第91話 期末テストの結果

期末テスト終わった!

やっと終わった!

まだ少し、授業はあるしテストの返却あるけど今年の大きなイベントはこれでおしまい!


隣の永瀬さんはクラスメイト囲まれ、落ち着くと、



永瀬『…テストお疲れ様!結構難しかったね?

…ところで?テストの結果で勝負しない?』


そんな話を持ちかけてくる。

もう終わったし?これからどうしようも無いでしょ?

って顔すると、



永瀬『あそび!遊びだって!

じゃ、総合で勝った方の言う事一個聞くのはどう?』


『隣のよしみで受けるよ。どうするの?』


永瀬『やった!

じゃあ、まあ、その、変な?

変な要求やえっちい事はダメだよ?

…どうする?』


『どうするって…そっちが言い出したんでしょ。』


なんかもじもじ永瀬さん…?


結局負けた方が常識範囲で一個言う事聞くって最初の条件になったんだ。


永瀬『ふっふー!

私が勝ったら冬休みに?どうしちゃおっかなー!!』


永瀬さんはウキウキ。

それもそうだろう、前回永瀬さんの方が順位上だったし自信があるんだろう。

前回俺10位、永瀬さん8位。ちなみに田中くんが5位、小佐田さんが11位だったそうな。



発表日。


永瀬『男に二言は無いよね?ふっふー!』


永瀬さんはニヤニヤ上機嫌!

期末で勝って嬉しい!言う事聞かせられる嬉しい!でごきげん!

まあ、良いけど。

一緒に掲示板を見に行く、小佐田さんが居た。

小佐田さんは顔を引き攣らせながら、


小佐田『…斉藤くん、今回も上々だったね?

…次は負けない…!』


悔しそうに言って去って行った。

永瀬さんが苦笑しながら、


永瀬『小佐田さんはギャルっぽいけど努力家で負けず嫌いだから、前回順位が上だったしライバル視してるのかも?

私、同じ中学校だったからわかるよw』


へぇ、小佐田さんと永瀬さんの同じ中学だったんだ。

永瀬さんと小佐田さんの中学時代に思いを馳せるけど、永瀬さんに急かされる!


永瀬『恨みっこ無しだよー!』


順位

8位 斉藤宏介


10位 永瀬 綾

11位小佐田 恋


よっっし!!!

ガッツポーズ出ちゃう!

頑張って結果出す!これに勝るストレス解消、肯定感、自信ってある?いや無い(反語)。


今回手応えあったんだ!前回より点数良いし、順位も2位上がってるー!!

俺頑張った!ヒャッハー!!!!

※珍しい宏介ハイテンションです。


…取り乱してしまった。

ちなみに田中くん3位。すごい。

隣の永瀬さんは…。


首を傾げたまま?表情も?固まったまま?


ぎぎぎって軋む音がしそうなほど、歯軋りしそうな表情で、



永瀬『…お、お、おめでとう?おめでとう宏介くん…。

悔しくて死にそう…!』


少し引っかかる…。


『えっ?俺なら必ず勝てると思ってたの?』


永瀬さんはハッとした表情で、手をブンブン振って、



永瀬『違う!違うんだよ!

…必ず勝って…冬休みに…ゴニョゴニョ…。』



歯切れが悪くなった…。


しょんぼり→気付き→そうだ!


って表情を目まぐるしく変えて、今度はモジモジしだす。



永瀬『負けちゃったー?

どうしよ?宏介くんは?私に?何を要求するのー?

…えっちいのは…流石に…ちょっと?うん、それはダメ!』


自分を抱きしめて悦に入る、学年No.1人気女子。

その人気と健康的なセクシーで学年1可愛いって評判がある女子は掲示板前でも注目浴びちゃう。



わかってる、



『じゃあさ?俺のお願いは?』


永瀬さんが少し頬を赤らめて息を呑む。



『3学期の期末でも勝負しよう?

お互い負けないって張り切れば成績上がるじゃん?

次回も勝負!』


やっぱ勝負すると燃えるし、盛り上がるもんね?

次回は初めから勝負って決めておけばもっとやる気でるし!



永瀬さんはなんかがっかりした表情で、



永瀬『へ?なんか?

こう?私と宏介くんの?関係性とか変わるような?

デートとか?クリスマスとか?』


『俺と永瀬さんの関係性?変わるとしたら…ライバルでしょ?』


永瀬『はは!宏介くんらしい…かな?

気長に行くよ?』


今回は、俺の勝ち!

部活も勉強も2学期は良い形で締めくくれた!

特進クラスが見えて来た!!



☆ ☆ ☆

掲示板で宏介と別れた小佐田恋。

彼氏の涼に愚痴っちゃう。


恋『もーう!また負けちゃった!悔しい!』


涼『レンは頑張ってるよ、北翔で学年11位ってすごくねぇ?

ほんと尊敬するわ。』


そう言うと、恋の頭を撫でる涼。

涼に頭撫でられる恋は黙って、歩くのもやめて、その撫でる力強い、優しい手の感触に全てを委ねる。


たっぷり、2分撫でられた恋は全てデトックスした邪気を喪失した表情で、一応聞き返す。


恋『…涼は?涼は何位だったの?大丈夫?』


涼は爽やかな表情で、


涼『スポーツ科は点数関係無いんだよ?

名前と感想文みたいなの出せば良いんだ。』


恋は涼の言う事に基本的に疑問を持たないんだけどここだけは本当に不安。

高校でそんな事で進級できるの?

恋は涼の話を毎日聞くけど本当に同じ学校の話なのか不思議でならない。

それほど感じる普通科とスポーツ科の違い!


スポーツ科…闇が深い。

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