第198話 告白阻止【side立花望】

『哲学の道…ちょっと思ってたのと違ったなー。』



緑『大乱闘だったじゃん!』

きい『1番哲学が無い娘に言われたく無いw』

茜『あっちは青春してるのに…。』


4人で見る先には…。鈴木くんに寄り添う芹の姿が…!


芹『…鈴木くん…目痛い?涙止まらないよね?

私が超強力催涙スプレー…

『暴漢殺しキラー』なんて劇物を常備してたから…!本当にごめんなさい…。』


鈴木『…大丈夫、相川さん気にしないで?』


ふたり…正確には芹の周囲だけピンクな雰囲気になってる…。

意外だけど良いんじゃない?鈴木くんは漢だし。

芹は愛情深いから良い奥さんになると思うんだ!



緑『暴漢殺しキラーって2回殺してんじゃん。』

きい『しかも常備って…?』

茜『芹スタンガン10まんボルトらしいよ?』


ピカチュ⚪︎⚪︎カチュウかよ。』


芹のスタンガンにピカチ⚪︎ウってあだ名がついた。


☆ ☆ ☆

その後も各地の神社仏閣を巡り残りはトラブル無く観光三昧!

楽しかったー!

懐石料理はよくわからないけど美味しいし!

和スイーツはどれもうま!

お土産もどっさり買い込みあたしはご満悦!


そして自由行動は終わり、旅館へ到着。

夕飯食べて!その後の班ミーティングで今日の日程を振り返る。

…当然今日のトラブルは無かったことに!


芹『…鈴木くん、またね?』


小さく手を振る芹。可愛くない?

うん、頷くだけの鈴木くん。照れてんのか?


裕太『望ちゃん!ちょっと、ちょっとだけ時間いい?』


『…良いけど…。』


親友sは一応別班で他部屋に居る。

芹はまだ鈴木くんと話したそう。


ふー。誤チェリオの借りもあるし聞くだけ…。

ホテルの外へ連れ出され…もう帰りたくなってきたー。



三島裕太は三島皐月の弟でさ?

あたしは宏介くんに懐いてたけど三島皐月によく追っ払われてた。

その恨みがある。宏介くんにした仕打ちにも恨みがある。

三島裕太には関係無い…でもやっぱり思うところはあるわけで。


三島裕太自身は割と格好良い方らしいし、勉強もスポーツもレベル高い高スペック男子らしいけど…こいつシスコンで三島皐月の事尊敬して宏介くんを軽く見るし…どうも自分をよく見せようってムーブが透けて見えて正直ちょっと嫌い…。


呼び出しって大体告白とかされんのかな?

断るのも面倒だし、しんどい。

香椎先輩は伝説的なモテ女子だったけど苦労が偲ばれるよ…。



三島裕太が目をキラキラさせてあたしに尋ねる。


裕太『望ちゃん…望ちゃんはどんなタイプの男子が好きなの?』




『…宏介くん。兄ちゃんの親友の2年先輩の斉藤宏介くんが子供の頃から好きなんだ。』



申し訳ないけど一刀両断!

変に期待持たせても意味無いし。



裕太『…。』


きっと告白の取っ掛かりの話題だったんだろうね。

ごめん、でも無理だし。



三島裕太は半泣きで、



裕太『…でも?上手くいかない可能性もあるでしょ?』


こいつ…嫌な事言うなぁ。

あたしは関係無い、あたしの気持ちだからって答えて帰ろうとする。


裕太『じゃ!宏介以外だとどんな男の人が好み?』


『宏介って言え…!

2年先輩だぞ?あたしにとって兄の様な人で初恋の男の子で憧れなんだ。』


少しキレて吐き捨てると三島は黙った。


『…あたしよりテニス強い男の子がいいな。』


前々からたまにある告白で条件出す時コレを言っている。

うちの中学校にテニススクールの出身居ないの調べた上!

結構冗談っぽく告白される事がある。

いつも思うんだ。お前とマジ掴み合いの喧嘩したろ?

お前とは相撲で勝負した!とか。



三島裕太はボソボソいくつか質問してきたがあたしは正直に答える。

でもあたしもしんどい。

告白されてもしんどいから先制でフッた形だけどさ。

告白して断られて明日以降も班一緒はお互いしんどいじゃん。

そこは正直空気読んで欲しかった…。


『じゃ、行くね?

明日も楽しいと良いね?』


告白は未然に防いだ。

しかし、




三島裕太は真面目な顔で、あたしに宣言した!



裕太『俺!北翔高校が志望校だから!

望ちゃん諦めないから!』



『…。』


ぴらぴら手を振ってあたしは三島にバイバイって伝える。


『面倒くせぇ…!』


男は宏介君くらい無口が良いよね?

宏介くんどうしてるかな?

兄ちゃん元気にしてるかな?

ひーちゃん泣いてないかな?


☆ ☆ ☆

そう言えば旅館に居る子どもと仲良くなった!

話したらひーちゃんと同い年だったから。


ツーショット写真を撮って兄ちゃんスマホに送った!

そろそろひーちゃんは姉ちゃん恋しいんじゃ無い?写真見たら元気出るんじゃ無い?

あたしは恋しいよー!ひーちゃん成分が足りないって感じる。

※まだ2日目です。



翌朝。

旅館を出発!


『あ、昨日の子に挨拶だけしたいかも。』


親友sは怪訝な顔で、


緑『…子ども?居た?』

きい『居ないでしょ?職場に子ども連れて来ないんじゃ?』

茜『あたしそうゆうのダメ!あー!あー!聞こえない!』


『何言ってんの?入り口のベンチにずっと腰掛けてた…?』


はは…まさか?


芹『…望ちゃんがなんかベンチでひとりで喋ってるって思ってた…。

まじ?』


『ひい!!』


あたし誰と喋ってたのー!!

おばけだけは…あたしおばけだけはダメなのー!!

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