第88話 勉強会イベント(強制)
冬のバスケの大会、ウインターカップはベスト8まで進出したが強豪校の強さに粉砕されてしまった。
それでも、バスケ部は分解せず、夏へ向けて皆でより一層の努力を誓い合う!
…それはそれとして、期末試験が近づく。
部活も一時中断、テスト期間に入り皆んな最後の追い込みに余念が無い。
友人の浩は特進入り微妙なポジ。
康司はギリギリキツイそうで、今だけはバスケ忘れてゴリゴリに勉強をしている。
帰りにコーヒーショップとかで?寄り道勉強会していく?
って提案に、
康司『前回10位だろ?宏介!頼む!』
浩『あと、数学だけ補えれば…特進が!』
特進は特別進学クラスの略で、基本的に学年トップ30が選抜され、塾講師から引き抜かれた先生による受験に特化した授業や補講を受ける事が出来る特殊クラスで、新設から5年だけど我が校を進学校と位置付ける事になった力の入った制度で毎年特進からは医大や有名私立、国立大などへ進学者を多数輩出するエリートクラスになる。
学食割引から、自習室の優先権、文化祭の模擬店や出し物優先度高いなど特権も多く、北翔高校の象徴的な制度。
ちなみに、愛莉先輩はギリギリ特進に入れた言ってた。
陥落はまずいから頑張ってるって。
ちなみに三年時、成績ベスト30は特進、31〜60が特進2ってクラス割り振りになるそうで徹底的に受験対策は変わらないけど特進が手厚くて特進2はいつも特進に比べられて荒んでる…って評判。
進学を考えるならやっぱり30位以内を勝ち取って、二年生時に特進に入りたい。
そう思えば勉強するしか無いわけで。
帰り道の浩、康司とコーヒー飲みながら勉強会。
俺も復習出来るし、3人でテスト範囲を擦り合わせながら復習していく。
康司『…宏介はバスケもあれだけ伸びたのに勉強もバッチリこなしてるな?』
浩『そうだよね、俺部活してないのに宏介は俺より全然成績良いし。。』
『予習、復習しっかりしてるだけだって。』
…嘘では無い。ただ、高校入ってから色々あり過ぎて何か努力してないとダメになっちゃいそうなだけ。
それでも勉強だけ、部活だけでなくて友人に恵まれてるから俺は正気を保っていられてる。
クラスでは康司に浩。永瀬さん。
部活でも康司にキャプテン、愛莉先輩。
親友に承。田中くんに青井と恵まれている。
…異性だけは…俺見る目無いのかなぁ。
しばらくストイックに生きるよ。
そんな事を思ってたのに。。
隣の永瀬さんが、
永瀬『そんなわけで!ファミレス勉強会開催決定ー!』
永瀬さんがキラッキラの笑顔で宣言した。冬はそんなに隙は無いけど健康的な美人の永瀬さんは男子の視線を集めちゃうから男子いつも永瀬さんに注目しちゃう。
俺も!俺も参加したい!まだ行ける?!男子の反響がすごい。
『『おお!』』
康司と浩が申し訳無さそうに、
康司『すまん、永瀬綾と一軍女子3人が誘ってくれて…宏介来ないならやらないって言うから…。』
浩『俺は止めたんだよ…うそです…ノリノリでした。』
ふたりは俺の女性恐怖症を知りつつも、誘惑に抗えないって嘆いた。
俺も嘆きたい。
『…良いけど…1組の田中くんも来て良い?』
永瀬『…人数合わなくなるので今回はご遠慮ください。』
俺の精神安定上の目的で田中くんも参戦させたい。
…永瀬さんと田中くんは相性があまり良く無い。
仕方無いか。今回クラスの集まりみたいな物だもんね。
俺は出来れば女子とあまり関わりたくない…。
まあ永瀬さんと友達だし良いか?
そして、いよいよ来週から始まる試験を控えた土曜日の午後に学校近くのファミレスに、
男子 康司、浩、宏介。
女子 永瀬、委員長、一軍女子3対3で集まる。
☆ ☆ ☆
宏介
強いて言うなら…英語得意な人にちょっと教えて欲しいかも。
あんまり女子とは関わらない方向で…。
有意義な勉強会になると良いな。
☆ ☆ ☆
康司『俺は永瀬綾!永瀬綾とふたりで互いの得意な教科を教え合いたい!』
浩『僕は…委員長さんみたいな大人しい子が話しやすいかな…。』
宏介が心配だし、友情はある。
それでも女の子と勉強会!ふたりの期待は否が応でも高まるばかり!これを機に?連絡先交換したり?冬休みにお出かけしちゃったり?夢は膨らむばかり!
男子チーム戦術 マンマーク…1対1で勝負する。
メリット マークや勝負する相手を選べる。
デメリット 組織で無く個人で対応する為個々の能力が及ばない場合相手を抑えきれない。
☆ ☆ ☆
永瀬『私は宏介くんの横!それだけキープ出来れば良い!』
委員長『はいはい、綾はそればっかw』
一軍女子『あはは!綾は一途だからねー?』
永瀬綾の気合いにふたりはクスクス笑っちゃう。
永瀬『いい?宏介くんはガツガツ行くと引いちゃうの!
だから私も控えめに行くから!男子同士に逃げられちゃ困るけど、グイグイ行くと引かれちゃうから!お願い!』
委員長『綾はもうちょっと駆け引きした方が良いよ?
引く手数多なんだから距離置いて?みたいな人はやめとけば良いじゃない。』
永瀬『放っておいても来るのは変な男ばっかりなの!
文化祭の時みたいに暴走しないように監視お願い!』
女子『そうだね、行きすぎてるって思ったら止めるからね?
宏介くん的にはちゃんと勉強しないとマイナス印象になっちゃいそうだよ?』
永瀬綾は宏介横(近過ぎない)、委員長は康司、一軍女子は浩と役割を決めた。
戦術 アイソレーション…1on1で勝てる選手が独立した動きで点を取る戦術。今回は永瀬綾をフリーにする為ふたりが宏介以外を抑える。
メリット 永瀬綾の魅力を邪魔されること無く宏介に伝えられる。
デメリット 組織的に固まられると何も出来ない、攻め方が単調になる為対応されやすい。
☆ ☆ ☆
2チームとも戦術が出揃いました。
どんな試合になるでしょうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます