第181話 愛莉先輩とティータイム
承たちとの釣りキャンプを6:30で切り上げて。
俺は一目散に家に帰った!
氷入れた袋からはみ出すヒラメをぶら下げて自転車で疾走する俺はきっと相当おかしい人に見えただろう。
あんな楽しくて興奮してたから気にならなかったけど体は砂まみれの寝不足、疲労、でも早朝でっかいヒラメが釣れて興奮で瞳孔開いてる状態は客観的にヤバい。
7:30に家に着く。
母さんにヒラメを渡してシャワー浴びて着替えて軽く飯食いながら母さんに聞かれるまま気持ちよくヒラメを釣った状況を語る…!
やばい!時間無い!
慌てて8:10家を飛び出し再び自転車で疾走!電車に飛び乗りターミナル駅へ!
田中くんは映像研休んで最後まで居るらしい。
羨ましいけど試合あるから休みたく無いんだよ…。
ターミナル駅の反対側にある私立高校でよかったよね…。
9:00集合だったのも助かった。
二日目身体が多少重かったがなんとか乗り切った。
試合は1勝1敗。
☆ ☆ ☆
愛莉『宏介くん?調子悪い?』
『…いえ?』
パフォーマンスは落とさなかったはず…だし身体はキレてた。
点も決めたし?
愛莉『紅緒さんから昨日の写真来てるよ?
…良いね?楽しそうで?明後日も永瀬さんたちとお出かけ楽しいんだろうね?』
バレてんのか…。でも練習も試合もしっかり集中出来ていた。
多少の疲労はあったけど調子自体は良かった。
『…釣りしただけで全然疲れてないです。
永瀬さんとお出かけってより?浩の。友人のアシストです。』
愛莉『良いなー。お姉さんはゴールデンウィーク部活漬けで?最終日も溜まった諸業務と洗濯に出て来るけどきっと誰も居ないんだろうなぁ…?』
『…俺…最終日…。』
愛莉先輩は雑務にマネージャーたちの管理やら忙しい。
…無神経だったかもしれない。
俺が言いかけると愛莉先輩はにっこり笑う、
愛莉『うそうそ!楽しんでおいで?
冗談間に受けるからこっちが焦っちゃうよ!』
少し垂れ目な目をさらに目尻を下げて笑いながら揶揄いすぎてごめんね?って愛莉先輩は謝る。
愛莉先輩も色々あったしストレスや不満溜まってるんだろうなぁ。
女の子が好きな事…ストレス解消…。
『…明日の帰りカフェでゆっくり話しましょうか?
何でも、いくらでも話し聞きます。話し手としてはともかく?
聞き手としては定評あるんですよ?』
愛莉『良いの?やった!
楽しみ!明日勝ち越せたらお姉さんがカフェ代は奢っちゃうよ?』
俺は気合い入れて、
『じゃ絶対勝たなきゃですね?』
愛莉先輩のご機嫌治った!
☆ ☆ ☆
三日目、疲労はピーク!
昨日は帰って早めに寝たけど連日のキツめなトレーニングと午後の変則的な試合はきつい。
インターバル15分で連戦とかおかしい。
それも今日でおしまい!
今日も一勝一敗でトータル4勝2敗で勝ち越した!
キャプテン『お疲れ様!明日は休めよ!』
キャプテンの解散宣言で皆んなバラバラ帰途に着く。
一度ターミナル駅に戻る部員が大半で固まって歩く。
ターミナル駅で思い思いの方向へ散らばった。
愛莉『お待たせ♪』
なんか気恥ずかしいけど、別れたフリして愛莉先輩とターミナル駅の反対側改札で待ち合わせて駅隣接のビルカフェへ入る。
こっち側用無いからなんか不思議な感じ。
勝ち越した事が嬉しいのかな?愛莉先輩は鼻歌歌いながらご機嫌で。
ニッコニコの可愛いお姉さんって風情。
愛莉『勝ったし♪今日はゆっくりおしゃべり出来るし♪嬉しいな♪』
喜んでくれたなら良かった。
愛莉『しかも?宏介くんから誘って貰ったし♪
お姉さん嬉しいっ♪』
愛莉先輩は俗に言う一軍女子で友だちも多く、話す人なんていくらでも居そうだけど…?
俺にはわからない遠慮や関係もあるのかも知れない。
俺は話しを促す。
愛莉先輩は楽しそうに部活、勉強、友だち、家族のことを語り始める。
大学、夢と未来の話しをし始めると顔が曇った。
愛莉『高校も残り一年切っちゃった。この夏で部活は引退になるよ…。』
愛莉先輩が目指すスポーツトレーナーやそれに携わる仕事の為にも夏結果出さなきゃ!
『絶対に夏出し切りましょうね?』
愛莉『うん!そうだよね!
勝ち負けはあるよ、でも全部置いて来ようね!』
ケーキセットでアイスコーヒー3杯飲んで時間はあっという間に2時間半。
キャンプもだけど時間はあっという間に経ってしまう。
愛莉先輩は大きなリアクションで驚く!
愛莉『ええ?!
もうこんな時間?まだ来て30分位かと思ってたよぉ…。』
そんな訳無いでしょ?
…本気みたい。
女の子っておしゃべり大好きだもんなぁ。
※宏介はここがにぶい。
『また、来ましょうね?
次回は俺の奢りで。』
愛莉先輩はにっこり笑って肩をぽむって叩くと。
愛莉『後輩なのに生意気すぎだよ!』
綺麗なお姉さんはご機嫌でお会計をしている。
さっき見かけて買った『お花が入った入浴剤ギフト』を取り出して待つ。
愛莉『お待たせ!宏介くん?』
俺はご馳走さまですってお礼を言ってから両手でこれを差し出す。
『愛莉先輩もお疲れ様でした。
これお花が入ってる入浴剤なんですって。
綺麗で良い匂いするらしいので良かったら使ってください。』
愛莉先輩はポカンとしたあと嬉しそうに胸に抱いて、
愛莉『ありがとう、気を使わせちゃったね?
きっと素敵な匂いとお花が出て来るのかな?楽しみ!ありがとう宏介くん♪』
愛莉先輩を向こう側、北翔高校近辺まで送る。
一応車乗るまで付いてる。
車は呼んだらすぐ来て、愛莉先輩はすぐ来ちゃったって残念そう。
すぐ来た方が良いでしょ?
愛莉先輩は見えなくなるまで手を振ってくれた。
これでゴールデンウィークあとは明日の、
『浩と高橋さんを応援する会を』残すのみ!
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