14 マローナの雑用遂行



 生きた心地がしないまま、授業が過ぎていく。

 朝の時間は挨拶でどたばたしていたので、クリスと詳しい話ができていなかった。

 一刻も早く、彼に相談したかった。


 しかし、「これを職員室まで運んでくださいます?」マローナの意識に入ってしまった私は、さっそく彼女のつかいっ走り兼ご機嫌取りをする事に。


 泣く泣く、仕事を遂行。


 けれど、執事くらいは連れてってもいいわよね?


「くっ、クリスぅ」

「お嬢様、そんな泣きそうな目で見ないでください。そんな貴方も可愛らしいですけど、マローナに気取られてしまいますよ」


 慰めてるのか口説いてるのかどっちよ。


 でも確かに、表情には気を付けた方が良い。


 どんな事が原因で、死の運命(強制)が発動するか分からないのだから。


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