第232話 炎の塔(黒焔幼犬)
三月の第三木曜日のお昼。
米根夫と叶は、5番出口を出た先にある黒い建物にやって来た。
叶によると、魔環を手に入れると魔法少女になれるらしい。
この時の米根夫は、黒い学ラン。
叶は、赤いつなぎだ。
もちろん、叶のポケットには、『炎の塔 八千万円』。
『人間だけだと危険』だと思ったからか、守張大黒寺のマモンも一緒である。
桜の絨毯はあるのに、黒い建物の周りに硫黄の臭いでいっぱいだ。
「心配して、来るんじゃねぇよ! きつね! 」
「米根夫。あたしは、狐じゃなくて魔法少女なの! 」
「どっちだっていいだろ! 」
「まあまあ、二人共! 」
叶は、米根夫とマモンをなだめながら炎の塔へ入っていった。
炎の塔一階。
ここでは、たくさんの黒くて丸い犬がぴょんぴょんぴょんぴょんと跳ねている。
「ワオーン! 」
「ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン! 」
「ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン! 」
クリスマス前にジョハリ達を苦しめた
どうやら、黒焔幼犬が第一関門の相手らしい。
「あんたらを丸焼きにするワン! 」
「ワオーン! 」
「ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン! 」
「ここは、変身ね! 」
「ええ!? うわっ! 」
米根夫が腕で顔を隠した。
そして、ピカッと言う白い光ともに叶の姿が変わる。
「ううん…………」
光が止んだ。
そこには、白いお婿さんの姿をした叶。
「あ、あんたは誰なんだ? 」
「魔環の魔法少女白婿の叶。あなたと一緒に不死身に変えるもの。ホワイトボーダーライフ! 」
「ううん? 」
叶は、自分と米根夫に魔法かけた。
しかし、何も起こっていない。
「何があったんだ? 」
「先へ行きましょう! 」
「あ、ああ! 」
米根夫と叶は、マモンを置いて螺旋階段を上って行った。
その間、黒焔幼犬は、ボカボカボカボカボカボカと自爆を繰り返す。
「ワオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン! 」
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