06 原作設定のボリューム



 脅威の取り巻き事件が起こった数日後。


 私はクリスから、特待生の女性徒ヒロインの生い立ち、と見た目。マローナの非道の数々を教えられていた。


「本当ならこんな事は教えたくなかったんですが、関わってしまったからには、しかたありません」


 といって、彼は「ネバーランド」紹介用に作り上げた紙束を、どさっと目の前に投下。


 ええっと、これ両手に持って運動したら、良い汗かけそうな重みがあるけど。


 その束何キロくらい重量があるのだろう。実際。


「重さはさすがに調べた事がありませんが、千枚くらいのページ数があります」


 千枚!


 逆によくそれだけの内容を覚えていたな、と私は感心してしまう。


 クリスの無駄に賢い頭が、労働してしまったようだ。


 私は恐る恐る彼の様子を眺める。


「これ、全部頭に入れた方が良いかしら」


 クリスはにっこり笑顔で。「完璧に覚えた方が良いかと」非道な事を言ってのけた。


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