第11話 本当の私【side三島皐月】
※途中、性的表現あります!気をつけてください。
高校入って二ヶ月かあ。
なんて言うか…世界が変わったよね。
掃除も終わりに近づき考える。
わたしは思ってた『変える』事を。
宏介は今のままで良い、今の方が良いって言うけどさ?
地味で舐められちゃうなんて屈辱じゃない?
例えば中学の同級生の伊勢さん!彼女はギャルで、胸がでっかくて胸元開けてるけど男子に媚びない。媚びないなら開けなければ良いのにね?
男子ウケする事が悪いとはわたしは思わない。
セクシーも魅力だし、数は有利に働く。
髪も黒髪ロングから香椎玲奈位?肩よりちょっと下くらいでカットしてふんわりさせて?明るい茶色に変えた。メイクも少し目立つように!
これだけで見た目はかなり明るくなる。
今までの清楚な文学少女みたいな女の子から、
クラスの中心に居そうな明るくてセクシーな派手目な女の子!
わたしは自分の仕上がりに手応えがあった。
彼氏の宏介に誉めて貰いたくて?見せに行ったら、
『…ちょっと派手じゃ無い?胸元開けて、スカートそんな短くする必要ある?
…俺…皐月が男にジロジロ見られたく無いよ…。』
ゾワ!
あの宏介が…大人でクールな宏介が!
わたし好きなんだね?そう?わたしが見られるの嫌なんだね?
優越感があった。それと同じ位の不満があった。
彼女が綺麗になったら誉めればいいでしょ?黙ってさ!
見られると…って見せてるの!
派手?今までが地味すぎたの!まるで派手なのが似合わないみたいに!
まあ、高校デビューはもう決定事項だから?
聞く耳は無かった。
北翔高校の入学式。
不満というか?宏介に疑問を抱いていたがまだ好きではあったから?
手を繋いで入学式へ向かう。
宏介とクラスは別だった。まあ何クラスもあるしね。
宏介が居ないと少し不安…でも仕方ないよね!
入学式が終わりクラスで自己紹介をする。
みんな友達作りムーブを決めてる。
わたしは…。
思ったより手応えあり!
結構派手な娘やカッコいい男子が話しかけてくれる!
明らかに中学と反応が違う!勇気出して変えて良かった!
みんなでカラオケ行こう?って誘われたらから、
『クラスに打ち解ける為、みんなと寄り道するね?』
ってロインを送る。
今日出会ったばかりなのに?なんかカップルが出来そうな位みんな親密でボディタッチが頻繁…。
ちょっとそこまでは…?
次の日、その次の日も学校の施設見学や身体測定などで半日で放課後だから同じようにみんなと寄り道して帰る。
ラウンド一とかダーツバーとか寄って帰って、男女でダラダラ遊ぶ。
王様ゲーム的な遊びとかみんな大好きで、わたしはキスとかは拒んでた。
さすがに…ね?
宏介を振り回してやれ!わたしの魅力でメロメロにしてわたしが上だってわからせちゃえ!そんな気持ちだったんだ。入学当初は。
ちょっとsっ気?困らせてやれ、こんな事したらどんなリアクションかな?
いつも上から目線で説教して!
この頃わたし→宏介は好き半分、わたしを否定するから気に入らない半分になってた。
まあ、別れるまでは考えて無かったんだ。
長い付き合いだから情もあったし、助けられたし。
でも、4月終わり、隣のクラスの山本正輝くんが集まりに来るようになって、山本くんはわたしをめっちゃ口説いてくる。
それは優越感があり、わたしのプライドをくすぐる。
山本くんはわたしを絶対に否定しない!絶対にわたしの味方してくれる!
これは嬉しかった!
彼氏に誉めて貰えない?臭い説教?何それ!w
ウケる!そんな彼氏いる?
(…確かに…?)
『皐月ちゃんの魅力をわかってないんだよ!他の女の子と比べる必要ないじゃん!いや他の女の子より魅力的でしょ!
その中学の頃の1番の娘がどれほどか知らないけどさ?』
(香椎みたいにはなれないし、ならなくて良いって…フォローっぽいけど…下に見てる?)
『俺なら…皐月ちゃんほどの女の子にそんな思いはさせないな?』
そう言うと、キスされた。
宏介の歯が当たりそうな稚拙なキスじゃなくてもっと大人の。
開いた胸元に手を入れられそうになり反射的に拒む。
でも山本くんは余裕の表情で。
『ちょっと考えてよ?
皐月ちゃんは宏介くん?見返したいんだよ?
俺話聞いてそう思った!
何様?皐月ちゃんはそれだけの価値のある女の子でしょ?』
そう言うとその日はそれで終わった。
キスしちゃった。
宏介を裏切ってしまった?
心は乱れる反面知らない世界。わたしを肯定する世界は居心地が良くってわたしはその陽キャ集団の一員になっていた。
宏介に誘われてもなんか理由をつけて断って、ロインも返事適当。
すると宏介のリアクションが変わって来た。おっかし!
そういえば山本くんの家は結構お金持ちで?
毎回奢ってくれて、何かとプレゼントをくれた。
特に嬉しかったのは小さいゴールドのリングや、ブレスレットとか?結構な金額な物をポンって贈ってくれた。
(宏介は安物ばかりだったな…。入学祝いだけシルバーのアクセだったけど。)
宏介の家のパソコンやゲーム機器は最新で数も多く多分裕福な家なはずだけど?公園デートってw
いくら付き合ってるの秘密にしてるからってw
気になり出したら何もかもそう見えてくるよね。
わたしのまわりみんな山本くんを褒める。
器が大きくて、太っ腹で優しくて女心がわかって、格好いい!
…確かに。
北翔生徒なんだから学力的にはみんな結構高いんだから他のスペックだと…宏介は見劣りはしない。でも…山本くんの方が上ではあるよね…?
みんな言う、
新川中が田舎で皐月の良さをわかってない!
彼氏ならなんでそんな説教みたいな事言って変化を認めないの?
わたしもそう思う!
そんな彼氏いる?
いや、彼氏が皐月の成長を妨げてたんじゃ無い?
中学校時代は暗黒時代だったんだね?
宏介のせいじゃね?
わたしの中で納得のいく結論だった。
わたしは全てが宏介のせいだと思った。
そのせいで三軍の地味女子でいるハメになったし、不本意な中学生生活だった。
でも、あいつわたしにゾッコンwだからからかってやろう?
しばらく引っ張ってからグッチャグチャにして?
一生わたしを忘れられないようにしてやろう!
定期的に絡んでずっとわたしに未練が残るように?それがわたしの復讐!
その為には…?
初めての宿泊施設。
緊張はしてる…。
ゆっくり、脱がされる…。
当然、宏介には見せた事ない。
恥ずかしいけど処女なんだって言ったら山本くんは喜んでいた。
『皐月ちゃん、いいね?』
顔にも身体にも自信はある…でもなんでこんなに不安なんだろう?みんな通ってる道なはずなのに…。
『…初めてだから…優しくしてね?』
何度か、キスして、ゆっくり彼が私に覆い被さってくる。
しばらくあちこちいじられて、舐められて、私は声が漏れる…。
でも入る時なんとなく宏介を思い浮かべた…。
慌てて打ち消す!
宏介、どんな顔するだろ?
次の日まだ何か入ってる感を我慢して宏介に全てネタバラシすることにした。
…でも表面上は変わらなかったなぁ。
しかしあれはすっごいショックを受けた顔!
ククって喉が鳴る。
でも恨まれても困るからこのガラクタ…プレゼント返して少し優しい言葉かけてやって?
で、定期的に絡んで未練たらたらにしてイジってやろうっと?
もうわたしはあの頃の三軍の2番手とは違う!
今なら!あの香椎玲奈とも勝負できる!
これが私のあるべき姿!
これからは説教くさい彼氏から無事解放されて、わたしを認めて否定しない彼と過ごす本当の私で生きていく!
そんな事を思ってたら掃除は終わってた。
流石にゴミ袋は失礼か…恨みもあるけど受験勉強とか感謝も少しだけあるし。これまでのプレゼントは適当な袋に変えて返そう?
まあ色々あったけどね。これで精算!さらば暗黒の中学時代!
立つ鳥跡を濁さずだよね!
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