第137話 宏介くんが家にやって来る【side立花望】
今日はホワイトデー!学校はもう春休み!
朝兄ちゃんがね?
承『望、宏介が今日夕方バレンタインお返し持って来るって?チョコあげたの?』
『…うん。今宏介くん彼女居ないし?今は女の子苦手って言ってたし
初めて手作りしたじゃん?だからあげた。』
承『ふーん、そっかぁ。
…でも宏介モテるから心配しなくてもチョコ貰えるでしょ?
むしろ女性恐怖症の方がもんだい…。』
…モテるから心配なんじゃん。
弟ひーちゃんも宏介くん大好きだから、
ひー『こうすけくんくるのー!ひさしぶりだね!』
承『ひーも宏介好きだなぁ。』
兄弟はあはは!って笑っているけどさ?
今日はバレンタインのお返しに来るの!いつもみたいに兄ちゃんに会いに来るんじゃ無くってあたし会いに来るのー!
え?あたしに会いに来る?
そう思うと落ち着かない。
だって?子供の頃から兄ちゃんと遊ぶついで、もしくは兄ちゃんに用があって家に来る…。
初めてじゃ無いかな?あたしに会いに来るって?
そう思うと…あたしはすっごい落ち着かない。
『どうしよ…。』
どうしようもない。
私は不本意ながら小さい胸の高鳴りが抑えきれずに今日を過ごす。
☆ ☆ ☆
午前、テニス部練習終わり。
芹『で?望ちゃん?友チョコのお返しは?』
…完全に忘れていたよ…。
こないだそれで酷い目にあったのにー。
あたしは話し逸らしたいの半分、本気で聞いて欲しいの半分で芹に相談するよ!
『ね?芹?今日宏介くんが…バレンタインお返し持って家に来るんだけど…。どうしたらいい?』
親友たちは顔を見合わせ、芹はポッっと顔を赤らめ、
芹『猛獣の望ちゃんが家に男の人来るって相談?』
『違うよぉ!宏介くんは家にはちょいちょい来るの!ただ毎回兄ちゃんに用事で?今日初めてお返し持ってあたしを訪ねてくるし…。』
あたしは柄にも無く指先をネジネジ。身体を使ってモジモジ。
…どうしたらいいんだろ?何すれば良いのかな?もう一回呟く。
親友1『女の魅力(物理)』
親友2『騙し討ち?』
親友3『ゲームでもしたら?』
親友ぅ…?
芹がまあまあって間に入って、
芹『…望ちゃんはさ?まだ意識されていないっぽいって自覚あるんでしょ?』
『うん。』
芹『…それなら?やっぱ女の子になったんだよ?って気づいてもらうしか無いんじゃない?』
親友s『『おおぉ!』』
芹が言うには自身のある?魅力的な?出迎え?
…話すとボロが出るって?なんで?
親友1『黙って立ってれば掛け値無しの美少女!』
親友2『…胸さえあれば…!』
親友3『胸無いから美幼女なんじゃ?』
『…ふぁっく。』
あたしは毒づく。親友sは完全に遊び始めた。
芹だけ考え込んで、
芹『望ちゃんが1番自信ある勝負着で出迎えようよ!』
あたしは恥じらいながら申し出るよ。
『…ピンクのフリル多めの下着?』
芹『…親友の妹が下着姿で出迎えた時の宏介くんの無の表情が見える!』
芹?言い過ぎ!
『じゃ、テニスウェア!スカート短いし!
脚は自信ある!』
親友1『家でテニスウェア着てたらバカだと思われるぞ?』
親友2『…宏介くんが?コスプレマニアならあるいは?』
親友3『望の勝負着とかけて…
望のおっぱいと解きます?』
私は聞き返す、
『その心は?』
親友3『どっちも庭球(低級)でしょう?』
『…まじふぁっく。』
こいつらに相談したあたしがバカだったもん!からかって!
あたしが怒り始めると親友sはあたしの機嫌を取りはじめた…!
『食べ物であたしが懐柔され!!
…ハミチキ?…帰りにハミチキ奢ってくれる…の?』
あたしは怒りを収めた…。
☆ ☆ ☆
望ちゃんの家に?!【side三島裕太】
春休み、サッカー部の練習が終わった頃、俺はテニスコート横で衝撃的な事を聞いてしまう…!
望『ね?芹?今日宏介くんが…バレンタインお返し持って家に来るんだけど…。どうしたらいい?』
(盗み聞きは良く無い…でも!)
そこから望ちゃんと友人の漫才みたいな冗談の話が続く中、望ちゃんの口からピンクのフリル多めの下着とか脚は自信あるとか!友人からも女の魅力とか中学生らしからぬ事を言いはじめて…。
まず衝撃として、バレンタインのお返しを持って来るのはバレンタインにチョコあげたからってこと?!やっぱり相手はあの宏介?!
あんな無口で無表情のどこがいいんだよ!
幸い当辺りに人は居ない。
…俺はテニスコートの側でしゃがみ込み、息を顰めて耳を澄ます。
…相川さんや友人たちが好き勝手に話して笑ってる…!
くっ!俺の望ちゃんが!あんな男に?
ん?望ちゃんの声がしない?
しゃがみながら俺はテニスコートに接近して、様子を伺う。
…テニスウェアの望ちゃんの脚すっごい綺麗で見る者を魅了する。
俺は我慢出来なくなってこっそりテニスコートを覗き込んだ…。
☆ ☆ ☆
奥義 side立花望
※暴力的な表現があります、ご注意ください。決して真似をしないようにお願い致します。
…あたしが帰り荷物持ってテニスコート戻るとテニスコートをしゃがみ込んで覗き込んでる人が見えた。
ははぁ、不審者だな。
後ろからそっと近づくけど…?
気づいて無い?夢中になって覗いてる?
更衣室じゃ無いし犯罪では無いけどさ?十分気持ち悪い…。
変質者ってやつだ!これはヤッちゃって良いのでは?
⬜︎ ⬜︎ ⬜︎
先日の兄説教。
承『望!怪我させたりしたら相手もお前も大変な事になるんだぞ!
よっぽどの屑以外は屑龍閃禁止!
…めっちゃ痛いぞそれ?』
『…はい。』
⬜︎ ⬜︎ ⬜︎
…屑龍閃はやめとこ。
お尻を突き出し、茂みに隠れる様にテニスコートを覗き込む姿を見て見逃すわけにはいかないよ…。
あ!あれ!
ちょっとグロい漫画だったけど!
あれなら!
あたしは右手人差し指と中指でスラッパーちゃんを握り込み、
左手はスラッパーちゃんの先端をつまむ構えを取る。左手で固定した状態で右手に力を溜め、それを解き放ちながら手首関節をしならせ動きを乗せ、凄まじいスピードと力を併せ持った回避困難な殴打を放つ術である。
原理としてはデコピンみたいに横にして貯めて、スラッパーちゃんの弾力性を全開で解き放つ!
望『
ブゥン!!
唸りをあげてしなるスラッパーちゃん!
バパン!!
裕太『あべし!!!』
なんだ三島裕太じゃん…屑龍閃でも良かったなぁ…。
三島裕太は悲鳴をあげて逃げて行った。
謝る暇も無かったね。
痛かった?ごめんて。
でもテニスコート覗くのは間違いないHENTAI行為だからやめた方がいいよ?
『本当にあべしって言うんだね…?』
私は芹たちと帰る事にした。
帰り道も作戦会議は続いたんだよ!
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