第12話 1学期の終わり

こうして俺は噂にはきっちり録音を聞かせる対応をしてこれ以上のダメージを防止するとともに、事前に知り合いには俺に関する悪い噂が流れるかもだけど?って事前に伝えていたことからほどほど傷付きはしたけれど、好奇の目で見られはするけれどこの悪い噂を凌ぎ切った。


皐月と山本は悪い噂流しつつ被害者ムーブを決めていたけれども、俺の録音カウンターで日に日に加害者じゃない?って目で見られるようになり、慌てて噂を流すのをやめたみたい。

…最初からローリスクローリターンの『宏介と皐月は付き合って無かった』を流されて有耶無耶にされ泣き寝入りってルートの方がよっぽど怖い。


何人かの俺の録音を聴いた人から聞き返されて辻褄の合わない受け答えをして疑念を抱かれているらしい。



俺は自分を変える為、勉強と部活に明け暮れていた。

自主練を増やして走りこみを増やして身体を追い込む!

勉強も時間を少し増やしつつも質を上げる為に参考書と睨めっこ!

失恋で成績下げたなんて絶対言われなくない!皐月のあの感じだとそうゆう下衆な絡みして来そう!


やっぱりダメージやフラッシュバックはあって、まだ傷メンタルは癒えないけど必死に毎日努力を積み重ねる。

それは結果になって現れる!そう信じて毎日積み重ねる。



バスケ部は夏の大会が始まる。

3年生はこれで引退。3年生の気合い乗りがすごい。


ただ、例外が居る。


差堀『あー調子悪い!なんかが足りないわー。』



なんかって何だよw

こうゆう時に甘やかしちゃうのが…


愛莉『先輩!最後の大会ですよ?頑張って♪』


差堀『かー、仕方ねえなぁ。

おい、一年見てんじゃねえよ!』



…仕方ないのはお前だろ!いちゃつきやがって。

北翔は1回戦弱小高には余裕で勝ったけど、2回戦の中堅校にはギリギリで惜敗した。

10分を4回に分けるクォーター制なんだけど1年ながら3クォーターから出場!


(差堀動かねえ!)


俺が出た3Qには差堀先輩は精彩を欠いていた。

途中のタイムアウトで交代させられていたけど…。


負けたのが悔しくて仕方ない。

3年生は特にそうだろう。


差堀『宏介!なんで俺にパス集めなかった!』


八つ当たりし始める。


『マーク外せなかったじゃないっすか。

バテバテで。』


差堀は俺にマークさせないように周りがスクリーン(壁になる)とかデコイ(囮)で俺をフリーにしろよ!ってほざいていた。


挙句に、


差堀『俺の練習が不足してただけ!素質じゃ勝ってる!才能で負けたわけじゃねえ!』


練習不足の方が情けないだろ?練習不足も自分の都合でしょ?

こんなんがエース(笑)。

まあこいつが居なくなればちょっとはバスケ部もマシになるだろう。

なんで愛莉先輩こんな奴とつきあってるんだろう?

バスケ部の癒しの感性だけは理解できなかった。


それでも長い髪を束ねてバインバインを揺らしてバスケ部の為に走り回るお姉さんはバスケ部の癒し。

無防備で無邪気な献身的なお姉さんは差堀の奴より遥かに貴重なおひと。

バスケ部では愛莉はお花、差堀はお縄とその犯罪的な組み合わせを妬まれてる。


ランアンドガンとか言って攻撃バスケをうたってたけどしっかり練習して守備を重視して走り負けない粘り強い試合運びの方が絶対このチームむいてるでしょ?

どこと無く親友を思い浮かべながらそんな未来図を思い浮かべる。


バスケ部代替わり!





そして期末テスト。

ここんとこかなり勉強には力入れて来た。

手応えはある。どうかな?


隣の永瀬綾テストの手応えについて話をする。



永瀬『宏介くん、どうだった?』


『…まあまあかな?古文がちょっと難しい…。』


永瀬『わかる!』


そんな会話をしていると、


永瀬『…宏介くん、ごめん。

元カノの三島さんと付き合ってるの山本くんなんだよね?』


頷く、


永瀬『私、実は結構前から?山本くんに結構アプローチされてて?

ううん!断ってるよ!全部!

…でもね、昨日もなんだけど…まだ普通に遊びやデートに誘われてるんだ…。彼女居るのに?ってびっくりしちゃった…。』


困ったように言う永瀬さん。

皐月…いや俺が気にする事じゃないよな。



永瀬さんは同じ中学出身の生徒会の役員の二年生と噂があった。

本人は顔を真っ赤にして手をブンブン振って違うの!って否定してたけど。

永瀬さんは学年でトップクラスの人気者。さわやか美人で友人の浩的には健康的なセクシーな持ち主らしい。


永瀬『…宏介くんは頑張ってるね?』


宏介『…部活?勉強?』


永瀬『どっちも!なんか男の子!って感じだね?』


ふふ!って笑いながら永瀬は友達のところへ行く。

…山本がこっちを見てる…?

俺は睨む。

皐月を盗られたって…俺は絶対にこれ以上の弱みは見せない!



まあ、今の俺にはとても女の子を好きになるなんて気にはならない。

親友もそうだけど自分を変える為今は修行パート!って言い聞かせる。




そして、テストが返却された。

俺は学年10位だった…!

これまで中の上位だからだいぶ上がった!


…皐月…300人中250位って大丈夫なのか?

いや、もう俺の気にする事じゃない。


山本は中位のままだけど…やっぱり落としてるな。

…あれだけ遊び回ってたら…ねえ?



あいつらが腐ったキリギリスなら俺は無表情で無口な蟻だ。

俺はまず絶対的に差をつける事を誓う!


夏休みが始まる!



☆ ☆ ☆

作者のあるはアリにトラウマがある。

子供の頃やった世代を超えて歴史を紡ぐRPGのロマンシングサガ2でサバンナに泊まった夜油断し切っていたら


\アリだー!!/


って声で集落が蟻だらけになって、主人公が地底の女王蟻を退治してめでたし!



って思ってたら数世代、数100年後に遠く離れた本拠地で寝てると…。


\アリだー!!/


って!

退治したと思ってたアリが本拠地で何百年かけて復讐の為密かに数を増やして町に広がる所を想像して怖くなった。

さらに住民に話しかけると身体を寄生されて体から蟻が出てくるって言う時を超えた悪夢の二段イベント!

地下墓地に女王蟻が居るから当時の主人公は知らないうちに卵産みつけられたの?!


あるはアリがトラウマです。

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