第3話 守張山
たんぽぽの
ジョハリとポォーラは、守張山の
守張山は、ギルドからバスで二時間の所にある。
「お待たせー外食したら遅れちゃったー!」
「叶ー、
「ありがとう、ポォーラ!」
「そろったわね。では、入りましょう」
ジョハリは、木の扉を両手で押した。
そして、三人は守張山の洞窟の中に入っていく。
ジョハリ達は、入り口の穴が見えなくなるまで洞窟の中に入った。
すると、ボッボッボッボッと暗い洞窟を四つの
松明の下には、正方形の木造の部屋がある。
その様子は、部屋のそからもわかる。
「入りましょう」
「ああ」
「うん」
ジョハリ達は、長方形の入り口の中に入った。
叶は、壁にある。四つのマークが気になった。
「丸いマークがあるよ。ジョハリと同じだよね」
「違うわよ」
ジョハリは、手の甲を見せた。
黒い丸が、右と左に一つずつある。
「ライト!」
ジョハリが、呪文を叫ぶと丸の中に正方形の模様が出た。
叶は、壁のマーク見比べる。
「確かに、違う。壁のマークは、丸の中に六芒星だ」
「叶、『マーク』と言う言葉も違うわ」
「マークじゃないの?」
「魔方陣よ。魔法を使う時に使うの」
「さっき、呪文みたいなの叫んでたね」
「ううん?」
ジョハリと叶が話している間、ポォーラが入り口から一番離れた魔方陣をのぞいている。
すると、壁の魔方陣が赤く光り出した。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「どうしたの、ポォーラ?」
「大丈夫?」
尻もちをついたポォーラの所に、ジョハリと叶が集まる。
「何があったの?」
「あ……あれを見て……」
ジョハリは、ポォーラが指差す方向を見た。
魔方陣から、白くて丸いものがにょきっと出ている。
そこから、脚が抜けて尻もちをついた。
そして、出て来たものがジョハリの方を見て立ち上がった。
「守張様の偶像。てるこだよ」
現れたのは、『てるこ』と名乗る偶像。
白いスキンヘッドと、頭と同じくらいの大きさの赤いからだをしている。
身長は、叶と同じくらい。
右手には、陶器の人形を持っている。
しかし、てるこは一体だけではなかった。
「てるこだよ」
「てるこだよ」
「てるこだよ」
「え?」
何と、四体のてるこがジョハリを囲んでいた。
「魔法女王。どうやら、ここが、ダンジョンの
「叶は、部屋の真ん中でじっとしてて。ここは、あたしとポォーラがやる」
「うん!」
ジョハリとポォーラは、ダンジョンの第一関門に挑んだ。
最初に、てるこが陶器の人形を投げつける。
「てるこだよー」
「てるこだよー」
「てるこだよー」
「てるこだよー」
ジョハリは、魔法で陶器の人形を防ぐ。
「シールド、シールド!」
ジョハリは、バリアを二枚召喚。
自分とポォーラの前に、一枚ずつ張った。
てるこが投げた、陶器の人形はバリアに当たって粉々になる。
「ありがとう、魔法女王。じゃあ、僕も、魔法を使うよ」
ポォーラは、てるこにカッターの先っぽを向けた。
「ハートクラッシュ!」
しかし、何も起こらない。
「なら、
ポォーラは、カッター先っぽを真上の向けた。
そして、おっぱいを揺らしながら曲線を描くようにカッターを下ろした。
「大魔法『
「う゛わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「う゛わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「う゛わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「う゛わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
てるこの体が、パリンッパリンッパリンッパリンッと音を立てながら砕け散った。
「ああ……前の世界と同じだ……」
ポォーラは、心配になった。
『熊娘の涙』は、仲間も巻き込む危険な大魔法。
ジョハリと叶は、無事だろうか?
ポォーラは、立ち上がった。
「ディスペル。あたしは、魔法を
「はあぁぁぁぁぁ……よかったあぁぁぁぁぁ……」
ジョハリと叶は、無事だった。
ポォーラは、仲間を守る魔法少女がいてホッとした気分である。
「それにしても、ポォーラは魔方陣を使わないんだね」
「僕のカッターは、魔法ステッキなんだ。体に魔方陣を入れる必要はなっ……」
叶と話している途中、ポォーラが正方形の穴に落ちた。
「次の階が、
「次は、ハゲじゃないといいな」
「では、行きましょう。フライング!」
「うわあっ!」
ジョハリと叶が、宙に浮いた。
そして、正方形の穴の中に入る。
守張山の地下一階。
ここは、ダンジョンの第二関門。
この部屋も、正方形で出来ている。
部屋には、時計回りに『い、ろ、は、に、ま、へ、と、ち、り、ぬ、る、を』書かれた十二枚の扉がある。
しかし、それよりもジョハリはポォーラを起こすのが優先だ。
「ポォーラ、ポォーラ!」
「う……ううん……ぼ、僕、落ちたんだね……」
尻もちをついたポォーラは、カッターを持って立ち上がった。
「ご……ごめん……僕が、ドジ踏んで……」
「いいのよ。おかげで、第二関門にいけたんだから。ありがとう」
「どう、致しまして」
「ううん?」
ジョハリは、十二枚の扉を見て思った。
この扉は、前の世界で見たことがある。
「ねえ、魔法女王。この扉は?」
「これは、『仲間外れ扉』よ。この中に、仲間外れがあって、それを開けると次へいけるの。あたしが前の世界で挑んだのと同じパズルよ」
「パズルなら、あたしに任せて」
「いいの、叶。人間には、難しいよ」
ジョハリが、ポォーラの前に左腕を伸ばした。
「叶に任せましょう。裏世界の人間は、あたし達が知っている人間とは違うはずだから」
「……お願いする」
第二関門は、叶が挑むことになった。
しかし、叶はすでに答えをわかっていた。
「答えは、『を』だよ。文章を書くとき最初に使わないから」
叶は、『を』の扉を押した。
扉の奥には、正方形の部屋がある。
「やったぁ、正解だぁ!」
叶が部屋に入った、その時。
木の床が抜け落ちた。
「ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
そして、叶を、下にある五十本の杭が串刺しにした。
体から、セーラー服がにじむほど大量の赤い血が噴き出している。
胸から出る血はドロドロ垂れ、刺している
「ああ……」
「人間は、残念ね……」
仕方なく、ジョハリは叶を助けることにした。
最初に、叶の
「テレポート!」
次に、叶を生き返らせる。
「リライフ!」
叶に胸に開いた穴は、小さくなっていく。
そして、叶は目を覚ました。
「う……ううん……あ、あたし、何をしているだろう……あ、思い出した。『を』は、正解だよね?」
「うううん」
ジョハリは、頭を横に振った。
「『を』は、不正解よ」
「叶はさっき、串刺しになってた」
「そうなんだ……ごめん、パズルのリベンジさせて」
「ああ」
「うん」
叶は、パズルにもう一度挑んだ。
今度は、『いろはにまへとちりぬるを』を何度も声に出した。
「いろはにまへとちりぬるを、いろはにまへとちりぬるを、いろはにまへとちりぬるを、いろはにまへと……わかった!」
叶の二回目の答えは、『ま』。
叶えは、『ま』の扉を押す。
そこには、また正方形の部屋あった。
しかし、叶が最初に開けた部屋とは違う。
奥に、赤い鳥居があるのだ。
「また、床が落ちないといいな」
叶は、部屋に足を入れた。
床が、落ちない。
どうやら、ここが正解のようだ。
「魔法女王ー、ポォーラーこっちこっちー!」
「あたし達も、入りましょう」
「ああ」
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