夕焼けと振り子
こばたし
夕焼けと振り子
赤色に染まった家の近くの公園で、
僕とあの子の二人きり。
あの子が操縦する振り子は、
元気よく揺れて、揺れて、
その様子を、僕はジャングルジムの上から、
ぼーっと眺めていた。
振り子が一番上まで行ったとき、
あの子の顔は、その赤色で見えなくなる。
綺麗な長い髪も、赤く染まる。
お母さんに買ってもらった腕時計は、
どっちの針も5と6の間にいる。
そろそろ帰らなくちゃ。
振り子はまだ、止まる気がないみたい。
あの子は明日も来るのかな。
また会えるのかな。
僕は、思い切って、
手を振ってみた。
そしたらあの子は、
「バイバーイ!」って、
大きな声で返してきた。
僕は全速力で走って、家に帰った。
そしていつもより大きな声で、
「ただいまー!」って言った。
あの子は、
何年生なんだろう。
名前は、
なんていうんだろう。
次会ったら、
もっと話したいな。
いつか、
友達になりたいな。
夕焼けと振り子 こばたし @kobatashi
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