第7話 無口な少年

吃音きつおん…話初めての言葉が出てこなかったり、言葉がすらすら出て来ない発達障害の一種。自分の親友がモチーフになっています。決して差別的な意味ではありません。


※委員長に恋した自分の話の宏介の外伝そのままです。

最初の導入と最後だけ追記があります。


☆ ☆ ☆

親友の承の家へ行く。

ここ数日顛末を話す為に。

とは言え、特別変わったことは無くて?

皐月に急に振られて、次の日はぐだぐだして、昨日ハッキリ止めを刺されて?実際フラレた日と状況は変わらないけど俺は彼女を見返したい。

こだわる気は無いけど見返す為に頑張りたい。

そんな決意表明のような話。


承はアルバイトを始めたらしい!飲食で大変なんだって!

でも学ぶことが多い!って色んなことを教えてくれた。


承の弟のひーちゃん4歳がずーっと室内を伺ってる。

もう話は終わったよ?おいで!


ひー『お兄さんは大変だね?』


わかるの?!賢いなあ、…俺がこれ位の頃ってどんなだったろう?

思い出してみる…。




☆ ☆ ☆


ぼくは斉藤宏介。小さい頃吃音と言われた。

なにそれ?って思ってたけど幼稚園でぼくみたいに話す子が居なくってあれ?おかしいな?っておもった。


小学生になるとひとまえで話す事が多くなるよね。

でも、ぼくは思って無くっても言葉が多く出ちゃう。



『ぼ、ぼ、ぼくはさいとう、こうすけ。』


不思議そうに見つめられて、

『何でぼ、ぼ、ぼくはって言うの?変なの!』



ショックだった、

お母さんに聞いても濁される。

お兄ちゃんも個性なんだよって言うけど結局はぼくは変なんだ。

小学1年生頃にはそれがわかった。

気をつければつけるほど、どもりは酷くなる。



家族は大きくなれば治るんじゃないか?って話してた。

成長で良くなることも多いらしい、でも一生そのままの子も多いらしい。

ぼくは普通じゃ無いんだって納得してた。

だから仕方ないよね?っておかあさんにわがまま言ったり、嫌なイベント休んだり、どもるから嫌だって言えば大概許される。



その頃の僕は不安定で2つの気持ちがせめぎ合っていた。

ぼくは普通じゃないからちょっと配慮してよ?

ぼくを特別扱いしないで!

相反するけどどっちも本音だったんだ。



心の中ではけっこう色々考える、でも口に出すとど、ど、どみたいにどもるから自然無口になって行く。

動揺してるって思われたくないから無表情になる。

普通の子を見てバカだなあ、とかもっと考えれば良いのにとか上から目線だったんだよね。

今思うと自分がいかに愚かな勘違いをしてるかわかるけど当時は子供だったから自分の感情に名前がつけられない。

それは嫉妬だったんだ。



小学2年生になる頃にはその辺がもっと尖っていて、はっきり周りをバカにする様になっていた。

普通にしゃべれるくせに頭悪いな、走るの遅いな、ゲーム下手だな。なにかにつけ口に出さないけどくさしてた。


でも、僕はどもりがあるから、どもりのせいでって本気で思い、どもりを恨み、どもりの無い同級生を憎んでいた。

要はなんでもどもりのせいにしてたんだ。自分は吃音だけどすごい。ダメ部分は吃音のせい。あいつすごいのは吃音が無いから!そんな感じ。

感じの悪いクソガキだよね。




小学3年生になり、初めてクラス替えがあった。

別に友達なんて要らないしどうってことは無い。

たかだか2年の付き合いでしょ?

中にそうならなかった奴が居た。


昼休み、


?『斉藤くん、バスケやんねえ?』



なんだ?首を振る。拒否。


?『そっかあ、残念、じゃあ明日また誘うな?』



うざいな。

しかし次の日も、次の日もそいつは誘いに来た、



?『宏介?バスケするよな?』

(いつのまにか宏介呼び?)


宏介『し、し、しない。』


?『えー?じゃあ明日また誘うな?』


さっきの奴の連れも話しかけてくる、


?『あっちゃんはその断り方だとわからないんだよ。』


は?3日連続だよ?察しろって。



承『あ、僕は立花 承。彼は神崎 厚樹、あっちゃん、

あっちゃんに目を付けられたら仲間になるしかないよ?』


(知ってるよ、同じクラスなんだから。)



…結局バスケするようになった。

断るのも面倒くさい。

でも一番はこんなに誘ってもらった事は無いから。

いつもみんな僕のどもりを聞いて興味ありげに近づいてバカにするか気にしないよ?って見え見えだったりするんだけど厚樹くんと承くんは違った。本当に気にしていない、それが心地良い。

二人とちょくちょく遊ぶようになった。

母さんが友達だね!って喜んでる。


ある日、



厚樹『カブトムシ捕まえに行くぜ!』


承『6月はまだ早くない?』


宏介『…。』


じゃあ行こうって事になった。

帰り道、厚樹くんが別方向だったから承くんとふたりで帰り道。

当然6月にカブトムシはまだ早くて居なかった。



承『宏介くん、あっちゃんはおバカだからちゃんと意見言わないと巻き込まれるんだよ?

でも話はわかるから多数決で2対1なら言う事聞いてくれるんだよ?』


宏介『…。』


承『まあ、話したく無いなら仕方ないけどさ。

6月は流石にカブトムシ早いよー。』


ぼくは腹が立った、


宏介『は、は、話したくないわけじゃない。で、でもこんなしゃべりだから…!』


同じクラスだから承くんは吃音を知っている、この二人だからこうゆう事も言っても良いかな?って思った。



承『しゃべりのことなんて僕はよくわからない。

でも宏介くんが思ってる事言えないのは辛いな、しんどいなって思う。

僕やあっちゃんには好きに話しても良いんじゃ無い?思ってること教えて?

ごめんね、察しが悪くって!』



宏介『…わ、わ、笑わない?』


承『よっぽど面白い事言わなきゃ笑わないよう!』


宏介『…ぼ、ぼ、僕悩みがあるんだ。』


承くんが身構えて聞いてくれる。

うん、って先を促される。



宏介『ぼ、ぼ、ぼくと母さんって顔超似てない?』



承『うわはははははは!!!

似てる!確かにパーツ超似てる!』


宏介『わ、わ、笑ったじゃん!』


承『笑うでしょ!!』



大変だね、気にしないよ?とかゆっくり話して?がんばれ!

って言われる事は多かったけど、

思ってること言えないのはしんどいね?って思ってもらったのは初めてですごく嬉しかった。

その日の帰り道、いつも喋らない反動かすごく話してしまった。恥ずかしい。

でもすごく、すごく嬉しかった。

今まで人から話しても気にしないよ!ってオーラが出ていて落ち着かなかった。

でも承くんは全く本当に気にしなかった。普通に話してくれたし、聞いてくれた。


承『むしろ僕の方が引っ込み思案で人と話できないタイプだよ。』

なんて言ってた、

その日以来、承くんと厚樹くんには話すようになった。

そうすると不思議なもので話すのも抵抗感が無くなっていく。

割と話せるように、どもり自体も前ほどつっかえなくなってきて。このまま良くなったら良いなあ、って思ったんだ。



小学3年の秋ころ、

承くんと厚樹くんと遊ぶ事が増えた。うちはゲーマー家族で僕もかなりのゲーム好きなんだけど2人はやんちゃ坊主だから屋外遊びが大好き。

厚樹くんがランダムに友達連れてくるから毎日面子は違う。

僕はまあまだ無口な方だけどそれなりに話しをしている。



その日の遊んで帰り道、2人で話しながら家へ向かう。その時、



『宏介くん、あれ?』


『…い、犬?野良犬?』


そういえば学校で野良犬が居るから気をつけろって?近々保健所の人が捕まえに来るから近づかないようにって?




『近づいて来るなあ?道を変えようかな?』


『…そ、そうだね…。』


向こうから来る犬と目を合わせないように斜めを向きながら横道へ逸れる。

人通りの無い、住宅地の裏路地、工事途中の用水路が道沿いにはしる。



ぴーぴー

承くんが出来ない口笛をしながら犬から目を逸らしていたが、


『宏介くん、ついて犬来てる…。』


『し、承くん、どうする?』


文法の違いをツッコむ余裕は無い!



『どうしよう、結構デカいな?』


『な、なんか唸ってるような?』



ふふふ!ははは!

お互いに犬から目を逸らし笑いあう、

犬はゆっくり着いてくる、距離が縮む、


先には何も無いし、人も居ない。

道沿いの用水路は1メートル近い幅があり深さは僕らの背丈くらい。水は20cmくらい?少し行けばガードレールに切れ目がある。



『宏介?』


何か通じ合って、意図がお互いにわかった!


『承?』


お互い頷くとダッシュ!

犬も猛然と走り出す!



あと少し!


承が少し遅い?



用水路を飛び越える!

向こう岸へ着地!

3歩遅れて、承も飛び越える!犬近い!


『宏介!支えて!』


何故か意図してた事は伝わる、承は身を捩りながらジャンプ!まっすぐじゃなくて横向きに着地!

間髪入れず犬も用水路を飛び越えて来る!



横の柵を掴み、承を掴む、横向きになってる承は蹴りと言うには稚拙な動きでこっちに飛びこんでくる犬を足で叩き落とした。

犬は用水路に落ちてしばらくウロウロしてたけど這い上がれる場所を探して移動して行った…。



息を潜めて犬を注視していた僕たちは犬が去ったあともしばらく息が抜けなくて一息ついたのは犬が立ち去ってしばらくしてから。



はあー!!

怖かった!


怖いなんて言うのは臆病者でダサいって価値観の僕らだが思わず漏れちゃう本音。

緊張からの解放で一気にハイテンション!


怖かった!なんであの犬なんもしてないのに追いかけてくるん?僕らあの瞬間目で意思疎通出来たね!

なんか無性におかしくてゲラゲラ笑いながらお互いの肩を叩く。

あんなに早く走った事無いよ!マジタイム測りたい位必死!

あー!すごい時間だった!



承『宏介!よくこの用水路飛べたな?』


宏介『承が飛べって指図したろw』



承『だってここ飛べないと逃げ切れないって思ったよ。

宏介足早いね先に飛ぶの勇気要るよ。

あと宏介が僕を支えるよって意思伝わってきたもん!』


宏介『足は僕の方が早いよね?だから先に着けばギリギリの場合助けられるって思ってたよ。

でもよく犬を蹴れたね!勇気あるな!』


承『だって、逃げれないなら撃退するしかないでしょ?

僕だって必死だったよ!友達守らなきゃ!って。』



承とハイタッチしながら笑い合う。

なんて事無い、ただ野良犬に追いかけられて必死で逃げただけ。

用水路を飛び越える!って決断には判断力が必要だった。

深い用水路を飛び越えるのは勇気が必要だった。

野良犬に追いかけられるのは恐怖だった。

ゲームの主人公が色々な経験を得てレベルが上がる意味を体感した。


でもね、一番おかしかったのは僕も承もお互いがお互いを守らなきゃって気持ちでいたって事を知って大笑いしてしまったんだよ。

多分お互い自分の方がお兄さんだと思っていたんだよね。


その日から、僕と承は遠慮しなくなった。

口には出さないけど多分、僕らはよく似てる。

似てない部分も沢山あるけどもどこか魂の色みたいなものがよく似てる。




厚樹も厚樹とだけ呼ぶようになった。

厚樹が毎日色々仲間を連れてくる、俺も数人友達って呼べる人は居るけどやっぱり承は特別。

承と遊ぶ事が一番多く、妹の望もよくついてくる。

僕は兄しか居ないから妹って概念は衝撃!

可愛くってついついおやつを与えすぎて承に注意されちゃう。



4年生になり承は武将にハマった。僕もハマってたから三国志や信長の野望をやりながらめっちゃ語り合った。

良いよね、武将。承は将来の夢 武将って書いて笑われてた。

僕は笑わない、実際に口に出せるって格好良いとすら思った。

僕は軍師になりたい。めっちゃ格好良くない?口にはなかなか出せない。


部活は別だけど休みの日は必ず承と遊んでいた。

この頃には吃音は大分改善していて

慌てたりメンタルが追い込まれてなければどもらないことも多かった。

母さんは泣いて喜びきっと承くんや厚樹くんのおかげだね!って言ってた。僕もそう思う。

それでも吃りたく無いから少し考えて話す癖が付いた。

無表情なつもりは無いのだが子供の頃の癖で無表情な事が多かった。


無表情で無口だったから何故か『亀』ってあだ名が付けられた。

陽キャな連中と同じ厚樹グループのはずの小石が亀!おーい亀!って揶揄う。

承は完全に無視してた。怒るかなって思ってたけど無視。

揶揄う奴を無視して居なくなった所で、



宏介『…亀じゃ無い。』


承『当たり前じゃん!宏介が!なんで!亀だ!

リアクションするのは認める様で絶対嫌だから無視したけど!

宏介はクールぶってるけど熱い奴だ!』


ふふ!承が怒ってるから逆に冷静になってしまうよね。

あとクールぶってるってなんだよ?

感情を出すのが下手だから亀呼ばわりなのか?

まあ承や厚樹がわかっててくれれば別にいいや。





そして、5年生になるとまたクラス替えがある。

前回のクラス替えで2年の付き合いでしょ?って舐めた事思っていたけどどうしても承と厚樹と一緒が良い!って思っていた。

今回一緒なら次以降はもう一緒じゃ無くっても良いから!って祈ってた。

叶った!承も厚樹も一緒のクラス!

※祈ってた通りこれ以後承とクラスは一緒になる事は無かった。



5年生にもなると、大体みんな顔馴染み。クラスは違っても狭い町内で同じ学年に居れば顔と名前大体住んでるところとか知ってる。

新しいクラスには学年で有名な香椎玲奈が居た。

少し明るめの髪を肩まで伸ばして目鼻立ちのクッキリした綺麗な子。

いつも皆んなの中心に居る女の子。

学年一番の美人で文武両道?みんなの事を思いやるって評判。

一部男子から『完璧女子』なんて異名で呼ばれてる位。


僕は興味無かった、僕は黒髪ロングな清楚な大人しい子が好みで…。

まあ、僕の事は良い。


初めて同じクラスになり、承と一緒にその香椎さんとすれ違った。




承『それでね?関羽が…


!!!』


承が香椎さんを二度見した?!

関羽の話を切ってまで?!

承は香椎さんを二度見して、見送ると顔が真っ赤になってた。


(…人が恋する瞬間って初めて見た…。)


まして親友である。

よりにもよって最難関のライバル多数の高嶺の花だぞ?

承はいい漢だと思う。でも一般ウケはしない古風な熱さを持った漢だよ。

願わくば承の良さをわかる良い女の子でありますように。

そう願わずにはいられない。




2学期の終わりころ、いつもクラスの中心の厚樹は人気者。だから女子グループからクリスマスパーティーの誘いがあった。

僕には厚樹と仲良くなりたい女子が居るから宏介くんお願い、フォローしてほしい!って香椎さんに頼まれた。

(承が香椎さんの隣の席になってからちょっと変わった。できれば承も応援したい。)

って思ってた。


すると、


厚樹『宏介、承が香椎さんを好きっぽいんだよね、クリスマスパーティー付き合ってよ。』


宏介『…わかった。』

(厚樹も気づいてたか。まあわかりやすい!)



そしてクリスマスパーティーが始まって、僕は意外な事に隣の席の女の子に質問攻めにあってた。

女の子と話すの慣れてなくて少し吃った。その女の子、三島さんは図書委員の女の子。地味っぽいけど綺麗な髪の長い女の子でドキドキした。

香椎さんのグループに居る目立つグループの脇役みたいなポジション。


三島『宏介くんって無口で大人っぽいね?』


宏介『…いや。そんなこと無い。』


三島『えー?でも表情もクールで冷静で…格好良いと思うな…。』


宏介『…そんなことない。』


承に目で助けを求めたけどあいつわかってて無視した!

三島さんはニコニコしながら料理を取り分けてくれて、自分は地味だから…って連呼してた。

派手=良いではないでしょ?三島さんも落ち着いてて綺麗だと思うなって伝えたら真っ赤になってしまった。真っ赤になった三島さんを見て、僕も真っ赤になってしまったよ。



その頃、承は香椎さんの隣でビーフシチューを3杯食べてる?何してんの?

と思ったら、香椎さんが見た事無い位ニコニコしててうまくいってるっぽい?

プレゼント交換で三島さんのプレゼントのスノードームって言うの?クリスマスの飾りっぽい可愛いの貰った。

僕は単純なのかな?三島さんが気になってしまう。



6年生になって、部活や委員会も主力だから大忙し!

1学期に承がクラス委員長になり苦労してるのを厚樹とフォローしたりした。



そういえば承の家に弟が産まれた!赤ちゃんを間近で見せて貰うのは初めてですっごい可愛い!光って名前だけどひーちゃんって承や妹の望は呼んでる。

望は産まれる前お母さんが盗られるような気持ちだったのか荒れていたけど産まれたら溺愛してる。すっごい可愛いんだけど生まれつき心臓が悪いらしく、承は心配そうだった。



学校の方はというと運動会や修学旅行があって、文化祭や遠足で連絡先を交換した三島さんとも距離が近づいて何もかも好調だった所に急なニュースが入った。

厚樹が2学期いっぱいで転校するという…。

俺(この頃には承と僕は一人称が俺になった。)もショックだったが承の憔悴っぷりは見ていられなかった。

やたらと笑い、急にしょんぼりする。感情の振れ幅がでかい。

承にとって厚樹は自分を肯定してくれて変えてくれたヒーローだった。

承の厚樹に向ける信頼は少し嫉妬するほど純粋で大きい。

最終日、グーパンしていつもの挨拶に一言だけ付け加えて別れた。皆んなで見送った後、最後までその場から動かなかったのは俺と承だった。



承は言った、


承『俺、いっつもあっちゃんの後ろをついていくだけだった。でも次に会うときには隣で歩く男になりたい。』


宏介『…そうだな。』


俺も厚樹が大好きだし、すごく寂しい。

でも厚樹が側に居ては承は依存する部分がある。

これは必要な別れだったのかも?って思った。


しかも、厚樹は連絡先を教えていかなかった。

承はわざと教えなかったかもしれないし、本当に忘れたかもしれないしどっちも有り得るwって笑ってる。確かに。






そうこうしてるうちに俺たちは中学生になる。

三島さんと中学生になるのを機に付き合う事になった。

恥ずかしいから皆んなには秘密でって。

俺も言えなかったけど…吃音で子供の頃吃りが酷くってそれがコンプレックスなんだ。背もあんまり高く無いし。

今は落ち着いて話せば出ないけどそれは承のおかげで!って自分の事、悩みを打ち明けた。三島さんは今は無いから知らなかった!って驚いてて、それを受け入れてくれた。

俺、承と厚樹以外に自分の口から伝えたの初めてですっごい緊張した。

三島さんは宏介くんの自慢の彼女になれるように中学生になったらもっとおしゃれで綺麗な女の子になりたい!って言ってたけど、俺は今のままで全然良いんだけどね?

あと、承の妹の望を可愛がりすぎるって注意された。気をつけるよって言ったけど妹みたいなもんだから…あの猛獣は…。



承にだけは打ち明けるよ?って伝えて、承に伝えるとすごいビックリしてた。

めっちゃ喜んでくれて、中学生になると違うんだな…って遠い目をしていた。


承『まあ多少大人にはなるけどそんなに中学校も変わらないはずだよね?

だってメンバーは一緒だし!何かあれば言ってな!』


宏介『…もちろん!』



しかし、俺より承の方が圧倒的に波瀾万丈な中学生活になることはこの時点では想像つかなかったよね。

俺は自分の方がお兄さんのつもりで承を見守る。

きっと承も自分がお兄さんのつもりで俺を見ているに違いない。

今日も俺と承はお互いが保護者のつもりで今日あった事や気になった事をゲームしながら、喋りながら、軽口を飛ばしながらいつまでも語り合うのだ。


☆ ☆ ☆

…承が居たから、俺は捻くれた日々を終える事が出来たし、救われた。

皐月は何かあった時助けてくれる人が近くに居るのだろうか?

…それは俺の心配する事じゃないか?



過去より未来!

今日も承とゴロゴロしながら雑談したり古いゲームをしたり。

そこにひーちゃんが間に入りたがって微笑ましい。

リラックスする休日が終われば当然いつもの学校生活始まる。

…多分何か起こるんだろうなあ。。


俺は予防線のロインを知り合いに送ってある、それでも週明け多分起こるでろう悪意のある行動を思うと本当に面倒くさい。

さて、どうなる?週明け?


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