第4話 羅刹・峡と命名
光牙が廬山達と合流してからおよそ一ヶ月が過ぎた頃…。
新惑星のとある訓練場で鬼面をつけた黒いZWが正拳突き、掌底突き、跳び膝蹴りをした後に後方転回や側面転回、反復横跳びや逆立ち、果てはコサックダンスをしたりしている。
20m近い人型機動兵器が人間以上に俊敏な動きをしているので、轟音とともに掘削される地面と盛り上がっていく土、強烈な土煙による大気汚染で近所迷惑も甚だしく、周辺の景観も損ねまくりである。
見かねた一二三の部下達が散水して土煙や土砂災害を緩和していたが、近所からのクレームは容赦なくつけられる。
「鬼の調子はどうだ?」
「悪くない、調子が良くて少々悪ふざけが過ぎたがな」
光牙は新しく改装されたクラネオンⅣを器用に操縦しながら応え、廬山は鼻で笑い、一二三は近所の荒くれのボスを説得して暴動を起こさない様に仕向けていた。
「…鬼は鬼でもコイツは多くの強者を喰らった悪鬼の
「ふん、羅刹の峡か、ならばそれは
光牙はとってつけた様に名付けたが、廬山は羅刹峡の名づけが受けた様子で、真っ先に光牙のクラネオンⅣを羅刹峡と登録していた。
光牙は廬山に突っ込む気も起きず、別の名前にするのも面倒なのでクラネオンⅣを羅刹・峡と改名・登録しておいた。
一二三はクラネオンⅣの改名が羅刹峡と知って飲んでいたコーヒーを吹き出して荒くれ達のボスを汚してしまった為、近所の荒くれ達と拳と拳で話し合いをする事になったとか…。
ちなみに一二三は怪我こそ負ったものの、見事に荒くれ達を打ちまかし、話をつける事に成功したという。
光牙と廬山と一二三、そして苦労人の部下達は新惑星の開拓住人達にとって治安を守る顔役であったが、警察すらも手が出せない迷惑な奴らでもあった。
黒き疾風の羅刹・峡 馗昭丹 @wsx99souki
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