08 ちょっと前のできごと
クリスが述べるそれは、ちょっと前に私が社交会に顔を出した時の出来事だ。
つい先日あった、有名貴族のお坊ちゃまのお誕生日パーティー。
そのパーティーの主役が攻略対象だったらしい。
どんな人だったかしら、と頭に思い浮かべていると、クリスがしみじみ。
「あの時のお嬢様は本当に、素敵でした。まるで自分こそが主役であるかのような堂々な立ち振る舞いとそして(略)」
それ、今関係ない。
自分から話題を振っておいて、さすがにそれないわよ。
今、私は生死の瀬戸際。この話しあいで、血筋の存亡の行方が決まってしまうのよ。
「クリス?」
「はっ、すみません。パーティーの時間の大部分をお嬢様の観察に費やしていたので、つい一緒に思い出してしまいました。素敵でしたよお嬢様」
えっ、何これ。
何で私、唐突に誉められているの?
話を元に戻す流れで、さらっと赤面物なセリフを吐かないで。
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