第123話 期末試験終了

期末試験終了  side三島皐月


5日目、試験最終日。

…!なんとか行けそうな?気がする!


私頑張った、小佐田やその仲間に苦手教科フォローして貰った。

…それでも間違いなく1番はゆかり。

ゆかりが側に居てくれて、ゆかりが苦手教科を教えあう事提案してくれて、

その上でこのままだと足りないって言って?小佐田頭を下げて、協力を仰ぎ勉強会が実現した。それでも毎日テスト終わりにゆかりの家で勉強した!


キツかった、本当にこんなに勉強したのは高校入試以来…。

考えなくてもわかる事、進学校なんだから気を抜けば、怠ればこぼれ落ちる。

…私は高校デビューを図り、一軍女子になりそれに目が眩み勉強を怠ってしまった。

…もう二度とこんな醜態を晒さない…!


結果発表はもちろん来週以降だけど…とりあえず今日は、今日だけはゆかりと労いあいたい!


ゆかりの5組へ行く!

以前は絶対行かなかった5組もすっかり小佐田組と顔なじみだから問題無い。

…自分6組の方がアウェイ感あるの。


『ゆかり!』


『…お疲れ様です。』


ゆかりも流石に疲労困憊みたいね。

お互いに労を労い合う。


『あとは結果次第…精一杯やったよ。お互いに。』


『うん、ゆかりのおかげ。

ありがとうゆかり。』


私は少しうるうるきちゃう。

まだ結果は出ていないし。予断は許さないはずよ。


『ゆかり…今日はさ?帰りに…。』


『皐月、私もう疲れちゃった…今日はまっすぐ帰るね?』


『…俺カレ奢るけど…?』


ゆかりはぐぬぬぬ。って唸ると、


『行く!』


そう言う事になったの。

俺カレで私の奢りでゆかりは半月ぶりの信くんセットをモリモリ食べてた。

私たちは語り合った。ここまでの頑張り、試験後の事。

…試験結果はどうあれ、過去に赤点があり、追試はパスしてきたとは言え成績は悪い方になるよね。


私は1学期、2学期と赤点ある。

ゆかりは2学期赤点、停学あり。


その為、試験結果を加味して教員会議で進級の有無が会議にかけられる。

…3学期の点数が良ければたぶん、進級は認められる。

…補習、追試の可能性はあるかもだけど。


提出物、出席日数、授業態度など加味されるんだろう。

こればかりは教員会議次第。

あとは真面目に暮らすだけ。

だからこそ先日のような正輝とのトラブルなどは絶対に回避せねばならない。

絶対にだ。



『皐月、ご飯が美味しく無くなるよ。』


不満そうに言うゆかりに謝り、今だけは束の間の打ち上げを2人で行った。



☆ ☆ ☆

久しぶりの… side友永ゆかり


私は試験を終えてへとへとだったよ。

もう、だめ。

毎日ストイックに勉強して過ごす日々。

皐月を監視して、小佐田さん気を使って、小佐田さん取り巻きにも配慮する!

何も考えていなかった頃が懐かしい…!


九頭くんとの事から目を逸らすように、太っていく事からも目を逸らしていた自分…。

でも気付いてしまった。…九頭くんはもう私に関心が無いこと、太ったこと、このままじゃ進級が絶望的な事。

一度気付いたらもう目を逸らすわけにはいかなくて、夢中でがむしゃらな半月だった…。

でももう流石限界!もう帰って寝る!何も考えないで寝るよぉー!



皐月の誘いに断り入れる。

少しひとりになりたい、



『皐月、私もう疲れちゃった…今日はまっすぐ帰るね?』


『…俺カレ奢るけど…?』


『ぐぬぬぬ…行く!』


久しぶりの俺カレ…天国でした。

半月ぶりに行ったよぉ!

おいひい…!


私が恍惚の表情で肉の旨みに浸っている頃。

皐月は、少し言いにくそうに私に話しかける。


『ゆかりに聞きたい。

…この間もだけど…なんで宏介のとの事止めるの?

…なんで宏介と接点があるの?』


…私と皐月は初めてそれぞれの話をした。

皐月は宏介くんとの馴れ初めを、高校受験を経て宏介くんと別れたことを。

私は、夏休みに九頭くんに勢いで告ってこっぴどくフラれて、映像研究会と宏介くんの助力で痩せて、九頭くんと再会して…九頭くんに靡いた話を。


初めて俺カレの美味しい食事の味がしなかった。

お互いの話を初めてすり合わせるように語り合った。


…皐月は宏介くんに執着がある…私にもあるよ。

でも、私は合わせる顔無いって思ってる。

しかし、皐月は何故か宏介くんを下に見てる、自分が言えば宏介くんが受け入れるって信じてる。付き合いが長かったから?互いに初カレ初カノだったから?


これは良く無いよ。お互いの為にならない。

それでも皐月は自分なら宏介くんが嫌って言わないって信じてる。

それは滑稽なような悲しいような強がりに私は見えた。

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