第92話 期末テスト結果【side三島皐月】

いよいよ、期末テストの結果発表…。

自信がある人は張り出された直後とか人が多いタイミングで見に行く。


…でも、私は、あまり人に見られたくは無いし、自信が無いから落ち着いて人だかりが解消された頃、…朝一に張り出されたけど昼休み終わり頃にひっそりと見に行く…。


自信があり、人に誇れるならば堂々、目立つ時間へ見に行くよ。

でも、正直自信が無い…。


前回、1学期の期末は約300人中の250位で、赤点3という散々な結果…。

言い訳だけどさ、前回は正輝と付き合い出したり?宏介と別れたり?色々あったから勉強に集中出来なかったんだ。


いくら、北翔が進学校とは言えこんなに成績落とすなんて思っても見なかった。さすがに甘く見すぎてた。

二学期真面目に勉強したつもり。

…でも、終盤に正輝の実家のピッグモーター騒動が勃発してしまい、心乱れる日々だった。



ごく、辺りに人が少ないこのタイミングで結果見ようと掲示板に近づく。

すっ、

横から同じタイミングで人が掲示板を見に来る…。



(まぁ、タイミング重なることもあるわよね。)


絶対誰も居ないタイミングなんてきっと無いし、別に笑われたり変な注目浴びなければ別に気にしない…。


そう、思いチラと横を見ると…


友永ゆかり!


またこのデブ!こないだこいつとぶつかったばっかりだし!

向こうも同じタイミングでこっちをチラッと見たタイミングで目が合う!


でも、今はそれどころじゃ無いし、騒いで目立ちたくは無い…!



ごく、真ん中辺りから見る、段々下へ。

情け無いけど、中位以下ではあるだろう。









あった、220位…文系は良い!80点以上取れてる!

…けど…英、数が…二教科が赤点…。。


またか…また補習から追試…。。



正直、理もギリギリだった…。

留年のリスクを考えればここはもう少し稼いでおきたかった…!

結構頑張って得意教科に手応え感じてた分、ショックは大きく、結果は辛い。

少し打ちのめされていると横から、



ゆかり『補習ってどんな感じです?』


あああ?!一瞬でキレて友永ゆかりに食ってかかろうとする!



友永ゆかりは肩を落とし、目は虚。

涙目で口をへの字結んでもう泣きそうな表情。



『あんたも補習なの?』


思わず聞いちゃう、


ゆかり『私は赤点初めてなんです!』


こいつは主張するけど、同じ穴のムジナでしょ?


『クラスのどうしようもないような生徒ばっか集まって?

グチグチ言いながら成績の良い生徒を羨ましがりながら長期休暇中に補習授業を受けて?その後追試を受ける最低な時間だよ?』

※おま言う。


友永は、ため息をついて私を残念って言いたげな視線を向けながら、



ゆかり『さすが、経験者が言うと説得力が…。』


ケンカ売ってんの?あんたは何位?

友永ゆかりは190位で…国語、英語の二教科赤点!


こいつもバカじゃん!

※おま言う。



『『赤点女!』』


私と友永は同じタイミングでおんなじ言葉を発した。

こいつ!


他の人に聞こえないように悪口の応酬をするけど…!

なんて不毛な時間。

お互いショックを受けてたんだよね。


呆然と自分の点数欄の赤字を確認して、ふたりして赤点2が間違いで無い事を確認した。



ゆかり『…宏介くん…8位か…。』



宏介?!宏介8位なの?!

びっくりした、あいつ北翔でも通用してる?!


何処でそんなに差がついたの?

※皐月が遊んで男に溺れてる頃遮二無二努力しました。


ゆかり『宏介くんに教えて貰えば良かった…。』


『あんた彼氏は九頭でしょ?九頭に教えて貰えば?』


ゆかり『九頭くんも赤点2みたいです。』


はは。友永ゆかりは乾いた笑いを浮かべた。

そっちは?友永が促す、私の正輝は…。



『赤点3だって。山本正輝280位って書いてある。』


1学期は普通に中位だったはず。

勉強教えて?って言ったら自分でなんとかしろ!って言われたけど…正輝やばく無い?

ピッグモーター騒動はまだ収まって居ない。

最近は休みがちだし…本当どうするのか?





苦しい!けど若干だけど赤点は減ったし?総合自体は上がってる。

なんとかもう少し成績を上げて3学期でなんとか点を上げるしか無い。


そう思い定めて、掲示板を後にする。


あっちもそうだったみたい。



『『ふん!』』



お互いにそっぽ向いて立ち去ろうとした瞬間、教員室から英語の教師が出て、私たち2人を視界に捉えた!

英語教師は30代前半の溌剌とした声の大きい女性教師。



英教師『ミス友永!単語のスペルがわからないからってカタカナで書いても?点数は絶対入らないよ?』


ゆかり『5点問題なんだから△で1点位入ればワンチャンって…!』


『ぷふー!!これはひどい!』


ウケる!英語の試験でカタカナで書いちゃだめでしょー!!

私はおなか抱えて笑った。


英教師『笑ってるけど?ミス三島?

文章問題の10点問題、スペルミスで×になったのは勿体無かったわね?

あれ取れてれば赤点ギリギリ回避だったわよ?』


『えっ?スペルミス?勿体無い!』


英語教師は気の毒そうに、



英教師『…bigをpigって書いてたわよ?

昨今のニュースの影響?』


ゆかり『pig!ビッグをピッグ!ウケるー!!

彼氏大丈夫ー!』


『おまえもピッグだろ。』


友永に笑われると無性にムカつく!

しかしそんなミスある?


これで冬季休暇の前半分は補習が決定してしまったよ。

しかも英語はこの友永ゆかりと一緒!



寒い冬が来る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る