第196話 襲撃in哲学の道【side立花望】

南禅寺へ向かう遊歩道その名も哲学の道。

…こないだ聞いちゃった、成実ちゃんと兄ちゃんがここ一緒に歩いて楽しかったんだって!

※本編エピソード、成実ちゃんの影響で望は一人称があたしです。


哲学の道…なんか詩的であたしにピッタリ!

さっきの銀閣寺で会った同級生たちの班も合流しちゃって気付けば4班一緒に動いてる。

さっきの活躍もあり鈴木くんと話しながら歩くよ!


『今ならどっちが強いかな?』


鈴木『…パワー系や瞬発力なら僕の方が…。』


緑『味方を襲うな。』

きい『バーサーカー(笑)』

茜『体育祭でやれ。』


『あたしだって鍛えてるんだけどねー?

前に完くんブートキャンプなる催しがあって…』


鈴木くんが食いつく!


鈴木『完先輩の?!詳しく!』


※完くんは本編登場の野球強豪校へトライアウトで進学した新川中の伝説的マッチョです。


鈴木くんと話しながら遊歩道を歩く。

皆んなもそれぞれ。

だけどさ?さっきから…



三島『…俺だって…何で鈴木ばっかり…

もしもう一回チャンスあれば…俺が助けるのに…。』


(心の声ダダ漏れなんですけどー。)


さっきのナンパ騒動で動いてくれたマッチョ鈴木くんの株は爆上げで動け無かった三島はまあ冷たい目で見られてる。

特にあたしの親友sから。

高校生相手だし?仕方ない部分もあるよ。

でも相手見て助けるとかだっせと思って口に出ちゃった。

でもさ?実際そうだよねって思い返したんだよね。


だってあたしだって宏介くんや兄ちゃんが絡まれたら助けるけど…三島裕太なら放っておくかも知れない。

だからみんな責めすぎって思ったの。


『芹…ちょっと。』


芹『望ちゃん?またおバカなこと…

ふぁ?!』


親友sにも肩組みながらぼそぼそと…。



4人を先行させて鈴木くんとふたりで並んで歩くと三島裕太のジメッとした視線を感じる。

ふー。



『…三島くん、おいで。』


三島裕太は嬉しそうにやって来た。

やっと俺の事!みたいな顔して。

あたし…三島裕太嫌いなんだけどなかなか伝わらない。

嫌い!って言ってくれればあたしはもっと嫌い!って言い返せるけど自分からは言いにくい。

まあいいや。



『三島くんさあ?さっきの事気にしてんじゃん?』


三島『…!

うん!俺!』


あたしは三島の背中をばん!って叩いて、


『だったらここで漢見せてよ?』


さっきの連中なんだろうね?

あたしと鈴木くんと三島は学生服の男たちに囲まれた。



『今宵のスラッパーちゃんは血に飢えておるよ…。』


あたしはにニタァって微笑んだ。

鈴木くんは呆れていた。



☆ ☆ ☆

芹『望ちゃん!』


親友s『『『望!』』』


あちゃー、戻って来ちゃった…。

先行して同級生達を逃して欲しくって4人にはおねがいして南禅寺で目立たない場所に居てってお願いしたのに…。


宏介くんも兄ちゃんが襲撃されるのわかってて付き添ってくれた。

女の子なのに格好良いよね?私の親友たち!


あたしは嬉しくなっちゃって、



『もう!貴女たち愛してるよ!』


ニヤッと笑って、


緑『知ってる♪』

きい『そりゃそうでしょ?』

茜『相思相愛♡』


芹『…怖いよぉ!でも望ちゃんが!』


芹はいっぱいいっぱいw

だよね?ごめんごめん!


『大好き❤でしょ?』


あははは!あたしたちは笑っちゃう!

向こうの真ん中でごっついオールドタイプの不良みたいなお兄さんが出て来た。


不良『さっきはうちのモンが世話になったみたいだなぁ…。』


パシャ!


芹?


芹『だって…こんな人珍しいから思わず…!』


芹が写真を撮影してた。

不良は最近見ないタイプの不良さんで…。

リーゼントっていうのかな?長ーい学ラン着てさ?暑くない?

…でも多分すっごく強い…そんな気がする。

圧があるもん。


…でもすっごい怒ってる。

写真撮る時は顔作りたいもん、キチンと断って撮らないと今は肖像権の侵害とか言う小難しい訴訟されちゃうんだよ?


不良『舐めやがって!どいつがお前らやったんだ!』


そう言いつつ不良は鈴木くんを見てる。

違うってあたし!


男『そこの!…女の子です…。』


不良はさっきボコった男を怒鳴りつけてた。

不良はポリシーじゃないって言いながら、



芹『え?ちょっと?』


1番近くに居る芹があっさり捕まって人質になっちゃった!

何してんの!


不良『俺に勝てたら解放してやるよ。』


『…ヤンキーマンガでありそうな展開!

3対3?お寺とかでやる?助っ人とか来る?

君は全国的に有名な不良なの?』


あたしが矢継ぎ早に聞くとポカンとしてた。


緑『望!萌えてるなよ!』

きい『芹が失神しそう!』

茜『芹ー!大丈夫?!』


不良『誰からかかってくる?』


哲学にの道から少し外れた人気の無い公園。

向こうは不良と5人。みんなゴツいけどリーダーの不良は一際ごつい!

あたし達はあたしと親友s3人、鈴木くん、三島。

人数だけなら互角だけどね。


『あたし!』


ボコったのあたしだし!

人にお尻拭いてもらう訳にはいかないよ!


鈴木くんが黙って前に出ようとするのを抑えて見ててってジェスチャー。

三島と親友sは不良の圧でビビってる。

まじ怖いおっさんみたいなオーラだもん。


『バトルマンガみたいなノリ嫌いじゃ無いよ?』

※嘘です、大好物w


ギャラリーが引いて、緊張感が走る。

視野端っこに…新川中の同級生が見える…!

巻き込まないように逃したのに戻って来んなって!


…勝負は早めに着けてしまいたい!

大将のこいつを速攻でボコってどさくさに紛れて芹を回収して逃げないと…!

芹は道具にこだわるタイプなんだよ。

絶対護身用アイテムぶっぱして大惨事になっちゃう!

※スラッパーちゃんも元は芹の物です。



集中!いくよ!



『屑龍閃!!』



ブオオォン!!


瞬間に10発全方向から叩き込む荒技!

だけど…!


不良『…怖い怖い!なんっつう…!』


不良のおっさん避けやがった!

正確には発動する寸前に後ずさって間合い外された!


おっさんはマジびっくりだけど…

あたしだってショック!

だって八方向からの殴打だよ?間合いさえ合って発動すれば絶対回避は無理なのに!



香椎先輩が言ってた、


香椎『必殺と書いて必ず殺す。必死と書いて必ず死なす!』


兄ちゃんもたまにこの技躱わすけど初見で躱わされるなんて…!

困ったなぁ、強いなぁ…。

あたしの必殺技が…!




先手 立花望 初手 屑龍閃 不発!

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