第195話 京都を往く【side立花望】

修学旅行も2日目!

深夜遅くまでガールズトークに花を咲かせて(食べ物の話)

ああでも無いこうでも無いって寝落ちするまでキャッキャ大騒ぎー!


兄ちゃんとひーちゃん寂しがって無いかな…って思いながら寝落ちした…。



よくあさ!2日目!

起きたら目の前どアップで芹が居た!


『うわ!』


芹『…失礼じゃない?』


『何で居るのかと思ったよ。』


緑『望の国境侵犯っしょ…。』

きい『侵攻レベル…。』

茜『途中まで芹を抱き枕ってたw』


『ま?』


芹『ひーちゃん…兄ちゃん…って泣いてなかった?』


芹がからかう!


『そこまでブラコンじゃないもーん!』


朝からこいつらと一緒か…今日も楽しいぞ♪ってわくわくしたよ!

まあ口には出さないけどさ!


☆ ☆ ☆

兄ちゃんの世代も修学旅行が京都だったからさ?

色々聞いて良かったとこ教えて貰ってそこを提案したんだよ。

皆んなの行きたいところをすり合わせて今日は日程を組んでる。

テニス部の先輩だった香椎先輩や小幡先輩などは真面目きっちり型だからめっちゃタイトなスケジュール組んだらしいけどあたし達はエンジョイ勢なので有名なとこを数カ所回るとこにしている。


クラスでも全力で分単位のスケジュール組む子も居るけど…

土地勘も無い場所で分単位で切ってたらどっか行けなくなったりスケジュール押しすぎて楽しめなくなりそう!

だからうちは少し…いやまあまあ猶予あるスケジュール。


担任『では気を付けていってらっしゃい!』


生徒『『『はい!』』』


担任『立花さん?』


『はーい♪』


担任の先生は眉を顰めて、


担任『立花さんは…気を付けてね?特に。』


まだ若い綺麗な女教師なんだけど心配症だよね。

テニス部顧問もしてる先生なんだよ。


『そんなに京都荒れてるの?

こっわ!』


担任『貴女の方が気を付けてね?

トラブルの方から近寄って来そうで…。』


『大丈夫!不殺の誓いを立てているでござる!』


担任『ほんと勘弁してね?

芹?緑?特に貴女たちが注意してあげて!』


きい『えー?』

茜『ショック!』

※危険度 芹<緑<きい<茜<望



芹『はい、しっかり見張ります。』

緑『ねー?芹?私たち常識派♪』

きい『私こっち側っておかしくない?』

茜『同じ穴のムジナでしょぉ!』

望『強そうな知らない高校生を見たらケンカふっかけまーす。』


芹『ヤンキー漫画のノリ!』


キャハハ!って笑い転げながら移動開始!

絶対芹が人質に取られて?タイマン3番勝負とかするんだよ!


緑『一番手負けそう!』

きい『怠慢たいまんなら勝負してやるのに…。』

茜『芹が襲われちゃう!』


芹『きゃーたすけてー。』

※棒読み。


『そん時はあたしが絶対守るから。』


ボソってあたしが言うと4人してポカンとあたしを見つめる。

何で顔赤いの?

兄ちゃんだったらそう言うんだけど。

みんなにやにやしちゃって何なの?

もしかして恥ずかしいこと言ったかもしれない…!



緑『やー望はうちら大好きだなぁ。』

きい『きゅんと来た。』

茜『照れ望カワイイ!』

芹『その時は守ってね?』


5人で歩いていると、


裕太『おかしいじゃん!なんで2班で固まって、女子と男子で別れてんの!』


三島裕太がぶつぶつ文句言ってるのが聞こえてきた。

だって2と3に別れちゃうからつまらないじゃん?

だからそっちの班の男子にお願いして2班一緒に動こうよ?って決めたのに。

別に女子で固まっちゃったけど男子と離れず一緒に行動してるし、

ちょいちょい男子たちとも喋ってるし問題無いでしょ?

あたしは近くの男子に聞いてみる。


『ね?三島くんは聞いて無いの?』


男子『話したと思うんだけど…?

なんか思ってたのと違うとか言ってるみたい。

まあ立花さんは気にしないで?

あ、さっき買ったお菓子どう?』



『そうなんだ…。

うん、気にしない。

ありがとう!おいしー♪』

※ニッコリ


男子は少し顔を赤らめて三島くんを宥めに行ってくれた。

うちの学校の男子はみんな優しいよね。

※みんな望に好意的です。ガチ勢も居ます。


☆ ☆ ☆

銀閣寺にて   side三島裕太


『あー、なんか起こらないかなー?』


鈴木『そうそう起こったら困るよ?』


鈴木はマッチョなのに平和を好む…。


『でも男ならテロリストに学校が占拠されて好きな娘がちょっとえっちい目とかに合うとこ間一髪で助けに入るとことか憧れない?』


鈴木『…好きな娘が危機に合わない事が1番じゃない?』


『鈴木にはわからないかなー。』


銀閣寺の詫びた佇まいっても言われてよくわからない。

俺神社仏閣ってよくわからないし。

※×詫びた⚪︎侘びた



望ちゃんは以外とこうゆうの好きみたいで楽しそうにキョロキョロしててめっちゃカワイイ!

ガイドブックを丸コピした俺に銀閣寺トークを!


望『知ってる?1階には「千体のお地蔵さま」、2階には「漆黒の壁と金色の仏」があるんだよ?

日本に「茶道」「華道」「香道」を広めることになった場所なんだって!』


望ちゃんがキラキラした瞳で囲んでる皆んなに熱く語っている…付け焼き刃じゃ無理だわ…!

せめて男子は近づくなよ!鈴木だけだよ…俺の思う通り動いてくれるの。



この後は哲学の道って風光明美な遊歩道を歩いて南禅寺へ向かう。

銀閣寺まわりはお土産屋さんも多く、修学旅行客も多い。

学生服と外人ばっか!



うちの学校の生徒もちらほら見かける。

あー、全然望ちゃんに近づけない…!



ぼーっとお土産屋さんを眺めていると…。




『ねえ、君たちどっから来たの?』

『俺たち東京から来たんだ!』

『ねえ、一緒に見て回らない?』



ガラの悪そうな体格的に高校生っぽい男子4人がうちの学校の女子に絡んでいた。

2組の女子かな?目立たないタイプの女の子2人!

辺りを見渡すけど…誰も居ない。

一緒に助けに行ってくれそうな男子も居なければ、

助けるとこ見せたい望ちゃんも居ない…。

どうしよ?ちょっと怖いしな…。


『…望ちゃんだったら…良かったのにな…。』


怖そうな男子高校生に絡まれる望ちゃん、それを颯爽と助けるオレ!三島裕太!

…もし失敗しても株急上昇じゃない?


そんな妄想しながらどうしようか迷っていると、

横を突風が通り抜けた、


その突風はこう言ったように聞こえた。


?『だっせ。』


俺が目をパチクリしてる間に、望ちゃんが現れて3人を靴べらみたいな凶器で撃ち倒す!

残ったひとりが一際大きな男!そいつが望ちゃんに掴みかかる!

それを鈴木が横から掴みかかって一進一退!


『鈴木何してんの?』


鈴木!お前マッチョの癖に!なに目立ってるんだ!

※マッチョは関係ありません。



望『鈴木くん!譲って!』


鈴木は黙って男を離す。


男『なんなんだよ!ナンパしてただけだろ!』


望『チェリオ!!』


望ちゃんは有無を言わさずに大男を撃ち倒した…。

女子2人は望ちゃんと鈴木にお礼を言う。

周りを新川中の生徒が囲む…!


望『鈴木くん!さんきゅ!

後でマッチョに敬意を払って抹茶おごるよ!』


鈴木『プロテインバーが捗りそう。』


周りは和気藹々と良かったねームード。

俺の出番が…俺のアピールタイムが…!


ゾワ!っと後から殺気がする。


俺の横を通る望ちゃんの親友たち。

俺を見る目が…冷たい…。



緑『三島さぁ…『望ちゃんだったら良かった』ってどうゆう意味?』

きい『高校生相手で怖いのはしょうがないよ?…でも黙って見てるだけならまだしも…。』

茜『鈴木くんに何してんの?ってお前が何もしてないからだろ?』


少し遅れて相川芹さんが…相川さんがこのなかだと1番温厚…俺の気持ちわかってくれるよね?


芹『望ちゃんのお兄さんは女の子が目の前でナンパされて困ってるのを黙って見てた事無いらしいよ?

望ちゃんがナンパされて困ってたら助けたの?だっさ。』


温厚な相川さんがキレてた…。

4人は望ちゃんに急に走りだすからー!とか言って笑ってたけど…

このままじゃまずい…俺には焦りがあったんだ…!

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