第121話 試験からのトラブル【side三島皐月】

間違えて本編側にあげてました…。

御指摘ありがとうございました。汗


⭐︎ ⭐︎ ⭐︎


そしていよいよ、期末テストに臨む…。

緊張する…。

ここで成績悪い様だと?問答無用で留年が確定しちゃうし。

ここで良い点取れれば年間の平均点数を上げて、無事進級の目も出て来る。


この為半月以上前から頭下げて、勉強会して、ゆかりと苦手教科も教えあった。

それでも不安はある。


1学期、2学期ともあんななのに…3学期は良いなんてある?

ネガティブな気持ち、負けに慣れた弱い心が気持ちを萎えさせる…。


クラスに味方は1人も居ない…。

みんな自分の事だけ…でもそれが普通。

私は色々やらかして、このクラスを敵に回してしまった。

小佐田を見てて思う、一軍女子こそ人の支持が、人気が必要で自分の事は優先しちゃいけなかったんだって。


…そう言えば香椎玲奈はそうだった。

皆んなの為なんて大義名分に奔走して?馬鹿みたいにって思ってた。

もし、一軍女子だった頃、私がこの事に気付いてたら…はは!意味ないね。


今はテストに集中しよう。

1日目、良い…!我ながら得意科目ってのもあるけど?苦手科目のケアで得意科目も点数下げてたけど今回は良かった!

テスト期間は午後休みだから、ゆかりの家で午後勉強する。

明日は苦手な英語が登場する…!

苦手科目が重ならなくて良かった!

ゆかり気を使って私に問題出してくれたり、英語を重点的にやってくれてる!

明日の国語はゆかりの苦手教科!明日返すから!



2日目、苦手な英語が来る。

…大丈夫、やったとこ!

落ち着け!大丈夫、わかる!

前みたいに開始15分で終わるような、15分で解ける問題無くなるような不出来な結果では無いよ!

やった!手答えあり!

流石に90点台は難しいけど上手く行けば80点台は乗りそう!

明日はゆかりの正念場!私が今度はサポートしなきゃ!



急いで帰り支度しよ!

ゆかりと合流して?

ふたりでだれて話し込んでしまっても?早めにやる気と気力体力が充実してるうちに勉強しなきゃ!


急いで帰ろうとする私!

教室を出て、階段を降りて、玄関へ移動!

どん!急いでて人にぶつかった!

一瞬キレそうになるけど、ゆかりならどうする…?


『ごめんなさい、急いでて…。』


軽く頭を下げて横を通ろうとすると、


ギュッ!手を掴まれる。

触んな!


私はキレた。

ビンタしようとする手を掴まれる。


正輝『…ツレないなぁ、皐月。

まだ俺たち別れてないんだからさ?』


『…正輝…。』


私はビックリする。

あのオシャレで格好つけるイケイケの男だった正輝が?

制服はヨレヨレ、髪はボサボサ、全体的に雰囲気が荒んでいる。

私がビックリして固まっていると、



正輝『…俺、3学期の期末で、例えば全教科で90点以上とか?抜群の成績を収めれば進級出来ませんか?って先生に頼み込んでみたんだ。

そしたら、二学期試験受けずに補習、追試を受けなかったのは学ぶ意思無しって判定で、点数が付かない。無条件で進級不可なんだって…。』


『…そう。』


そう。としか言えない。

私だってここ最近は進級の為に必死に勉強してたから挽回の場すら無い事は同情を覚える。チャンスすら無いなんて…。


正輝『なぁ、皐月だけ進級しないよな?

いつも一緒って言ってたよな?皐月…!』


半泣き…いや泣いてる正輝が縋る様に私に抱きつこうとして来る。

…もう気持ちが無い男に抱きつかれるなんてゾッとする!

私は手を払いのけ、後ろへ後ずさる。


正輝『前言った、YouTuberやろう?皐月がVtuberやるか?

両方やっちゃうか?どっちか当たれば良いんだから!』


以前ならまだしも今は正輝と一蓮托生なんて願い下げ!

私は必死抱きつく正輝をしのぐけど…!

だれも見てるだけで助けてはくれない。


クスクス!何あれ?醜い!

そんな声が聞こえる…。


正輝『さっきビンタ受ければ良かったなぁ。

あれ食らって大袈裟に痛がって事件にしたら?

暴行事件で?停学?それこそ留年から一緒にまた一年生できるじゃん!』



私はゾッとする。

こんな事で、今までの努力や、ゆかりの気持ち、小佐田たちの助力を無駄にするところだった?!

唐突に理解する。

全ては繋がっているし、物事には必ず原因がある。

…誰も私を助けてくれないって事は…。



ギュッ!


私を掴む手をさらに掴む手!


正輝『!』



それは宏介だった。

…私があんなに酷いフリ方をした、初めての彼氏、元カレ。


宏介『…テスト期間中に揉め事起こすな…。』


痛がる正輝を宏介は気にせず引っ張って、玄関まで引っ張って行く。

騒ぎ立てる正輝と飄々と流す宏介。


先生『なんだ?揉め事か?!』


正輝『先生!斉藤くんが!宏介くんが俺を無理矢理引っ張って…!』


正輝は宏介に無理矢理引っ張られて…腕痛い…とか被害者ぶってる。

…助けて貰った…私が言わなきゃ?


そう思った瞬間、


永瀬『宏介くんは人に絡んでる山本くんをどかしただけです!』

田中『宏介くんは山本くんのウザ絡みを止めただけです!』


同時に群衆の中から永瀬と田中が飛び出して先生に申し出る。

ふたりはキョトンとした顔でお互いを見つめあうと…。



『『ふん!』』


同時に顔を背けた…?このふたり仲悪いの?

ふたりのフォローだけでなく私の時黙ってたギャラリーが、


『斉藤くんは女の子助けただけです。』

『なんか山本くん留年がどうのって絡んでましたー!』

『斉藤くんに非は無いです!』


田中の持ってたデジタルビデオカメラに映像が残ってて宏介は無事解放され、正輝は生徒指導室へ連行されて行った…。


一応助けられたしね…?

お礼言っとく?

前に宏介はもう私に興味無いって言われたけど?

ほら!未練たらたらなんだって!


私は少し緊張しながら宏介にお礼を言おうと近づいたんだ…。









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