第4話 守張神

 ジョハリ達は、赤い鳥居がある正方形の部屋にいる。

 叶は、床を見た。

「このマーク……魔方陣。第一関門だいいちかんもんにあったやっと同じだ! 」

「そうね」

「ひょとして、ここに魔法少女市まほうしょうじょし最古さいこの魔法少女が封印されているるのかなぁ? 」

 すると、床の魔方陣が赤く光り出した。

「えっ? 」

「また、てるこ? 」

「もう、ハゲはやだよー! 」

 しかし、下から出て来たのはてるこではなかった。

 と言うよりも、ジョハリを黒髪にしたような頭をしている。

 しかし、ジョハリとは違うところがあるようだ。

 ジョハリの二倍のおっぱい。

 白い和服に赤いミニスカートと七五三縄しめなわ

 てるこの形のバッグ。

 宙に浮いた鏡の盾と両刃の長い剣と青い勾玉。

 手の甲には、六芒星ろくぼうせいの魔方陣がある。

「あなたが、魔法少女市まほうしょうじょし最古さいこの魔法少女? 」

「そうだ。ちんは、古き魔法少女の守張神しゅばりしん。お主らは、陳に会えたのだ。目的は果たしたのだろう? 」

「うん」

「そうだけれど」

「うーん……」

 ジョハリ達は、この時点でクエストはクリア。

 しかし、ただ会うだけでは物足りない。

「守張神さん、一勝負していいかな? 」

「僕達は、守張神の力を見たことがないんだ」

「……かまわんが、そこのおなごは戦わんのか? 」

「叶は、魔法が使えないから戦えないの」

「よかろう。叶はとやらは、安全な所に避難しろ」

「うん! 」

 叶は、鳥居がある部屋を出た。

「そう言えば、そちら。名を何と申す」

「あたしの名は、ジョハリの窓系魔法少女の窓娘のジョハリ」

「僕の名は、ポラリス系魔法少女の悲熊娘ひぐまむすめのポォーラ」

「よおし、ジョハリ、ポォーラ。まとめて、かかってこい! 」

 そして、ジョハリとポォーラと守張神の魔法戦が始まった。

 最初に、ポォーラがカッターの先っぽを守張神に向ける。

「ハートクラッシュ! 」

「『守』」

 守張神は、鏡の盾で魔法を無力化。

「『破』」

「ぐあっ! 」

 おっぱいを揺らしながら、両刃剣でポォーラの太ももを斬りつける。

「『離』」

「ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 魔方陣が書かれた手からビームを出し、ポォーラを木の壁に叩きつけた。

「ぐうぅぅぅぅぅ……」

 ビームが止んだ。

 ポォーラの体は、ボロボロ。

 しかし、両足で立ち、なんとか耐えきった。

 ポォーラは、まだ戦えるようだ。

「ポォーラ、次は同時よ! 」

「ああ」

 ポォーラは、カッターの先っぽを守張神に向けた。

 その間に、ジョハリが守張神の後ろへ行く。

「ハートクラッシュ! 」

「何度も、同じ手は効かん! 」

 守張神は、ポォーラの魔法を鏡の盾で無力化。

 しかし、背後のジョハリの魔法は防げなかった。

「チェンジ! 」

「ううん? 」

 守張神は、ジョハリを見た。

 そして、目をへの字の形にする。

「……うん……朕の負けだ……」

 守張神は、バッグに帰られた。


 守張山から帰った後。

 ジョハリ達は、地下ギルドに戻った。

 ギルマスは、ジョハリ達に一人三万円ずつ渡した。

「ねえ、魔法女王」

「どうしたの、ポォーラ? 」

「僕は、今、家がないんだ。魔法女王の城に住んでいいかなぁ? 」

「ホームステイは、OKよ。それより、たくさん戦ったから、お腹空いたでしょう」

 ポォーラのお腹の音が鳴った。

「うん」

「じゃあ、直ぐ近くの店で夕食ね」

「けれど、僕は、おもちゃ屋さん行かないと……」

「それなら、ポォーラの代わりにあたしが行く」

「……ああ、叶も、報酬ほうしゅうをもらったもんね。じゃあ、任せるよ」

「では、買いに行ってくるね。さよーならー! 」

 叶は、おもちゃ屋さんへ行った。


 ジョハリとポォーラは、ギルドをでて直ぐのお好み焼き屋さんに行った。

 鉄板の上に、二枚のお好み焼きがある。

 モダン焼きが、ジョハリ。

 明太チーズマヨが、ポォーラだ。

「はぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅ……うーん。麺と生地のもちもち感。ブラックコーヒーが欲しくなるわね」

「はぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅ……魔法女王は、ブラックコーヒーが好きなんだね」

「うん」

「僕は、明太チーズマヨの甘辛な味には、キャラメルマキアートかな」

「ポォーラは、甘い物が好きなのね」

「うん」

 ジョハリは、改めて守張神の話をした。

「そう言えば、守張神は、あたしに似てたわね。これも、あたしが魔法女王になれた理由かしら」

「多分、たまたまだよ。もし、僕が裏世界に最初に来た魔法少女だったら。僕が、魔法女王になってた」

「……かも、知れないわね」

 その、ジョハリとポォーラは、会計で三千円ずつ支払った。


 

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