おっぱいを揉むためには。

「……で、おっぱいを揉むためにはどうすればいいか……だが、何か案あるか?」


「なんで私たちに聞くのよ」

「俺にそんなん求められても困ります兄貴ぃ……」


 そう、『女の子のおっぱいを揉む』という第一目標を立てた俺たちパーティ。

 金を稼ぐより、生計を立てるより、まずは女の子のおっぱいを揉まないと始まらないのだ。



「……王都の女の子のおっぱい揉むか」

「それはダメでしょ、他の人の気持ちとか考えようよ」

「兄貴、ソレをやったら人として終わってる気が……」


「えー、でもさ、もう俺って既にギルドのお姉さんに最っ低なこと言っちゃったからさ……」


「多分、貴方が前に働いてたサキュバスの例の店でも悪評が広まってる頃でしょうね。……こりゃあ、解雇は確実、次の雇用先だって、到底見つかりはしないと———」





「……そうだ、その手があったか!!!!」


 2人はキョトンと首をかしげる。が、俺の頭の中には超スペシャルにして完璧にしてパーフェクトな計画が始動し始めていた。

 


 そう、完璧に次ぐ完璧な計画、その名は———、




『女性の魔族のおっぱいならば、いくらでも揉んでいいんじゃないか????』計画。





 ……完璧では???!?!?!?!


「っふ、っふっふふふ…………ふふふふふふふふふふっ!!!!」


「兄貴、その笑い方どうにかしたらどうですか」

「まさかお前からそんなストレートな悪口が飛んでくるとは思ってなかったぞ……


 ……んで! 俺が考えた究極の手、ソレは———!」



◆◇◆◇◆◇◆◇




「アホみたいなこと……だけども、まあ街ゆく人のソレを揉むよりかは随分……いいんじゃない?」

「そうだろうそうだろう! ならば早速、魔王軍前線に———」


「魔王軍前線?! アンタアホじゃないの?!……女魔族と会うなら、やっぱりダンジョンが一番に決まってるわよ!

 

 ……あの場前線は、生き残るにはちょっと厳しすぎるから」


「依頼受けに行きますか、兄貴!」


「おうよ! ソレじゃあジョブセンターに……ジョブセンターに……ジョブセンター……??」


 思い出してしまった。俺がおっぱいのことについて語った相手、その相手は……


「ジョブセンターの受付のお姉さんじゃねえかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!!」



「……ああ、そう言えばそうだったわね。……しかも、パーティリーダーが依頼を受けに行かなきゃいけないから、私たちで勝手に行こうにも依頼は受けられない……



 ……詰んでるじゃないのっっっっ!!!!」



「兄貴、ここは意を決して……玉砕覚悟で行くしかないです……!!」


◇◇◇◇◇◇◇◇



「……あ~、どもども~……」


 王都中心部、ギルドセンター。

 石造りの道路の街角に、ソレはあった。



「あ……あ~……なんで俺、睨まれてるのかな~……は、ははは……」


 入った瞬間向けられた冷たい視線。サナのより何倍も冷たかった気がする。



「ど、どーもこんにちは~……この依頼を受けに来ました~……」


 掲示板に張り出されてた依頼書を、受付のお姉さんの元へ持っていく。……緊張というか、恐怖が勝っていたような気もする。


「いや~……診ていただいた時ですね~……あ、今をかけたんですけど、気付きました? あっ、あっはは、あっははははははは……」




『あ~あ、アイツやらかしてる』

『サナさん、一体兄貴は何を口にしたんですか……?!』


 背より2人のヒソヒソ話が聞こえてくる。……あーいう声だけ聞こえてくるのは勘弁してほしい。




「……依頼、ですね。分かりました、さっさと受注してこの場から出てってくださいっ!」

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