四月 第二週

第6話 元冒険パーティーと焼肉パーティー

 守張山攻略から六日後の月曜日。

 ジョハリは元冒険パーティーと一緒に、ギルドの上にある焼き肉屋さんへ行った。

 ポォーラも一緒だ。

 しかし、叶は、学校がいそがしくて欠席。

 ツァイガルとメタンは、金欠で欠席らしい。

 最終的に集まったのは、ジョハリをふくめて七人となった。

 ジョハリは、長方形のテーブルを囲むように座っている。

 ポォーラの左でサンチュを食べているモンスターは、ドーナ。

 青い毛と牛の耳と尻尾と角。

 白いTシャツに、青いサロペット。

 ポォーラの二倍のおっぱいをしている。

 上位モンスターのアルデバランになったドーナだが、ミノタウロスの名残なごりはあるようだ。

 ちなみに、上位モンスターは下級モンスターとは違い、苦手な食べ物がない。

 ドーナの左で冷麺を食べている上位モンスターは、グールのハイエ。

 右手を二つ持っていて、髪と肌とコートとワンピースが全て白だ。

 ハイエは、シーフードが好きらしい。

 冷麺れいめんにトッピングされたエビは、全てなくなっていた。

 ハイエの左にで生肉を食べる食べている上位モンスターは、吸血鬼のボサツ。

 血の輪っかと、白いショートヘアーと、白い和服と、赤い長ズボンをしている。

 吸血鬼は、昼間でも活動かつどう出来できる女性型の上位モンスター。

 下級モンスターは、レッドキャップである。

 ボサツの左でソーセージを食べている上位モンスターは、ケルベロスのリンお姉さん。

 茶色っぽいロングヘアーと、犬の耳と尻尾。

 浮遊ふゆうしている自分に似た頭の分身。

 黒い水着のような服と、黒い長ズボンと、黒いコート。

 ボサツの三倍のおっぱいをしている。

 ケルベロスは、ブラックドッグの上位モンスター。

 リンお姉さんがソーセージが好きなのは、ブラックドッグだった頃の名残があるからである。

 リンお姉さんの左で石焼きビビンバを食べている魔法少女は、元偶像城王女もとぐぞうじょうおうじょのフィロ。

 逆さのティアラと、黒と金のツインテール。

 灰色のコートと、『転』書かれた白と黒のワンピース。

 リンお姉さんの半分位のおっぱいをしている。

 フィロは元々、結婚相手を探すために裏世界に行きたかった。

 しかし、偶像国ぐぞうこくとなった裏世界島うらせかいじまでの仕事が、忙しいらしい。

 なので、生活のほとんどが、裏世界島の裏世界駅うらせかいえきだ。

 フィロの左は、ジョハリである。

「元冒険パーティー会えるのは、久しぶりね」

「ああ」

「久々」

「また、一緒に食事出来るなんて」

「ジョハリに会えて嬉しいよ」

「フィロも、嬉しい! 」

 ジョハリの元冒険パーティーは、ジョハリと久々の出会いを喜んでいた。

「そう言えば、みんなは、裏世界駅が魔法少女駅とつながってからどうしてるの? 」

 ジョハリの質問に最初に答えたのは、リンお姉さん。

「あたしは、魔法少女市に新しく出来た警察署でブラックドッグをまとめてている。魔法使いとモンスターを取り締まるには、幻獣国の住人の力が必要だからな」

「次は、誰が話しててくれるかしら」

 次に答えたのは、ボサツ。

「オレは、レッドキャップに剣術と狩りを教えているよ。下級モンスターである、レッドキャップの頭の帽子を守るためにな」

「確かに、帽子を血で赤く染める必要があるし。帽子が壊れると死んじゃうもんね。次は、誰かしら? 」

 次に答えたのは、ドーナ。

「わたしは、ミノタウロスに大盾術とパズルを教えている。もう強くなったからな。ジョハリも、そろそろ、弟子が必要なんじゃないのか? 能の女神を倒すほどの力があるのだから」

「うーん……」

 ジョハリは、ドーナの質問を聞いて考えた。

 そして、決断した。

「あたしは、まだ弟子はいらない。もっと強いの戦いたい」

「だったら、これをわたそう」

 ボサツが、そでから白い紙を出した。

 開くと、血の輪っかをした女性のイラストがか書かれている。

 内容は、『連続殺人吸血鬼れんぞくさつじんきゅうけつき 三十万円さんじゅうまんえん』だ。

「これは、討伐とうばつクエストだ。だが、ここに書かれている吸血鬼はオレじゃないぞ」

「クエストに挑み続ければ、強いのと戦えるのね」

「ああ」

 ボサツは、討伐クエストの依頼書をジョハリに渡す。

 そして、ジョハリは、その依頼書を『開放』と書かれたバッグしまった。

 すると、フィロが座布団から立ち上がる。

「フィロは、そろそろ帰るね。裏世界の仕事が忙しいから。短く間だけれど、ありがとう」

「うん、あたしも楽しかったよ。じゃあね」


 焼肉パーティーを終えた後、ジョハリとポォーラは魔王城のエレベーターにいた。

「ボサツが生肉を食べてから、僕も肉を生で食べたよ」

「ポォーラは、胃袋が強いのね」

「ポラリスの娘だから」

「そう言うモンスターもいるのね。会ってみたいわ」


 魔王城十五階。

 白のエレベーターのドアが開いた。

「お待ちしてました」

 何と、ジョハリのマッサージチェアーの王座に一人の魔法少女いる。

 三つのデニッシュパンのかざりがついた茶色いおさげ。

 白いコートに、水色のポロシャツと短パン。

 デニッシュパンの形をしたバッグがある。

「あ、あなたは、誰なの? 」

「わたしは、デニッシュ系魔法少女の層娘そうむすめのデニッシュ。ジョハリ様の影武者かげむしゃです」

 これが、自称影武者じしょうかげむしゃの登場だった。

 



 



 

 


 

 

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