第194話 修学旅行【side立花望】

『ヒャッハー!!』

親友s『おほほー!!』


芹『みんな止めてよ!』


15時京都駅に到着!

早朝集合で今着くってヤバくない?

特急を二車両貸切で長らく移動時間に費やしてやっと着いたよ!

車内で飽きるほどトランプとかカードゲームやりまくったし?おやつもめっちゃ食べちゃった。


緑『望ヤバい。怖く無いの?』

きい『途中の一時停車駅で下車して買い物してくるって…。』

茜『もし取り残されたらどうする気だったん?』


みんな止めるの!

だって一時停車なら別に1分位は最低止まるでしょ?

途中の県駅なんて降りる事無いんだから気になるじゃん?


芹『でも、消化した以上のお土産を早くも買ってカバンはち切れそうだけど?これどうするの?』


『え?全部食べ物系だから最悪邪魔なら食べちゃうよ♡』


緑『デブるよ?』

きい『来月大会…。』

茜『望にお金持たせるとこうなる…!』


芹『お金大丈夫?そんなにお土産代貰ったの?』


『あは!祖父祖母父母兄と全方向から支援を受けておる!

家族リクエスト代はもう除けてあるから!最悪帰りのターミナル駅の電車代だけ残しとけば…!』


芹が心配そうに、


芹『…ねえ?望ちゃん?

2日目の自由行動は自分持ちなんだよ?

それ以外はまあ全部学校の手配した移動手段とご飯出るけど…?』


『…あは。まあギリギリかな?

大丈夫大丈夫!これ以上は散財しないしー!』


緑『細かくバスや電車や地下鉄乗り継ぐから結構交通費かかるよ?』

きい『お昼は望の提案で懐石料理行こうってなったじゃん…?』

緑『お寺や神社だって名所は拝観料取るんだよ?』


『神社仏閣がお金取るの?!』


親友s『『『そりゃそうだろ?!』』』


『やば…足りるかな?』


芹『ここからは節制!』


『…はい…。』


普段持たないお金を持つと人は変わってしまう生き物なのかもしれない…。

身分不相応な力は人を狂わせる…人は足りるという事を知らねばならない…!

※修学旅行のお小遣いを家族全員から貰って気が大きくなっただけです。


…兄ちゃん元気になってるかな?

楽しい合間にそれだけが気になった。


☆ ☆ ☆

裕太のあせり


『くそ!全然話せなかった!』


京都駅に着き、今はバス移動中。

俺は望ちゃんに近付きたくて電車移動中ずっと近辺をうろうろしてたけど声がかかることも無く、人気者の望ちゃんは周囲を親友たちに囲まれながら普段ならそんな関わらない奴とか引き込んでカードゲームとかで遊んでる!

大騒ぎして先生に注意されて、おどけて皆んなを笑わせるそんなタイプのクラスの中心!

そして電車と違ってバスでは座席移動は出来ないんだ。


鈴木『…裕太、そんなに好きなら奇をてらわずにロイン聞いたり、何か共通項を増やしたり関わる頻度を増やしたら良いんじゃないか?

…まあ『猛獣』に通じるかはわからないけど…。』


…バレンタインチョコ事件の時以来俺はこの鈴木とすっかり友達になった。

マッチョな割に…こいつ穏やかで頭も良い真面目な男なんだよ。

※マッチョ関係無いです。


『そんな普通な手じゃ望ちゃんの気は引けないだろ!猛獣ってあだ名もどうかと思うわ。』


前々から思ってる。あんなに可愛いのに猛獣って…。


鈴木『まあね。

でも綺麗になったよね…あの猛獣が…。昔相撲とった時はあんなじゃなかったもん。』


『お前!望ちゃんと相撲とったのか?!

どうだった?!抱き合ったのか?』


鈴木は赤くなりながら、


鈴木『1勝2敗で負けた…。

がっぷり組み合って…あの頃は細くて何にも当たらなかったけど…今ならどうだろな?』

※今も胸は当たらないはずです。




望『イヒヒ!フルハウス!』



夢中でトランプやってる望ちゃんは無防備に足組んでて綺麗な脚線美全開!

脚長くって見惚れる…。

でも、よく見ればハイソックスにうっすら線が入ってて…実は凶器が仕込まれている事を俺は知っている…。


鈴木『太もも凶器とはよく言ったもんだよな。』


望ちゃんが北翔高校の練習招待で男子高校生に掴み掛かられた事件はあっと言う間に広がった。

『俺の尻を見ろ!』と『(望ちゃんの)太ももは凶器』ってパワーワードが新川中の三年生間で大流行り。

女子の中には『見せて!』って言う子も多かったらしい。


女子『絶妙なライン…♡』

女子『絶対領域ってすごいね♪』

女子『手触りもすっごい!吸い付くみたいだよ!』


緑『はいはい、これ以上は有料だよ!』

きい『お触り厳禁でーす。』

茜『五体全てが凶器…!』


望『あたしの太もも触るなら…あたしにはおっぱい触らせてー♪』


望ちゃんが女子のおっぱい揉みまくった件はちょっと伝説になった。

…ちなみに自分との差にやさぐれちゃったらしい。


そうこうしているうちに京都の有名な仏閣へ着き、見て回る。

クラス単位で動くけど…くそ、有象無象ども望ちゃんに寄るな!


望ちゃんの周り相変わらず人だかりが出来ているし、親友たちのガード硬い!


鈴木『…そもそも親友の娘に紹介かフォロー頼めば良いんじゃ?』


鈴木はマッチョなのに理路整然とした事を言うんだよ。

※マッチョは関係ありません。


『もう頼んだ。』


鈴木『じゃ、その指示聞くかフォロー頼めば良いだろ。』


『全員に断られた…。』


鈴木『え?皆んな良い子じゃん?』


『そうか?皆んな感じ悪かった…。』


☆ ☆ ☆

裕太のお願い。


Q,

立花望さんを彼女にしたいです。俺、三島裕太の力になって!


A,

緑『え?いや。(蔑む目で)』

きい『…人を紹介するって事はその人の人間性を保証するって事だよ。』

茜『三島くんが?望の?

あはははははっはははは!無理に10000ペリカ♪』

芹『…うーん…言いにくいんだけど…。望ちゃんは好きな人居るから…。』


☆ ☆ ☆


鈴木『え?それって結論出てないか?』


『俺は信じない!そうだったとしても俺をよく知ればきっと、

押し続ければきっと靡くはず!』



そうだろ!きっとあの宏介だろ?

姉ちゃんにこっぴどくフラれたあの。


鈴木『…。』


『大丈夫、望ちゃん向けに策があるんだ。』


どうせ碌でも無いって鈴木が呆れてるけど!

でも!望ちゃん兄貴だってさ!

聞いたんだ!望ちゃんの兄貴の…あの人だって!

※名前うろ覚え。


『あの香椎玲奈先輩をナンパから助けてすっごい感謝されて同じ班だったけど超仲良くなったらしい!

…颯爽と救ってくれた俺に兄ちゃんの面影を見るはず…!』


鈴木に説明するんだ!

あんな可愛いし絶対他校生から声かけられる!俺には自信がある!

そこを望ちゃんの兄ちゃんを思い出すような救出劇!

望ちゃんはブラコンらしいし兄ちゃんみたい!って好感度アップ!


あー!明日の自由行動楽しみ!

男子3女子2で1日動き回って…いつか付き合って明日の話になって…。




望『懐かしいね?修学旅行の写真見てるの?

あの頃は裕太くん私の気持ちも知らなかったでしょ?』

※裕太の妄想望ですw


ブラコン甘えん坊の望ちゃんに俺の包容力見せてやるぜ!


鈴木『お前に包容力?』



三島裕太の修学旅行は楽しみでいっぱい!

…それがあんな事になるとは…。

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