18 コンクールのチケット



 とりあえず、「ヒロインとお友達」との関係は秘密にする事にした。


 次ヒロインにあった時に、「人前で誰かと話をするのは恥ずかしいんですの」とか言って、人見知り設定を付け加えながら、マローナや他の生徒の前で話をしないように誘導。


 何とかこれで、急場はしのげたはずだ。


 そんな中、父から二コラのコンクールチケットをもらった。


 けれど、私は別に興味がないので、ヒロインにあげる事にした。


「まあっ、良いんですか?」

「ええ、私は使わないもの」


 二コラの情報なら、クリスが知っているし、コンクールは一度見ている。


 このまま宝の持ち腐れになるよりは、興味のある人に使ってもらった方が良いはず。


「私、小さいころにピアノを演奏していて、コンクールにも出たことがあるんですけど、一度観客席から見てみたかったんです」


 ヒロインは喜んでくれたようだ。


 しかし、この様子からすると、まだ二コラとは出会っていないもよう。


 初遭遇は学校になるはずなので、コンクールに行かせても問題ないだろう。


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