃない、、ほらお茶お茶!」


花乃音がお茶を一気に飲む


花乃音「んぐっ、、んぐっ、、ぷはぁっ!」


あど「い、忙しいなぁ、、」


花乃音「モグモグモグモグ」


あっという間に花乃音が弁当を平らげる


花乃音「ぷはぁ、、ごちそうさまでしたぁ、、」


あど「んじゃ、仕事終わらせますよ」


花乃音「うん!」


時間はまた進み時刻は22時に


花乃音「、、、、、」


花乃音は今にも寝そうな感じに頭がコクコクと動いている


花乃音(寝ちゃダメ、、仕事しないと、、あと少し、、)


あど(よし、、これで、、終わりだな)


あど「ん?」


あどが隣を見ると


花乃音「くかぁ〜、、、」


眠っている花乃音がいた


あど「、、、仕方ない」


数十分後


花乃音「、、、はっ!」


花乃音「私寝てて、、」


花乃音が周りを見渡す


花乃音「あれ、、あどくん?あどくーん?!」


花乃音「、、いない、、帰っちゃったのかな、、」


花乃音「ん?」


花乃音が机の上にある紙に気づく


花乃音「これは、、?」


文字を読むとそこには


花乃音「仕事終わらせときましたよ、、Byあど、、」


花乃音「、、、、」


花乃音が仕事を見直していると


花乃音(本当に終わってる、、っていうか、、すっごいしっかりしてる、、、)


花乃音(なんか負けた気分、、!)


そう思う花乃音の顔は笑顔であった


そして翌日


花乃音(ふわぁ〜あ、、あんまり寝れなかった、、)


あど「おはようございまーす」


花乃音「あ!あどくん!」


あど「おお、おはようございます」


花乃音「そんなことより!!昨日はほんっっとうにありがとね!」


あど「大丈夫っすよこんくらい」


花乃音「寝てたなら起こしてくれればよかったのに、、」


あど「いや、僕もそんとき自分の分は終わってたんで、花乃音さんのも終わらせときました」


花乃音「そ、それぐらい自分で出来たのに、、」


あど「あんなに眠そうだったのに?」


花乃音「うっ、、で、できるもん!」


あど「こんな状態だったのに?」


花乃音「へ?」


あどがスマホを取り出して画面を花乃音に見せる


花乃音「なっ、、あぁ、、!」


画面にはよだれを垂らして座りながら眠っている花乃音が写っていた


あど「この花乃音さん面白くて写真取っちゃいましたよ!はははっ」


花乃音「い、、いますぐ、、」


あど「ん?」


花乃音「消せぇぇぇぇ!!!」


あど「うわぁっ!」


花乃音があどのスマホ襲いかかるが、あどがスマホを持っている腕を上に伸ばす


あど「ほれほれ〜」


花乃音「こ、こんのぉ!!」


花乃音はジャンプするが、全然届かない


花乃音「きぃぃぃ!!」


あど「はははははは」


この日から数日だった時


部長「はい!みんな注目!」


部長が唐突に社員の注目を集める


部長「みんなに報告があります、、それでは花乃音くん!前に来てくれたまえ」


花乃音「あ、、え?わ、私?!」


花乃音が部長の所に行く


部長「なんと、、花乃音くんがしてくれていた仕事が、、、」


部長「大成功したんだぁぁぁぁ!!!」


花乃音「えええええ?!」


部長「あの大手企業のお偉いさんたちも絶賛して!でっかい契約が決まったんだよ!」


社員たちが花乃音に拍手を送る


花乃音「あ、、あはは、、」


部長「花乃音くん!これからも期待してるよ!」


花乃音「は、、はいっ!」


花乃音が自分の席に戻る


花乃音「ふぅ、、」


花乃音「あ、、あどくんのおかげでたすか」


そう言おうとした時に社員が花乃音に集まる


社員「花乃音さんすごいっすね!あんな大仕事よく出来たもんだ!」


社員「ほんとほんと!毎日頑張ってたよね〜」


花乃音「い、いやこれは、、」


数分、社員の熱は覚めることは無かった


あどが飲み物を買いに自販機に行っていた


花乃音があどを見つけて話しかける


花乃音「あ、あどくん、、その」


あど「ん?どうしました?」


花乃音「そ、その、、この前はほんとにありがとう!!」


あど「手伝っただけですよ」


花乃音「で、でも!あどくんがやってくれなきゃあんな大成功ならなかったし!」


あど「そうですかね?」


花乃音「え?」


あど「大成功したのは花乃音さんの力っすよ」


花乃音「で、でも、あんなすごい出来には、、」


あど「出来もそうですけど、あんな大仕事、まず任されませんよ?」


あど「任されたのは多分、、いやきっと、花乃音さんが信頼されてたからだと思います」


花乃音「し、、信頼、、?」


あど「えぇ、花乃音さんは毎日頑張ってますからね。そりゃ信頼もされます」


あど「だから、あの大手柄は花乃音さんの力で出来たことなんすよ」


あど「僕は、ただ手伝っただけっすから」


花乃音「、、、、、」


花乃音が目を潤わせる


あど「、、、え?」


花乃音「あ、あはは、、ちょっと目にゴミが、、」


あど「、、、、」


花乃音「そ、その、、ほんとに、、ほんとに」


花乃音が満面の笑みであどに言う


花乃音「ありがとねっ!!」


あど「、、、ふふっ」


花乃音「、、?」


あど「い、いや、、泣いてる花乃音さん面白くて、、ぶふっ」


花乃音「なっ、、せ、せっかくお礼言ったに!!」


花乃音「てか泣いてないからぁ!!」


あど「泣いてるじゃないっすか。ほら」


花乃音の頬に伝っている涙を取るあど


あど「ほら、泣いてる」


花乃音「、、、!!!」


花乃音「泣いてなぁあああい!!」


花乃音があどをポコポコと叩く


あど「いてててっはははっ」


花乃音「笑うなぁぁ!!」


あど「それシャッターチャンス!!」


花乃音「あっ!」


カシャッと言う音を出して、花乃音のちょっぴり赤くなった顔が撮られた


次回に続く

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