第20話 タンク,戦士,騎士,聖騎士,神官,司祭,魔法使い,賢者

 僕は今、国王陛下に呼ばれ、同じ部屋にいる。


「これは、プライベートな話だから、そう硬くならなくていいぞ」

「そ、そうですか」

「あぁ、お主はこれからどうするのだ」

「はい、北に向かって旅をします」

「ザビンツ帝国に行くのか」

「はい、もしかするとその先に行くかもしれません」

「そうか。魔族領にも行くかもしれないのだな」

「はい」

「実はな、勇者パーティーのメンツは仲がいいとは言えなくての」

「知っています」

「それで、今度処刑だろ。お前に、聞きたかったのだ」

「はい」

「新しい勇者候補はもう見つかっていてだな」

「はい」

「パーティーメンバーにお主を入れようか悩んでいたのだ」

(そうなのか。エンチャンターだから迷っているのか)


「勇者、タンク、騎士、神官と魔法使いのパーティーがオーソドックスで良いと思います」

「そうだな」

「タンクの代わりに戦士、騎士の代わりに聖騎士、神官の代わりに司祭でも良いと思います」

「うむ」

「賢者がいれば、魔法使いの代わりにできるのですが、そうそういないです」

「そうだな」

「その上で誰かを入れたとして、人数が多くなれば、その分連携が難しくなります」

「……」

「連携が難しくなれば、メンバーでの対立や足の引っ張り合いが起こりうると考えます」

「わかった。お主はこれから先、近況報告せよ。呼ぶかもしれんしな」

「わかりました。陛下」

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