第164話 変わった女の子【side友永ゆかり】
??『ふふふ!部外者の目線での今の話しの印象聞きたく無いですか?』
話しかけて来たのは一年生。知らない娘だね…。
栗色の外に跳ねた癖っ毛の結構可愛い女の子。
大きな目の生意気そうなこの娘はすっごい楽しそうに、
??『今なら軍師目線でアドバイスしてあげますよっ!』
皐月『…私,軍師とか武将とか言ってる奴苦手なのよねー?パス!』
皐月が即答してハンドジェスチャーで断るとチラッチラッとその娘が捨てられた犬みたいな表情で何度もこっちを見てるの…。
だめ、私こういうの…無視できない…っ!
『ねえ?一年生かな?今の話しを聞いてたの?』
その娘は悪びれもせずに言い切った、
??『はい、最初から最後まで!』
皐月『うっわ、何なの?この子?』
??『ふふ!私は先週入学した1年1組
うん?ちょっと語尾が?
女の子は外はねの髪をいじりながら、
鳳『あぁ、私先月まで香港に居たのです。ちょっと発音がまじって怪しいんです。ゆっくり話せば大丈夫だしすぐ慣れます。』
皐月『帰国子女ってヤツ?気取って…。気に入らない!』
皐月はおしゃれなものやステイタス好きなんだけど…人が持っているのは気に入らないんだよね…。
その鳳さんは遠い目をして、
鳳『香港…の端っこの端っこの端っこなので治安は悪い!なんでも古い!
言葉も英語と普通の中国語と広東語が入り混じり、混沌とした言語で大変でシタ…。
あっちでも外人呼ばわり、日本に戻っても外国帰り!って扱いでして。』
鳳さんは表情を曇らせる。
私はフォローしようとして、
『でも?帰国子女で?鳳さんみたいに美人だったら?男子が放っておかないでしょ?』
鳳さんは悲しそうに、
鳳『最初の事故紹介…失礼自己紹介で?趣味は三国志ですぅ!って媚びたのに…クラスで腫れ物扱いでシテ。
…パパンが日本は空前の三国志ブームで…武将も女の子になっちゃう位人気って言われたノニ…。』
パパン…それ無理だよ。
鳳さんはコホンと咳払いをすると、
日奈子『私は後輩なので?日奈子って呼んでください。
先輩、さっきの話しですが…。先輩たちはビッチなのですか?』
『…い、いやぁ。それは…?』
なんとも言えない…言えないわけじゃ無くて言いにくいの意味。
日奈子は続ける。
日奈子『だって?好きな男の人居てソッコーで寝返ったんでしょ?』
皐月『寝返ったって…嫌な言い方するわね…宏介みたい。軍師とか言ってるんだから気は合いそうね?』
『…もう話し進まないよ。あのね…。』
私は細部は省いて自分のしでかした事、夏から秋にかけての事。
それからのこと、皐月の事小佐田さんとの事を軽く話した。
それで、日奈子が言うには、
日奈子『陰謀の匂いがします…!
誰かの意図で描かれた絵図にそれぞれの思惑に意図が見え隠れする…!』
ちょっと酔ってるのかな?
この娘大丈夫かな?
日奈子『その『宏介くん』がきっとキーパーソンデス!』
※そりゃそうだ。
ちょっとドヤ顔で言い切る日奈子。
皐月は呆れながら、
皐月『陰謀って高校生のうちらでそんなこと…。』
ずずいと皐月に密着し、
日奈子『世界は陰謀で満ちているんですヨ。
コロナも株価も、リニアモーターカーの工期延長も!』
皐月『近い近い!あんた友達居ないでしょ?』
※今日のおま言う。
日奈子はどんよりした顔で、
日奈子『私は小学6年まで日本に居たんです。
あの頃三国志の話しで男子は爆釣だったノニ…今その話題フったら皆んな遠巻きにして珍獣みたいに見られちゃって…。
だいだらぼっちって言うんでしたっけ?』
皐月『それ日本の妖怪よ?』
日奈子『あはは、シッパイシッパイ♪』
会ったばかりだけど日奈子は陽気でちょっと世間知らずで私はすっかり好きになってしまった。
日奈子は陰謀説を曲げない。
日奈子『最初に戻るんですが、そのタイミングで出会い、口説き簡単に陥落する…小沛城よりちょろいです…。
何者かの意図を感じマス。ちょっと調べてみませんか?』
※小沛城…三国志序盤で取ったり取られたり持ち主がすぐに変わるお城。
皐月『どうやって?』
日奈子は自信たっぷりに、
日奈子『聞き込みですヨ、関係者に。
それ以外無いでショ?』
皐月『…あんたムカつくわぁ…。』
突飛な事言う割に手法は堅実で当たり前。
『…でも、私や皐月じゃ…宏介くんには…?』
日奈子はわかってるってジェスチャーで、
日奈子『友達も居ませんしこの1週間この学校は普通で退屈していました。
私に任せてくださいナ?
それじゃ、キーパーソンは…その『宏介くん』と『小佐田さん』ですね?』
私はくれぐれも皐月と私の名前出すと迷惑かかる事、あまり直接的に聞くのはダメって念押ししたのね。日奈子はうんうん頷く、
皐月は呆れたように、
皐月『宏介は軍師になるのが夢だったからあんたと気が合うかもね?』
日奈子は興味を引いたのか宏介くんの特徴や話を皐月から聞き出し、小佐田さんの特徴を確認して頷くとその場でくるりんと舞うように回ると、
掌を顔の前にかざし、
日奈子『放浪の
皐月『ほうすう?ほうとうみたいなもの?』
『…さあ?』
日奈子は泣きそうな顔で、
日奈子『鳳雛は鳳凰の雛ですぅ!
三国志で鳳雛こと龐統と伏龍こと諸葛亮。どちらか得れば天下も…!って言われた二大軍師なんですヨ!』
皐月『その鳳凰の雛がなんなのよ?』
日奈子『察しが悪いですね…私の苗字の鳳と名前の日奈子のヒナをかけてるんですヨ!
日本語教育の衰退が著しい…。』
皐月『はぁ?国語良いし!』
日奈子『なおさら度し難い…。』
会ったばかりだけど日奈子はおバカ可愛いと思ったのね。
☆ ☆ ☆
経緯
新一年生の元気な帰国子女、鳳日奈子嬢の登場ですw
新学年で新一年生誰も出てこないってどうなんだ?って思い出した娘さん。
あるが最初に小説書こうと思った時のプロット第一弾ヒロイン?主人公だった美少女です。
ある『【軍師彼女】か【委員長に恋した話】どっちにしようかな?
こうして鳳日奈子嬢は日の目を見ずに封印されたのでした(笑)
それが外伝書いたから出せた、感慨深い…。
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