第40話 神経をすり減らす仕事


「宇多方」について語ろう。


 全国一の犯罪件数と行方不明者数は、宇多方にとって長年の問題である。とりわけ、警察官は多忙を極めており、他の地域以上に、神経をすり減らしてしまうことは、容易に想像がつく。


 何といっても、捜査中に神隠しにあう者は少なくないのだ。広報は否定しているが、宇多方勤務の捜査官には特別手当がある、という噂もある。


 保険会社も宇多方の事件・事故に悩まされている。不可解な事件・事故は、常識では理解ができず、判断がつかないからだ。保険金の支払いに関する裁判は連日開かれているが、いずれも進行は遅れがちである。


 裁判官、検察官、弁護士が、資料を読んだだけで神経を病み、体調を崩してしまうからだ。中には、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する者もいるらしい。それは、宇多方の警察官、保険会社社員も同じである。


 宇多方の事件・事故に関わり、日々、案件あんけんをこなすためには、精神安定剤とカウンセリングが欠かせないという。




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