第99話 嫌気がさす【side三島皐月】
私と正輝の別れ話が学年中に広まっている。
放課後、あんな廊下であんなに騒いで目立ってしまっては無理もない事だ。
あんなにすがって来るなんて思わなかった…。
最初は、
(あぁ、正輝はそんなに私を手放したく無いんだ?私の事そこまで愛してるんだ?)
って優越感があった。
でも、話が進むにつれて、宏介に対抗心があった、永瀬綾が好きとか知りたくも無い感情を垂れ流し、別れ話はこじれに拗れた。
ふたりで限界まで話し合った結果は、
『様子を見る。』
と、言う物。
まだ3日しか経っていないがもう後悔している…。
あんなに目立ってしまい、注目を浴びて結局別れない…。
これだけで学年中の笑い者なのに、
三下女とかが、
『笑っちゃう!三島さんも山本くんもこないだまで?俺たち私たちイケてるでしょ!って顔してたのに!』
『そうだよね、今や注目浴びてるところは『留年カップル』だもんねぇ。』
『最初、山本くんと三島さんが付き合い出した時、学年屈指の美男と美女!
ビッグカップル誕生!って言われたのに?今やピッグカップル(笑)』
『ピッグカップルって…もうピッグモーター無いから!ウケる!』
留年じゃねぇわ!
ウケないし!
私は口さがない悪口を無視する。
シンデレラだって、白雪姫だって、美人はイジメられるし辛い時期あるでしょ?
一軍陥落w堕ちたトップカーストwとか好き放題言われる。
しかも、最近追加されたのが、
『彼氏見捨て女』
『あんなに奢って貰って、山本くんが没落したらポイ!』
『山本くんも大概だけど、三島の屑女っぷりw』
『身も心もクズ。』
ほら、別れておけば良かったよ…。
悪く言われるなら一回で済ませればまだ良かった。。
これで別れたらもっっと言われる。
いくら無視するとは言え、悪意は心を冷やす。
だから、正輝は自分が悪いって言って回って、正輝有責で別れてくれればせめて私は守られたのに…今の正輝は足を引っ張ってばかり。
…もう、DVでもでっち上げて別れる算段でも…。
すると…、
永瀬『…生徒会長…?名前で呼ばないでください?』
一ノ瀬『…申し訳ない、永瀬書記。』
仏頂面の永瀬綾と少し慌てた新生徒会長の一ノ瀬先輩が並んで歩いてるのを見かける。
…永瀬綾!
生徒たちは、
『お似合いだけどなぁ。』
『会長は貴公子って感じだし、永瀬さんも会長の横だと普段と違って落ち着いて雰囲気違う!』
『同中でしょ?毎回否定するけど、このふたりが付き合ったら学校1のビッグカップル!』
私に冷たい目を向ける同級生が、あの永瀬と生徒会長には優しく、憧れの視線を向けるのが腹立たしい。
(新生徒会長…新生徒会長は品行方正、成績優秀、実家も太いらしいけど…私が一ノ瀬先輩を奪ったら?永瀬綾に吠え面かかせてやれる?)
※あんなに自分がされて嫌だった山本正輝思考(笑)
(永瀬が気にいる宏介への嫌がらせに皐月口説いたに近い思考)
残念ながら一ノ瀬先輩と面識も無いし、繋がるコネも無い…さっきのDV案とか…?
すごく良い策じゃ無い?
DVに悩む美少女が美形の生徒会長に救われ、ふたりは恋に落ちる…!
DV男の魔の手から私を守り、深まる絆、悪役性格最悪女は最後にざまぁされて?
ふたりは綺麗にハッピーエンド!
※皐月の頭がハッピーセットです。
(ふふ!面白くなるぞ!)
その為にはどうしたらいいかな?
検討する価値はあるよね!
私は今を抜け出す算段と不要になった元カレの処分をまとめて出来るこの策を練り始める。
☆ ☆ ☆
…それはそうとして、毎日ウザいやつが居る…。
小佐田『どうもー?三島さん!会いに来たよ!』
『…。』
隣のクラスの小佐田だ。
毎日毎日飽きもせず、私のクラスに来る。
必ず一軍女子の秋野や影野と二言交わしてから私のとこに来る。
私はとある賭けに負けて、一年生中は敬語で小佐田に話さなきゃいけない。
…小佐田は毎日来るけど?私は考えて一切話さずに小佐田を無視する。
冴えてる!って思うけど、クラスの反応は冷たい。
潔く無い、卑怯、ずるい、小佐田さん優しい。そんな声が聞こえる。
それも含めて無視してる…。
小佐田『三島さん?4月になって新年度になって学年変わったら敬語は終了だからね?』
当たり前じゃ無い?
そんなの言われるまでも無いわ。
小佐田はわざとらしく心配そうに顔を覗き込んで来て、
小佐田『私心配。大丈夫なの?』
なにが?
目で聞く、口は開かない。
小佐田『三島さん留年したら?普通に一年生だから?二年生の私以外にも敬語になっちゃうよ?』
どっ!!!!
クラスが爆笑…。
私は悔しいと思うより腹が立つ…
こいつの彼氏…奪ってやろうか?
あ!こいつ彼氏にゾッコン(古い)らしいから?
彼氏取られたら?めっちゃ凹むんじゃない?
女としての差も見せつけられるし!
スポーツ科ってバカばっかでしょ!
※進級が危うい女に言われる筋合いはありませんw
上手く行った時のこの女の吠え面を想像して、私は暗い喜びを感じる…。
この女も見てくれはまあまあだけど見た目なら私が絶対美人でしょ?
見てなよ?
それを想像するだけで胸がスッとする。
小佐田『?』
小佐田は反応無い私を訝し気に見て去っていく。
ふう、手段は色々あるな?どっから手をつけるかな?
私は逆転の一手を想像しながらも、留年防止の為勉強に力を入れる。
☆ ☆ ☆
昨日は残業にやられて更新出来ませんでした、ごめんなさい。
次回久しぶりに差堀先輩が動きますw
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