第12話 side リルル,ディア,リーン

「リルルさん、ラルフとはどこで知り合ったの?」


「ギルドよ。確かラルフのパーティーが解散して、声をかけられたのよ」


「えっ、たぶん私、そのパーティーメンバーです」


「ディアさんがパーティーにいたのは知っているよ。ラルフが助けに行きたいって言っていたから」


「不思議な縁ですね。リーンちゃんは?」


「あーしはゴブリンに攫われているところをラルフさんとリル姉に助けてもらった」


「えっ、大丈夫だったんですか?」


「巣の中に連れていかれなかったから犯されていない。大丈夫」


「ディアさんこそ、どこで知り合ったの?」


「帝国にあるギルドです」


「そうなんだ。どっちから声かけたの?」


「えーっと、声をかけたというか、ラルフのいたパーティーに神官ですって売り込みにいったの」


「どうして売り込みに、他のパーティーでもいいんじゃない?」


「ひとめ……」


「何?」


「一目惚れだったの」


「「キャーー」」


「うぅー」


「じゃあ、ディアさんはあたい達とライバルね」


「そうですよ。リル姉とディアさんには申し訳ないけど、あーし、負けない」


「やっぱりそうなんですね」


「じゃあ、今日は裸で抱きついちゃおうかな」


「リル姉ズルい、あーしもやる」


「……」


「あれー、ディアさんは無理みたいね。ふふふふふ」


「リル姉、その言い方は可哀相ですよ」


「大丈夫よ。ラルフさん難攻不落だから」


「そう。どんだけ誘惑しても上手く逃げますからね」


「『溜まっているよね。あたいでスッキリしていいから』って必殺技出しても無理だったから」


「そ、そうなんですね」


「まぁ、話はこのくらいにして、ディアさん救出記念飲み会しましょ」


「じゃあ、ラルフさん、呼んでくる」


「リルルさん、私も下着姿のなった方がいいでしょうか」


「ディアさん無理しないで、そのままでいいからね。そ、の、ま、ま、で」


「あっ、こっちこっち、ラルフさんの席はここね」


「えっ、リルルさんとリーンちゃんの間ですか?」


「そうよ」


「ズルいです」


「ズルいも何もこれが当たり前だから」


『当たり前じゃねぇ!! 帰る』


「ごめんなさい、ごめんなさい。ディアさん救出記念日だから、お願い」


「あーしからもお願いです」


「ラルフ、久しぶりだから、一緒に飲もう。ね。パーティーのお話も聞きたいし」

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