第182話 GW最終日の3on3
二宮『何処へ行っても混んでいる!
ラウンド2もカラオケもゲーセンもボーリングも遊園地も!
だから私たちはここへ来た訳で?』
GW最終日、ここは植物園。
二宮さん提案の浩と高橋さん…
※高橋さんに名前が付きました!
以前承が香椎さんとデートした穴場スポットで広い池のある公園、室内植物園を見れるポイントで結構空いてたと。
少しアカデミックなのも浩と高橋組には良さそうで場所に悩む二宮さんに俺が提案した。
※本編バレンタインデート編参照、承は二日連続来ましたw相手は香椎さんと妹弟。
今日の主役!高橋さんはピンクのカーディガンにボーダーのTシャツ、茶色のスカートに小さいカバンを肩にかけている。
永瀬さんは少しカジュアル目な茶色の薄手の上着に白いブラウス、黒のスラックス。
二宮さんはチェックの丈長い上着に黒インナー、グレーのミニスカートと言った感じで皆んな美人で目立つ3人。
俺も浩もカジュアル目な春物でまとめていて浩はシュッとしてるので結構爽やかめな清潔感ある感じで結構センス良いと思う。
…問題は…。
康司『本日はお日柄も良く!』
この第三の男である…。
康司はスーツっぽい上着に厚手のズボンに中ワイシャツで…ぱっと見て上下色変えたスーツに見える…どっちもグレーでしかも微妙に色違う。
いっそ上下同じ色か全然違う色なら良いのに…
今日の趣旨を説明しても、
康司『わかった!浩は高橋さん!俺と宏介は二宮さんと永瀬さんを落とす!俺は二宮さんを…永瀬さんも惜しい…!』
『…俺たちはオマケなんだぞ?』
康司『オマケ欲しさに買ってしまう事もあるだろう?』
…心配。あんなにバスケの試合では従順なのに…
この話を幹事の二宮さんに伝えると、
二宮『…最悪置き去りにしても良い?』
『…悪い奴じゃ無いんだ。女の子慣れしてないから…。』
康司、上手くやれば無難に二宮さんたちと遊べるんだからって言ってもかかってる状態。
※かかる…競馬用語で馬が興奮状態で騎手の制御を受け付けない状態。
不安はあるけど見切り発車で始まった。
まず植物園館内を見学することに。
最初は6人で館内に入り、季節の花コーナーを見学する。
承と香椎さんが見に来た頃はチューリップだったらしいけど今の時期は主に
アヤメやツツジ、そして大量のラベンダーがびっしり植えられてる温室。
聞いてた通り暑めな感じする。歩くともっと暑くなるかも。
幸いお客はGW中でも混雑!ってほどじゃなくってゆっくり見て回れる。
穴場だよね…正直知らなかったもん。
二宮さんも感心してた。まあギャルでJKなら植物園ってチョイス無いわ。
承と香椎さんが特殊でしょ(笑)
特にラベンダーは圧巻の量ですごいラベンダーの香り!
綺麗な紫と香りにしばらく立ち尽くす。
康司『二宮さんの方が美しいよ?』
二宮『駄目だこいつ…早く何とかしないと…。』
二宮さんの心の声ダダ漏れ。
それでも主役たちは…
浩『ラベンダーの香りってストレス緩和とかに良いらしくてアロマオイルとかにも使われてるよね?』
清香『確かに!良い香りだね?』
浩『そうだよね?』
『『ふふふふ!』』
いい感じじゃないか?
☆ ☆ ☆
私がなんとかする! side二宮新名
駄目だこいつ…早く何とかしないと…私は思ったよ。
とりあえず団体行動はここまででいいでしょ?
清香(高橋さん)とあやを切り離して?康司くんを?隔離して?
ほんっとうはさ?私が直接フォローしてあげたいっ!でもこいつなんとかしないと雰囲気どころじゃ無い!
そもそも2年になってからクラスが変わり関係性が少し変わってしまった。
私たちは生徒会書記のあやとクラス委員長の清香と見た目派手な私が集まってクラス仕切ってるけど二年生になってから宏介くんたちグループは席の都合で小佐田さん優木さんグループと近しい。
あやも清香も指咥えて見てるだけ。寂しいなら自分からイケばいいのに?
ふたりとも、もじもじもじ!見てらんない!
特に清香なんて!席離れて話す名分ないと話せないってなんなのー!
あやはまだ部活で会うみたいだけど…。
清香はまずい、このままじゃ関係がリセットされちゃう!
それで思いついたのがこの企画。
こないだの九頭くんの事件の時、詰め寄る九頭を後ろから抑えた宏介くんに、びびる清香を見て弱そうな浩くんも宏介くんに加勢してくれた!
これだ!って思ったね?
あやには、『清香の為に…!』
清香には、『あやの為に…!』
って言ってる。
男子には逆で、
宏介くんに『浩くんと清香を!』
浩くんには『宏介くんとあやを!』
って私冴えてない?
誤算はただ一つ、
康司『やっとふたりになれたね?ヴァレンタイン以降なかなかロイン返してくれないから…。』
『あー、忙しくって?ごめんごめん。』
康司くんだけはあのふたりの側に置いてたら雰囲気ぶち壊し!
隔離病棟へ監禁…!
『…私…食虫植物じっくり見たいー。』
康司『二宮さんは変わってるなぁ♪だがそれがいい!』
私もう疲れてきた…カラオケオールしてもこんなに疲労感無いのに…
しかしこいつを野放しにするわけには…
よくゲームでさ?命をかけて魔物を封印する師匠ポジって居るじゃん?
私今ならあの気持ちわかるわ…。
弟子や妹分の未来の為だから…それ以外に思う事無いもん。
あや、清香、
☆ ☆ ☆
季節花コーナーからばらけて展示を見る事になった俺たち。
…当然浩は高橋さんと…。
俺と康司で…って二宮さんに浩と高橋さんが不自然になっちゃうから!って注意されてしまった。
二宮『いい?宏介くん?宏介くんはあやをエスコートして。
清香が疑わないようにしっかり目にデートっぽくしてくれると良いんだけどなぁ?』
チラッチラッと二宮さん。
永瀬『わかった!行こ!宏介くん!』
あ?!ちょっと強引に永瀬さんに袖を引かれて俺はつんのめるように歩き出す!
こっちに滝があるらしいよ?
俺は永瀬さんと一緒に承オススメの滝と洞窟の熱帯樹木コーナーへ足を踏み入れる!
永瀬『うわ!椰子の木!』
『…背高いね?』
比較的寒冷地の我が県では椰子の木は珍しい。
尖った葉っぱの木や見た事無いソテツなど見ていて飽きない普段絶対に見ない樹木たち。
そして、
高低差約6mの滝!大きな音と水が落ちる音が響く。
熱帯の木を育てる為に気温高めの湿度高め…こうやって環境作りを…!
聞いてたけどさ?室内展示でこの6mの滝は考えてないじゃない?
ふたりしてポカンと滝に近づき見上げていた。
『…。』
永瀬『…。』
お互いに相手の顔を見ると…多分同じ顔してる。
ポカンと少し口を開けて上目使いで滝をぼんやり…。
目があって…3秒。
『『あははははははっ!!』』
ふたりで笑い合う!
お腹痛い!お互い肩叩き合って、顔クシャクシャにして!
『永瀬さん!シャボン玉見上げる幼女みたいな顔!』
永瀬『宏介君だって!屋根にボールが入ってしまった少年の顔!』
一通り笑い合うと永瀬さんは少し怒りながら肩をもう一回叩く。
永瀬『最近さ!小佐田さんばっかりじゃん!
ずっと宏介くんの隣は私だったのになー!』
怒るとポニーテールが跳ねるように見える永瀬さん。
だからきっと怒っては居ないはず。
『…そうだね、ずっと隣は永瀬さんだったね。』
永瀬『わかってるのー?今の永瀬綾の気持ちを簡潔に答えよ?
ここテストにでるよ?』
難問!
俺は…。
『今日は楽しく?』
永瀬『もう!今日はそれで良いよ?
清香上手くいってるかな?』
俺も思う、
『浩上手くやれてるかな?』
永瀬さんは少し赤くなりながら、
永瀬『…でもさ?浩くんと清香が付き合ったら…どうする?』
『どうするって?』
永瀬『きっと顔合わせる機会もまた増えて…そういう雰囲気になったり?
付き合うハードル下がっちゃうかも。』
『…そうかな?』
永瀬『こういう感じ?グループ交際みたいな機会増えちゃったり…
ふたりを2人きりにするのにこうやって気を使うシーンも増えない?』
まあ確かに。
『そうなったら俺は永瀬さんとお出かけ頻度が倍増するね。』
永瀬『そうだよ!清香の為じゃない?』
永瀬さんはご機嫌でずっとニコニコ可愛い笑顔!
あい変わらずの魅力に寒気がするけど、永瀬さんが楽しめるように俺も楽しんで今日過ごさなきゃ!
チラリと二宮さんが他展示室から現れた。
二宮さんは永瀬さんにパチンってウインクした。
永瀬さんは両目を瞑った。ウインク失敗!
二宮さんは疲れた笑顔で合流せずに消えて行った…康司はどうしたのだろうか?
見学順路は消えた二宮さんの方向だった。
歩いて行くと…
展示室と展示室の暗い境目に康司が縛られていた。
植物を固定するのに使われてたビニールテープ。
康司は死んだ魚の目で、
康司『…これ二宮さんの趣味で俺縛られてるんだよね?』
『ちがう、多分。』
康司と合流した…。
あのウインク…来るなって合図だったんだね?
永瀬さんががっかりしてるのを背中で感じた。
☆ ☆ ☆
@tohrusanさんリクエストの高橋さんの話しスタートです。
にーちゃんが必死に清香とあやを盛り上げようと必死でしたが康司にことごとく邪魔されて遂に縛られて放置されましたw
あと高橋さんに
後半戦で少し甘めになっていくかも?よろしくお願いします。
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