03 町に出たエルフのひとりごと





 もう! なんなんですか!


 あの方に町へ連れていってもらいましたが、


 ほんとなんなんですか!


 食堂に行けば女たちがあの方にすり寄り!


 冒険者の集まるギルド? というところでも女たちが!!


 あの方は私だけを見て、私だけを感じていればいいのです!


 ここは女たちを始末して…



 あ…


 も、もぉ… 頭を撫でるだけで機嫌が直ると思わないでくださいね!


 ん… もぅ… 耳は敏感なんですからやさしく…



 あれ?


 なんでしたっけ?


 そうです!


 私も冒険者として登録をするんですね。


 大丈夫ですよ。


 村にいたころには魔法も弓も大人並みに使っていましたから。


 でもその大人たちも人間には勝てませんでしたけど…


 もぉ!


 そう言って私をあまり喜ばせないでください!


 私のことは必ず守るなんて…


 これ以上好きになったらどうしたらいいんでしょう…


 あなたを閉じ込めて私としか会えなくしちゃいますよ?


 ふふふっ


 あなたが教えてくれた愛し方ですよ?


 誰も手の届かないところに閉じ込めて


 ずっと、


 ずぅっとあなたのことだけを考えるようにしちゃったんですから




 私はあなたのことしか考えていませんからね?


 愛していますよ。

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