4話目

 夕方になって、そろそろ解散というので朝と同じ駅前に一旦集まることとなった。


 特に深い意味合いはなく、念のため人数確認して解散という主将達の配慮だ。朝と同じくすぐに全員集合すると、剣道部の主将から帰宅後の注意受けて、そのまま解散した。中には数人でカラオケに寄ってから帰る人達もいたが、方向が違うので断り帰宅した。



 帰宅すると、剣道部と弓道部のグループLINEに招待されていた事に気が付いた。迷わずにメンバーに加わると、今日の写真アルバムが送信されてくる。朝の集合写真から始まり、時間帯まばらな写真だらけだ。


 気に入った写真だけをピックアップし保存していると、ふとある写真に目が留まる。


 それは、瀬名が俯き加減にストローを咥え、メロンソーダを飲んでいる写真。


 他の人が見れば、今日のお昼の写真だろうとスルーされてしまうような一枚。


 しかし瀬名は大事な事に気付いた。


 それは、この写真が私に対して真正面から撮られているということ。そう、絶賛片想い中の彼が自分のことを撮った写真であるのだ。


 この事実に気がついた瞬間、思わず独りベッドの上でのたうち回る。

「ほ、北条先輩が、私を!?」

 彼自身にもそんなに深い意味はないだろう。そんな事は分かっていたものの、充分嬉しかった。


 直ぐに保存して、お気に入りマークをつける。


「私の宝物」


 ——そう思いながら。

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