第48話 狂戦士は本能をむきだす

 サルが今後の予定を言う。折り返して帰りながら、娼館に立ち寄っていくらしい。そして、出てくる魔獣はいつも通り潰していく。

 「ファイヤーアロー!!」って聞こえなくなって気持ちが楽になったぜ。


  オレらは無事にルルミア王国に入国し、そして王都まで辿り着いた。


 ◆


「よくぞ戻った。ムネピコ、サル。して、どうなったのじゃ?」

「はい、全部で十七人のエルフを保護しました」

「ご苦労じゃった」

「はい」

「サル、少し休んでから、オーラン帝国に行ってくれ」

「いや、少しでも早く保護したいので、明日には旅立ちます」

(国王の前だと、サルは言葉遣いが変わるのか)


「わかった。支度金を受け取ってから、行くのだぞ」


 ◆


 オレらはオーラン帝国帝都に行く。貴族にエルフを献上してもらうよう帝王に頼むつもりだって、サルが言ってた。


「オーランの帝都までは、この前のルートだな」

「やったー。また飛べる!」

(ムネピコ、バンジージャンプで縄切れたよな? 大丈夫か?)


 旅は続ていく。バンジージャンプやラーメン大食い選手権などはやっていなく、ムネピコは残念そうにしていた。

(お祭り女なんだな)


 旅の途中、何かあるかなと思っていたが何もなく、無事にオーランの帝都に辿り着いた。


 ◆


「指定された日に、帝王に謁見する予定だ。最低限のマナーを確認しといてくれ」

「ふーん。守るエルフいないから、オレもいくぞ。サル、いいよな?」

「あぁ、そうしてくれ」


 サルがそう言っていたので、オレは気ままに宿で過ごした。そして、指定日にオレらは城へと向かった


 ◆


「わいはサルと申す。エルフの王の使いのものだ。帝王との謁見を願います」

「はっ、確認して参ります」


 ◇


「ここから先は失礼の無いようにな」


 謁見の間の扉の前で、サル達が護身用の短剣も含め護衛に預けていくのを見て、わけもわからん奴にサーベルを預けることになるのはイヤだった。


「オレ、やっぱ、パス、粗相するだろうから待ってるぞ」


 オレは部屋の外から中の様子を伺う。


 ◇


「面を上げい」

「はっ」

「ほう、随分と遠くから来たと聞いておる。お主ら何用じゃ」

「はい、エルフの王の使いで、帝王にお願いに参りました」

「それで」

「はい、貴族に買われたエルフや帝国内のエルフを返して頂きたいと存じます」

「ふん。エルフの王の願いなど聞くはずが無いだろ」

「どうか、そのことについてお考えを直していただければと」

「しつこい」

「陛下、お願いいたします」

「しつこいと言っただろう」

「陛下、どうか」

「この者達を殺せ!」


 その言葉が聞こえてきたので中に入ろうとすると、扉の前にいたヤツに邪魔をされる。そいつがムカついたので首を刎ねてやった。そしてオレは――。


バーン


「てめぇら、来いよ。この首みたいに殺してやるから」


 ドアを蹴り破って、謁見の間に乗り込む。襲ってくる馬鹿どもの首を刎ね続け、あっという間に血の海ができていた。


「ふー。たいしたことないな」


 オレが王様らしきおっさんの方を向くと、そこに一人の女がおっさんの前に立っていた。


「ヤン。あーしは王を守る役目があるの」






「へぇー、リーン、お前がくるのか」

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