四月 第四週

第16話 第一回新人魔法少女魔法戦大会オーディション

 ジョハリ達は、クエストで十億円稼じゅうおくえんかせぐことに成功した。

 しかし、お金を稼ぎすぎてジョハリ達は考えこんだ。

 それで、ジョハリは、ある方法を思いつく。

 第一回だいいっかい新人魔法少女しんじんまほうしょうじょ魔法戦大会まほうせんたいかいだ。


 四月の最後の月曜日。

 新人魔法少女魔法戦大会オーディションを魔王城の一階で開催。

 四月生まれの十歳の魔法少女が集まった。

 四十人ほどの魔法少女が集まる中、ジョハリは、虚構系魔法少女きょこうけいまほうしょうじょ虚構娘きょこうむすめライア。

 ポォーラは、色鉛筆系魔法少女いろえんぴつけいまほうしょうじょ色彩娘しきさいむすめカラフルを選んだ。


 オーディションが終わった昼頃。

「ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ……」

 地下ギルドは、昼食を食べに来たモンスター達でにぎやかだ。

 その地下ギルドのカウンター席に、ライアの姿があった。

 彼女は、赤いとんがり帽子と銀のショートヘアーと鼻が長い黒い仮面と白いベストと赤い短パンをしている。

「むぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐ……ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク……ううん。紅茶のさっぱりとした苦味がチキンカレーのパンチに合う」

 ライアは、チキンカレーをスプーンで食べながら、コップに入ったストレートの紅茶を飲んでいた。

 ライアは魔法少女見習いだった頃、うそで六百人の人間をだまして殺した。

 しかし、チキンカレーとストレートの紅茶の感想は本当だ。

 魔法少女が裏世界の人間を殺すと罪になる。

 なので、魔法少女になったライアは、嘘をつく回数が少なくなったのだ。

「やあ! 」

「おお、カラフル! 」

 ライアの後ろから、カラフルがやって来た。

 カラフルは、黒いロングヘアーと灰色のブレザーと黄色いエプロンと藍色あいいろのワンピースをしている。

 ブレザーとエプロンのポケットには、合計三十六色ごけいさんじゅうろくしょくの色鉛筆がある。

 カラフルが魔法少女見習いだった頃、色を操る魔法で多くの人間を騙して殺した。

 殺した数は、ライアの六百人を超えて九百人にもなる。

 カラフルも、裏世界へ行くために人間を殺すのを止めた。

「ライア。あたしは、人間を殺すのにきたよ」 

「おいらもだよ。人間は弱いからな」

「うん」

 ライアとカラフルは、人間を殺した数で競い合ったライバルだ。

 二人は、お互いの魔法をよく知っている。

「よっと……」

 カラフルが、ライアの右の席に座った。

「そこの先輩。ミントティーを一杯お願い」

「へえぃ。ミントティーいっちょぉ! 」

 メタンが、ガラスのコップに入ったミントティーを持ってきた。

「ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク……プハァァ……普通の紅茶もいいけれど、さわやかなミントティーもいいなぁ」

「カラフルは、おいらより贅沢ぜいたくだなぁ」

「討伐クエストで、二千万円も稼いだからね。そう言う、ライアこそ、もっと稼いでいるんじゃない? 」

「おいらは……五百万……」

「ライア、嘘ついているでょ! 」

「ほ、本当だってばぁ」

「まぁまぁ。落ち着けぇ」

「あ、ああ……」

 メタンが、ライアとカラフルの仲裁ちゅうさいに入る。

「ところで、一つ聞きたいんだが。あんた達の誕生日いつだぁ? 」

 ライアとカラフルは、メタンの質問に答えた。

「おいらは、四月一日。魔法女王と同じだ」

「あたしは、四月七日」

「二人共、誕生日が近いんだなぁ。明日の大会を楽しみにしているよ」

「ああ」

「うん」

 ライアとカラフルは、席を立った。

 そして、右手のこぶしをくってける。

「カラフル。魔法女王のおかげで、やりたいことが決まった」

「ライア。あたしもです」

「大会で、あんたを……」

「あなたを……」

「殺す!! 」


 


 

 

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