07 町で2人を見た男たち




「おい、聞いたか?」


「何をだ?」


「この町にエルフが来たんだよ!」


「マジかよ! まだいたんだな。」


「あぁ、俺もチラっと見ただけなんだがとんでもなく美人だったぜ。」


「くっそ! 見てみたかったな。」


「見るだけでいいのか? 一晩相手してほしいもんだぜ。」


「違いねぇ!」


「おいおいおい… お前らナンパはやめとけよ…?」


「あん? なんでだよ?」


「そうだぜ? 意外とイケるかもしれねぇだろ?」


「そのエルフの連れが問題なんだよ。」


「うん? いかついやつなのか?」


「いや、チビのガキだ。」


「ならいいじゃねぇか、そいつぶっ飛ばして攫ってもいいよな。」


「あー… ほんとやめとけ。 あれはやべぇ…」


「どういうことだよ?」


「聞いたことねぇか? チビのアビスエルフの噂だ。」


「チビ… アビスエルフ… どっかで聞いたような…」


「ひょっとして、新人の冒険者か? とんでもねぇ強さって噂の。」


「おう、それだ。 エルフやダークエルフは長寿の種族だから見た目と実年齢は俺ら人間とは違うらしいからあのチビも思ったより行ってるかも知れねぇぞ。」


「いや、たしかそいつなら14か15だって聞いたぜ?」


「ガキじゃねぇか! ちょっとぶっ飛ばしてくるわ。」


「だからほんとやめとけって、あのアビスエルフはほんとやべぇんだって。

 前に読んだ本にあったんだがアビスエルフってのはダークエルフの中でとんでもねぇ魔法を使う特別なやつでな、1人で軍隊相手にできるくれぇだって話しもあるんだ。」


「うっそだろ… あいつなら見たことあるけど普通のちょっと色黒のガキだぜ?」


「だからやべぇんだって。 俺もエルフの娘を見てたら飛んでもねぇ殺気をぶつけて来やがった。」


「見るくれぇいいじゃねぇか、なぁ?

 あんな美人めったにいねぇよ。」


「だからあのガキが囲ってんじゃねぇか?

 ひょっとしたら逆かもしれねぇけど。」


「どういうことだ?」


「エルフって長寿だろ? ならあの娘も実年齢は100とかかもしれねぇってこった。」


「うっわ、でもあの美人ならそれでも…」


「いや、それはまぁお前の趣味なら勝手にしろよ…」


「てめぇら! あの美人エルフとチビのダークエルフの邪魔すんじゃねぇよ!」


「そうだ! おねショタはてぇてぇんだ!」


「「「おねショタ!?!?」」」

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