第32話 何故僕は巨乳な人を引き寄せるのかな

「じゃ、わらわは帰る」


(流石ですね。気まぐれさでは右に出る者はいないですよ。元魔王)


「わかりました。女神様に元気でやっているとお伝えください」

「ん? アテネはわかっているぞ。ずっとお主らを見ているからな」

「そうなんですね」

「特に魔力交換の時なんか、ワクワクしながら見ていたぞ」

(その情報はいりません。魔力交換のとき、ディアと僕、恥ずかしいじゃないですか)


「いろいろなプレイをしている姿を見て、『そんなことするのー!』って言っておったぞ」

(もうやめてください。死にます)


「じゃ、またな」

(また来る気マンマンなんですね)



 クルルが天界に帰った八ヵ月ほど後、僕とディアの間に念願の子供が産まれた。女の子だ。


 ◆


  ある日のこと、僕は国王陛下に呼ばれ、ヤンとリーンと共に城へと向かった。


「なぁラルフ。オリバーって、どうなったの?」

「王城と訓練所に引き籠っているよ」

「あいつの剣、面白かったんだけどなぁ」

「まぁ、騎士団の夢と王女様の婚約者になることが叶って、その分、やらなければならないことが沢山あるんだろうね」


 ◆


 城に着き、僕が城の入り口で王国騎士団の警備に国王陛下に会いにきたと言うと、しばらくしてから宰相が現れた。


「お待ちしておりました、ラルフ様。陛下の部屋へと案内いたします」


 宰相についていき、国王陛下が待つ部屋へと向かう。僕達が部屋に入ると、国王陛下の他に、ビキニアーマーの巨乳女と神官服を着た青年がいた。


「ラルフ、そこに座るのじゃ」

「はい」


 僕とヤン、リーンは椅子に腰かける。


「ラルフ、実はのう、新しい魔王が現れそうなのじゃ」

「えっ、そうなんですか」

「そうじゃ。それでな、いつ現れてもいいように、新しい勇者を鍛えて欲しいのじゃ」

「はい」

「前にエンチャンターをいれるかどうか話したよな」

「はい」

「そこでだ。勇者パーティーにラルフ達を入れようと」

「ということは、その二人がそうなんですね」

「そうじゃ。なので、自己紹介をしなさい」


「わかりました。じゃあ、僕から。僕はラルフ、ジョブはエンチャンター」


「ヤンだ」


「あーしはリーン、ジョブは魔女です」


 そして、神官服を着た、青年が自己紹介をする。


「わいはサルだ。神官だ」


 最後に勇者であろうビキニアーマーの女は言う。


「おいら、ムネピコ。ジョブは勇者。よろしくお願いします」


 こうして、僕は勇者パーティーのメンバーとして、世界中を旅することとなった。

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