第165話 日奈子の聞き込み【side友永ゆかり】
翌日の放課後、待ち合わせのベンチに現れた一年生の
私に任せてください!って昨日との落差に笑う皐月。
皐月『あんな見栄切ってなんなの?その有様?』
日奈子は涙目で、
日奈子『ジャパニーズヤクザガールだなんて言わなかったじゃないでスカ!』
日奈子は帰国子女だから?語尾が癖つよ。軍師に憧れる娘は外にはねた栗色の髪の毛がトレードマークの可愛い女の子。
陽気で物怖じしないタイプに見えたのに…小佐田さんは手強かったと見える。
日奈子『ムジヒ!チンピラ!目つきイッテる!
日本こっわ!』
それ以上は…。
日奈子『ゆかり先輩はテッポ玉だったのですか?
こっわ!ヤクザガールおそるべし!』
小佐田『誰がヤクザガールだって?』
日奈子『…でた!』
日奈子の後ろから小佐田さん登場!小佐田さん来るの知っててディスってたの?何考えてんのー!
小佐田『…ゆかりっち?コイツ絞めて良い?』
『いや…日奈子はまだ入学したての知り合ったばかりで…しかも外国育ちですいません。今回は見逃してください…。
しっかり言い聞かせておきます…。』
私が謝ると小佐田さんは頷いて日奈子に、
小佐田『…1組にはその宏介くんこと斉藤くん居るんだから直球すぎでしょ?
空気読めないの?わかってる?』
結構直球で小佐田さんに宏介くんの事聞いたのかな?
皐月は嫌そうな顔しながら、
皐月『…偉そうに…。』
皐月!もう助けてもらったの忘れたのー?!
皐月だけでも大変なのに!日奈子!
日奈子は今日の昼休みに何があったか話しだす。
日奈子『…小佐田先輩か宏介先輩に会いに2年1組を尋ねたら宏介先輩は居なくて小佐田先輩は出かけるとこで後を付けたら爽やか男子な先輩と待ち合わせて表情が優しくなって…これは上機嫌!チャンスって思って話しかけたら…顔がヤクザになりまシタ…。』
『それは彼氏の涼くん。
絶対涼くんとの邪魔しちゃダメだよぉ。』
私の補足に涙目で頷く日奈子。
小佐田さんがそれを聞いて、
小佐田『なんなの?空気読めないの送り込んで?なんか用あるならゆかりっちが来たら良くない?』
日奈子『ヤクザガールアゲイン…!
放課後聞くから絶対邪魔するな?!ってドーカツされまシタ…。』
小佐田さんは、あぁん?って唸ると日奈子はビビってた。
会ったばっかりでも小佐田さんの怖さってわかるんだね。
でもビビりながらも日奈子は先輩の小佐田さんに話しかける、
日奈子『それで?本題なんですけど。
屑をゆかり先輩に会わせたのはなんでですか?
文化祭の準備に忙しい時期でしたよね?
話し聞く限り小佐田先輩はクレバーで知的。怖いけど。』
褒めているのかディスっているのか聞いててヒヤヒヤする日奈子の話し方。
小佐田さんも引っかかっているけど話しの腰は折らない、
小佐田『…頼まれたんだよね…。』
日奈子『…屑に?クズ野郎と評判の九頭先輩にですか?』
小佐田さんはスッと目を細めて、
小佐田『…九頭も紹介してって言ってきた。
九頭をずっと好きだったってゆかりっちが言ってたのは知ってたから紹介はした。
…今ね、その九頭が色々やらかしててちょっと周りが荒れるかもしれない。
…九頭と疎遠になってる方がゆかりっちには良いかもしんない。
じゃ行くね。』
小佐田さんは怖い顔して部室棟方面へ歩いて行った。
私たちは顔を見合わせた。
☆ ☆ ☆
皐月『…九頭くんやらかしてるんだ…。
まぁゆかりにふさわしくは無いよ…。』
皐月も私も顔を見合わせるけどなんとも言えない。
私も皐月も友人が学校に居ないから情報が入ってこないんだよね…。
日奈子が注目したのはそこじゃ無くて。
日奈子『クズもって言っていました!
クズがゆかり先輩に繋がるようにヤクザガール先輩にお願いした人が居マス。もちろんクズの意志なんで
皐月『ジンジャー入ってるわよ。』
真面目な顔で日奈子は私があまり気にしていない部分をクローズアップする。
…九頭くんも友達はほとんど居ない…。
日奈子『やっぱりキーパーソンの『宏介くん』先輩に聞かにゃーですね?』
聞かにゃーって響きがなんかネコっぽくて可愛くて吹き出しちゃう。
不思議そうな顔してる日奈子に違う違うこっちの話しって伝える。
イントネーションで笑ったって思われたら日奈子気にしちゃうよね。
正直日奈子の語尾癖つよだけど可愛いなぁって思う。
日奈子『私明日宏介先輩に会ってみようと思います。
少し話してみて夏から秋に何があったか。
…デリケートな話題だからなんて聞けば良いかな?』
首を傾げて日奈子は少し考える。
日奈子『当たって砕けろ!カナ?
最近どうですか?ちょっと前は大変だったって聞きました!ってどうでしょう?』
『…まだ女性苦手かも知れないね?日奈子可愛いから避けられるかも?』
皐月『…情けな。なんで女性苦手になんてなったんだろ?』
※お前が主因です。
日奈子『私可愛くないから大ジョーブ!』
『可愛いよ?』
皐月『けっこう可愛いでしょ?』
日奈子はムフンとドヤ顔で、
日奈子『三国志の軍師、鳳雛こと龐統は見た目は冴えない外見でした。
そのせいでなかなか重用されませんでした。
その才能を惜しんだ友人や同僚から紹介状を何通も貰って運命の君主劉備に仕官しますが見た目で地方の閑職に飛ばされます。でもその才と実務能力で再度劉備と対面し語り合う機会を与えられれば劉備は龐統に絶大な信頼を寄せて死ぬまで手放しませんでした。
私の本質は見た目じゃ無いんでスヨ。』
皐月はふーって息を漏らし。
皐月『勿体無い。女の子は見た目だと思うけどなぁ。
ほんっと宏介と話し合いそうな娘だわ。』
日奈子『皐月先輩と合わないなら私とは合うかも知れませんね?』
日奈子は無邪気に皐月をディスる日奈子の顔はやっぱり可愛くって笑っちゃったんだ。
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