第4話
それから1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と
ピクニックをしたり、写真を撮ったり、星を観たり、テレビをみたり……
たくさん遊びに行った。
そして私たちはもっと仲が深まった。
真希も葵も相変わらず元気だ。
塾も週に三回欠かさず参加している。
そんなたわいもない日常を過ごす中、
1つの貼り紙をみた。
「花火大会?」
「おお、今年からするんだな」
「えー花火大会なんて毎年あったっけ?」
「爺ちゃんに聞いたんだけど、俺たちが小さい頃は毎年花火大会やってたらしいよ」
「三人で行かない!?」
「私も言おうとしてた」
「んじゃ三人で行こっか」
「8月8日か〜、って!3日後じゃん!」
「もうすぐだな」
「じゃあ3日後またいつもの場所で集合ね」
私たちは同じ学校で塾の日時も同じだから
予定を決める時はこのように即決する。
「夏、一緒に帰ろ」
「真希は?」
「真希、美化委員だからの残って花壇の整備をするらしい。」
「じゃあふたりで帰ろっか」
「おう」
私たちは家も近い事から夕食を共にする事も多くなり、距離がグンと縮まったのだ。
「夏、最初に比べたら表情が柔らかくなったよな。」
「え、そうかな?」
「うん、よく笑うようになったな!」
「葵と真希のおかげだね」
「俺は、何もしてないからな?」
「ふふ、十分よくしてもらってるよ」
「なんだそれ」と言って笑う
葵の横顔は、綺麗だった。
そういえば、葵は男女問わず色んな人から人気で顔が広い。私なんかと一緒にいて大丈夫なのかな。
「葵って顔広いけど、私達以外と遊んだとこ見たことない」
「だってお前らとしか遊んでないからな」
「いいの?言ってくれたら一人で帰るし、真希と二人で遊んだりするし……」
「俺がお前らといたくているんだからいいの」
不覚にもその発言に胸が高鳴った。
私は葵を親しい友達として見てるのか、
それともまた別の感情なのか。
さっきの鼓動でよりわからなくなってしまった。
でもこれが友達とは別の感情だと
わかってしまった時、
私はきっと後悔すると思う。
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