第193話 猛獣西へ【side立花望】

GWも終わり、北翔テニス部練習参加事件後に一度向こうの顧問とも会ったしじきに処分がくるでしょ?来月に全中の県予選大会始まるし、遊んでられるのは今だけ!


芹『そう言いつつ望ちゃんは遊んでばっかじゃない。』


『だってー今年いよいよ高校受験じゃん?来月は全中予選だし

今遊んでおかないと…。』


私がぶーたれると、


緑『望と何して遊ぶ?』

きい『男遊び?』

茜『昔はよく男遊びしたよねー?』


親友sは人をからかう。

芹が焦った様子で、


芹『えー?!男…遊びって…?!』


芹が勘違いしている…芹とつるんだの中学生からだもんね。

3人は笑いながら、


緑『望は小学生の真ん中頃ちょっと荒れてて?』

きい『男子シメまくってたんだよ!』

茜『マジだからね。

お兄さんの、のぶにゃがの野望に感化されて、新川小を制覇するってw』



『おい、やめろ。』


1番付き合いが長い茜が、


茜『マジだよ、調子乗ってる男子は大体なんかしらで勝負して負かしてるからね?目立つ男子は一回は望と勝負しているはず。

お兄さんは武将のノリだけど妹はヤンキー漫画のノリw』


『でも、今年でみんなバラバラだねぇ。寂しくなっちゃう。』


私が話を逸らす為にセンチな話題に切り替える。

話題は来週に迫る修学旅行に。


緑『でもさ?香椎先輩もそうだったらしいけど望も修学旅行で告白とかされちゃうんじゃ無い?』


きい『確かに。記念とか旅先のテンションとかあるかもね?』


茜『大体の奴と勝負しててあの頃の猛獣感あるからなんとなく気恥ずかしいのか告って来ないだけできっかけあると告白ラッシュあるかもよ?』


『あたしが?ないない!』


あたしは笑い飛ばすけど親友sは真顔で心配してる。

まあたまに?男子の視線は気になるけどさ?

あたしに告白されても絶対に受けないよ?


芹『それがわからない子が告ってくるんだよ。』


『じゃあどうしたら良いの?無理難題ふっかける?』


緑『良いんじゃない?何にする?』

きい『不可能に近い奴がいいよ!』

茜『12の試練とか?』

※ギリシャ神話のヘラクレスの逸話より。


『ヘラクレスが来ちゃうよ!』


ゲラゲラ笑い転げて、


『まあ?あたしが良いって言う物好きさんだからね?

バーベキューするから燕の子安貝を30個位持って来てって貰おうかな?』


ちょうど古文が竹取物語だったんだよね。


緑『かぐや姫でもw一個でしょw』

きい『しかも食べるんかい!』

茜『腹壊しそう(笑)』


芹『かぐや姫級の難易度の割に宏介くんのくれるお菓子一個で、


『トゥンク!』


ってなる癖に!』


ゲラゲラ笑い転げる私たち。

かぐや姫wないない!あたしそんなにモテ無いよぉ!


望『でもさ、そうゆうのって普段からのアプローチあっての事でしょ?

旅先のテンションとかイベント感で攻められたらあたし白けちゃうけどな。』


わかる、確かに!側で聞いてる付近の女子からも同意の声がする。

でも最後に芹が少し真面目に、


芹『でもね、望ちゃんは小学生の頃と違ってすっごく綺麗になったし、男子たちは望ちゃんすっごく注目してる。

子供の頃取っ組み合いのケンカした相手だから気恥ずかしいだけで機会あれば告られるかもだから気をつけてね?』



『がっはっは!返り討ちにしてくれるわ!』



あたしがスラッパーちゃんをハイソックスから抜きながら歌舞伎役者の様に見栄を切ると、


緑『まじ腹痛いw』

きい『悪役のセリフっしょw』

茜『誰か望に乙女心教えてやってー!』

芹『告白を返り討ちの意味わかんないよぉ!』


笑い転げながら修学旅行楽しみだね?って言い合う。

行き先は京都なの!あたしは修学旅行の話してると生八橋の口になっていた。

あ、でも芹クッキーおいちい。

もう一枚ちょーだい♪


あたしがこの告白の話しを思い出すのは修学旅行2日目の事だった。


☆ ☆ ☆

一方で三島裕太は燃えていた。


裕太『修学旅行でキメる!

旅先のムードと非日常感で!』


裕太は修学旅行で勝負をかけるべく、友人に根回しや準備を怠らない。


幸い班分けで望、芹コンビと裕太の仲間たち3人が一緒班!

ここでキメて来年北翔でラブラブ登下校!裕太の野望は燃え上がる。


裕太『なんかキッカケさえあれば!

旅先で燃え上がる恋!』


望が1番嫌いなタイプのアプローチを準備万端、裕太は今日も空回り。


☆ ☆ ☆

次回望の修学旅行回。

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