第206話 五味の挑戦

中間テストを控えた6月のある日の休み時間だった。

まったり次の時間の事をぼんやり考えていた…。

…そこに…!




五味『なあ?斉藤くん。

ちょっと話しがあるんだけど?』


『…俺は無い。

だってお前毎回言いたい事言ってどっか行くだろ。』


そうなんだよ。

五味は毎回なんだけど、


五味語録

『君は部活やりながら特進に居るの?舐めてるの?』

『君永瀬さんに馴れ馴れしくない?』

『俺は特進だよ?』

※宏介も特進です。



毎回言いたい事言ってこっちの言う事聞かないで行っちゃう。

…結構フラストレーション溜まるんだよね…!

だから今回は少し返そうって思ったわけ。


五味は顔真っ赤にして、


五味『僕が話しかけてるのに…!会話にならない奴だな…!』

※今日のおま言う。


『…鏡見ろ。』


言葉を返すけど会話にならないから話したく無いんだよ…。

自分と綺麗な女の子にしか興味無いんだ。

人に話し聞いて欲しかったらまず自分が話を聞け。


五味『それでだ。僕と勝負をしよう?』


『…。』


五味『おい!無視するな!

中間で勝負だ!俺が勝ったら永瀬さんにちょっかいだすな!』


は?


永瀬さんはこっちを伺っていた様だけど自分の名前が出てびっくりしてる。

なんで俺とお前の勝負に永瀬さんを巻き込む?


五味『永瀬さんから用事も無いのに話しかける男子は君くらいだろ?

正直気に入らない、俺が勝ったら距離を置いてくれよ?』


五味は勝利を確信している顔…特進に居るんだから学年30位以内だと思うが…?

俺はアベレージで去年平均15位くらいか?五味はいくつ位なんだろうか?

相手の順位知って勝負する、しないって言うのもだっさい。

…受けるか?


少し思案してると…。

五味の奴煽ってくる…!


五味『君の4組?文化祭で優秀賞とか獲ってたけど…さぞかし…遊んでばっかりでクラス偏差値低かったんだろうね?部活にイベントに青春なら他所でやれば?

僕のクラスはピリピリしててその中でも毎回クラス一位だったよ?』


『…クラス偏差値ってなに?

別に学年で何位は掲示で出るけどクラス何位って出なくない?』


五味『ふふ!クラスの中に僕より上位居なかったからね?

4組みたいな遊んでイベントに夢中になってるクラス出身でしょ?仲良しクラスでしょ。

ライバル手強く無かったから成績上位だったんじゃない?

僕のクラスは話しかけても皆んな塩対応でライバル!って感じしてたよ?』

※五味くんが避けられてただけでイベント盛り上がりました。



『…わかった受ける。

じゃ俺が勝ったら永瀬さんと距離置けよ?』


五味『なんで僕が?!』


…なんで心外な顔するの?


『…えー同じ条件じゃ?』


五味『いや、負けないけどなんで永瀬さんと距離置かないといけない…!』


自分がそんなに嫌がる条件を人には課すの?

まあいい、とにか総合点で勝負する事になった。


五味『卑怯な事するなよ?』


『…お前がな?』


五味はこっちを伺ってた永瀬さんに近づきドヤ顔で、


五味『永瀬さんの為に勝ってみせます!

あんな遊んで部活にかまけてる奴に負けません!

勝負に負けた方が綾さんと距離を置くことになりました!』


永瀬さんは…ちょっとキレてる…!


永瀬『ふーん。好きにすれば?あと綾って呼ばないで?』


思ってたのと違う永瀬さんリアクションに焦る五味は、


五味『永瀬さんの為に勝ちます!見ててください!』


永瀬さんは席を立ち、俺に近づいて俺に馴れ馴れしく肩を組む。

…背筋ゾワゾワする…!女の子こっわ!


そして五味を威嚇しながら、



永瀬『…さっきから聞いてたらー?4組舐めてるじゃない?

文化祭で賞取ったよ?私と宏介くんが実行委員でね?

4組舐めんな?

あとさ、前に宏介くんを部活でディスってたよね?

私もバスケ部!しかも生徒会と兼任!

特進に居ちゃダメなの?』


二宮『ほんとだし!特進最大派閥の元4組だぞ?』


高橋『…そうだよ!4組さいきょう!ね?浩くん?』

浩『そうだね?五味くん…敵作りすぎ!』


俺、永瀬さん、二宮さん、高橋さん、浩ともう1人居る元4組。

6/30が4組なんだから2割が4組の計算で1学年10組だからかなりの特進率でしょ?

永瀬さんの言う通り元4組舐めんな?

永瀬さんは激おこから一転、しょんぼり悲しいモード…

女の子のこういう所怖い…!


永瀬『元のクラスまでバカにして!五味くんが私をどう思ってたかよくわかったよ…。

私…悲しい…。

バスケして、生徒会して、イベント楽しんで青春しちゃダメなの?』


五味『…そんな事は…今年はこのクラスで僕と青春しましょう!』


永瀬『え?言ってる事違うじゃん!

じゃなんでクラスメイトに争いふっかけて私から距離置け!なんてクラスの和を壊すようなことを?』


しょんぼり→永瀬さんは五味を拒絶する口実を得て生き生きしてる!


五味『…とにかっく!僕と勝負だー!斉藤!』


二宮『あ、逃げた。』

高橋『逃げたねぇ。』


五味はまた言いたいこと言って逃げたわけで。

田中くんが側に来て、



田中『負ける訳には行かないね?宏介くん勉強会しよう!』

永瀬『は?宏介くんは私と勉強会するよ?田なんとかくんは遠慮して?』


ここはピリピリしてる…!

クラスの和とは?


高橋『まあまあ、皆んなで協力しよ?』

浩『そうそう、得意教科を宏介くんに教えて絶対勝ってもらおう!』


高橋さんと浩が間に入って…。


二宮『マジ4組の団結力みせてやんよ!明後日の休みしかないよね!』


永瀬『…4組の団結力で戦うから遠慮して?』

田中『この女…また僕だけハブろうと…』





こうして中間テストで五味と勝負!

宏介強化勉強会開催決定!



☆ ☆ ☆

ふと気づいた永瀬綾。



綾『…あれぇ?こないだの話だと…ふたりきり勉強会だったはずなのに…。

五味くぅん…💢』


202話お使い昼休み中段参照。

ふたり勉強会だったはずが…!


こうしてまたひとつ五味くんを嫌いになった永瀬綾(笑)


☆ ☆ ☆

毎日残業と本編が良い所でそっち優先してしまって不定期更新になってしまっています、申し訳ありません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る