第93話 九頭くんの悩み【side友永ゆかり】

赤点2か…補習嫌だなぁ…冬休み無くなっちゃうよ…。

もう、今週のテスト返却が終わって、残りのカリキュラムを消化すれば来週には終業式で、冬休みなんだけど…。



ふう。

ため息が出ちゃうよ…。

私の悩みは赤点だけじゃないんだ。

九頭くんとの距離と九頭くんの悩み。この二つが今気になってる。



九頭くんとの不純異性交友で人生初停学を喰らった私は充電期間を経て学校へ戻って来たよ…。

※停学は充電期間ではありませんw


ミス北翔になってから、僻まれてるのか色んな人に冷たくあたられたんだけど

停学後は特に酷くって…。


噂では、私は宏介くんにダイエットをはじめ諸々助けられながら裏切って捨てたとか、九頭くんに土壇場で乗り換えたとか、クラスで世話になった小佐田さんにミス北翔になったとたん謀反を起こしたとか酷い事ばっかり言われたんだ。

※噂ではありますが間違い無く事実です。


小佐田さんが身近で1番有能でこうゆう問題強そうだけど、

確かに謀反ってほどじゃ無いけど…やらかした…

流石に…小佐田さんには相談出来ない…。


☆ ☆ ☆



『そんな事無いよね?』


小佐田『…友永さぁ、よく私に話しかけられるな?』


小佐田さんは呆れたように私を見つめる。

結局、私は困って小佐田さんに相談してみる事にする。


『だって、色々あったけどクラスメイトで文化祭でも協力し合った仲じゃ無いですか?』


小佐田『その功績はこないだのノートでチャラでしょ?

一回力貸すって約束は果たしたよ!』


まぁそう言うよね…。

でもね?


『でも、私赤点2で結局…補習なんです…。

…ノートだけじゃ赤点回避ならなかったんです…』


私は哀れっぽく主張する。

小佐田さん…ね?

聞いて…?



小佐田『私のノートが悪いわけじゃ無いっしょ?

自分の勉強が足りないんじゃん!』


小佐田さんは少しイラッとしながら私の話を聞いてくれる。

面倒見の良いところ好きだな!

…だからそんなに威圧的に見ないでくださいっ…!



小佐田『何が言いたいんだ?その言い方だと、私に何か頼みがあるの?』


『さすが小佐田さん!わかってるー!』


ギロリと睨まれた…超怖い…。

でも、引く訳には行かない、もう小佐田さん以外頼める人も居ないし!


『実はですね?

あの…。』


私は小佐田さんに今の悩みを相談した。

赤点問題はともかくね?

私と九頭くんは今噂のせいでみんなにハブられていてすっごい居心地が悪い事。

噂は私と九頭くんの関係とダイエット企画の話、宏介くんとの話などで事実無根では無いけど尾鰭背鰭に付きまくってて悪意ありありでみんなから遠巻きに監視されてるような環境になっちゃっている事。

…特に九頭くんを取り巻く環境が激変してて、私以上に悪い噂と中傷する内容で、優しくナイーブな九頭くんは心を炒めて…間違えた!痛めて苦しんでいる事。


『…九頭くんはダメージ多くて…その…私と…えっちいこと出来なくなっちゃう位?ショックとダメージ受けてて?…なんとかならないかなあ?』


小佐田『え、え、えっちぃ事…!

こないだのラブホ出入りだけでも高校生として…!』


小佐田さんはショックを隠せない。

意外と初心なんだよね小佐田さん。

取り巻きの娘も小佐田さんのリアクションで笑ってる。



『わかってる!でも小佐田さんしか相談出来る、解決できる可能性がありそうな人居ないんだよ…。

ノートは感謝してる!でも、もう一個!もう一個何とぞ力を!』


私は小佐田さん以外に頼れる人が居なかった。

能力的にも人格的にも。

解決につながる心あたりは小佐田さんだけ。




正直、虫がいいのもわかってるし、

私が頼める筋じゃ無いのもわかるんだよ。

でも、九頭くんの悩み、ダメージは本物。

…少しだけ九頭くんが私に距離を取ってる気がする…。

彼が人を見た目や肩書きで選ぶ人じゃ無いのは私が1番よく知ってるよ!

※見る目無ぇなぁ。



私は小佐田さんに懇願する、九頭くんを私を助けて欲しい。

黙って目を瞑って聞いてくれた小佐田さんはポツリと呟く、



小佐田『友永は九頭の為に、その噂をなんとかしたいの?

九頭のダメージや中傷をなんとかしたいの?』


そう!そうなの!

私は九頭くんの痛み、ダメージを小佐田さんの伝える。

…九頭くんの悩みを解決したらさ?私まだ必要だよね?

また九頭くんの側に居られるよね?



小佐田『…わかった…。

放課後、ここに九頭くんと来な。相談には乗ってあげる。』



やった!ありがとう!

私は礼を言い急いで九頭くんに会いに行くよ!

☆ ☆ ☆


ゆかりは九頭が距離を置こうとしてる事を察しました。


☆ ☆ ☆

小佐田恋は想定していた。   side小佐田恋


取り巻き『え?友永の頼み聞いてやるんだ?』

    『裏切ったのに?』

    『健気に弱いからー?』


『うっさいなぁ。でも友永はともかく斉藤くんには友永が迷惑かけないように監視するって約束してるじゃん。』


取り巻き『まあね、噂の話だと?友永九頭ペアが斉藤くんにした事はどいひー!』

    『まいうーみたいに言うなし!』



私は思いつきを口にする。


『だったらさ?両方縛っちゃえば良いんじゃん?』


バカがとんでもない事言う、


取り巻き『きゃー!縛るの?!恋ちゃん涼くんとそんなプレイをしてるのー?!』


私は真っ赤になって叫ぶ!


『ふざけんなし!私と涼くんは純愛なの!』


涼くんに聞かれたら幻滅されちゃうよ!

私はそこまでお人よしじゃ無い、ふたりを制限かけつつ、斉藤くんにも迷惑をかけないって言う以前から検討して斉藤くんにも伝えた策で行く事にしたんだ。

73話 小佐田さんの提案 参照


…涼にはこうゆう姿見せたく無いな。

※知ってます。涼は知ってて好きですw

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